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Attila Zoller/ The Horizond Behyond

Attila Zoller/ The Horizond Behyond
1965年 ハンガリー
『初期フリージャズの名盤』
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 ハンガリーを代表するギタリスト、アッティラ・ゾラーによる初のリーダー作。
ATTILA ZOLLER(g)
DON FRIEDMAN(p)
BARRE PHILLIPS(b)
DANIEL HUMAIR(ds)
ドラムの方のみ、知らないのですが、なかなかの豪華メンバー。ジャズとは思えないサイケ度の高いジャケなのですが、内容は硬派。1965年のヨーロッパ・ジャズとしては、かなり進んだフリー度の高いジャズをやっています。速弾きの応酬はもちろんのこと、静寂パートと熱いインプロヴィゼーションの切り替わりが素晴らしい。フレーズのアクは強いものの、メロディアスな部分も残っており、生粋のフリー・ジャズよりは幾分聴きやすいです。

Attila Zoller - The Horizon Beyond (1965)
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RAVEL:MA MERE L’OYE/VALSES NOBLES ET SENTIMENTALES/CLUYTENS

RAVEL:MA MERE L’OYE/VALSES NOBLES ET SENTIMENTALES/CLUYTENS
ラヴェル/バレエ音楽「マ・メール・ロワ」(全曲)高雅にして感傷的なワルツ
アンドレ・クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団
1963年 フランス
『ラヴェルで春らんまん』

 今月のクラシックはラヴェルのバレエ音楽を選びました。個人的にはラヴェル作品に触れるのは今回で3度目。優雅なラヴェルの音楽があれば、さすがの我が家にも華やかな春が来ていると実感できるというものです。※この記事は3月に書いていました。
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 ラヴェルについて:  モーリス・ラヴェルは1875年、スイス人の父、バスク人の母を持ち、フランスのバスク地方に生まれました。父親の影響で音楽を習い始め、やがて名門であるパリ音楽院へと進学。1898年(23歳)には大きな演奏会に出場し、ここで作曲家デビューを果たします。その後、1900年よりラヴェルはローマ大賞(留学試験)へ応募、奨学金を経て、更にクラシックを学ばんとするも、5回の挑戦で全て落選することに。(審査に不正があったとのこと)その後、第一次大戦と母の死を経て、作曲家としての意欲を失っていくラヴェル。不安定な中で名曲「ボレロ」を生み出すも、1927年頃より言語や記憶の障害に悩まされることになります。そのまま作曲家としての活動が思うように出来ぬまま、1937年に亡くなりました。

 「マ・メール・ロワ」について 1908年作曲。時期的にはローマ賞の落選後、一次大戦前の頃に作られたものです。フランスのおとぎ話を題材にした楽曲。元々は友人の子供達のために書いたピアノ曲で、それをバレエ音楽へと編曲したものです。緻密な楽曲構成と優雅なメロディーというラヴェルの二大要素を盛り込んだ素晴らしい曲。子供用らしく30分弱で次々に場面転換されるスピード感も見事。

 指揮、演奏は華やかさ、気高さを強調するスタイルで、ラヴェルの音楽との相性は抜群。緻密な音の重なりも存分に楽しめます。
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WIZZ JONES/WIZZ JONES

WIZZ JONES/WIZZ JONES
1969年 イギリス
『目立たなかった彼を再評価』

 英フォークの重鎮の一人でありながら、日本ではあまり注目されていないウィズ・ジョーンズ。ウチのCD棚にも代表作の「Right Now」くらいはあるだろう、とWのコーナーを捜索してみましたが・・・無い。CDが日本盤でリリースされたことは恐らく無いはずで、その辺りが認知度に影響しているものと思われます。

 今回はBIGPINKによるファーストの再発盤を購入しました。帯にはバート・ヤンシュやデイヴィ・グレアムと並ぶ名ギタリストと表記されており、改めて偉大さを認識する次第。1959年にフォーク・シンガーとしての活動を開始しながら、紆余曲折を経て1968年にファースト・ソロとなる本作を発表しています。
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魚眼レンズジャケが、この時代のイギリスらしさを感じさせます。

 古き良きブリティッシュ・フォークを現代(この場合1969年)に蘇らせよう、という意気込みが当時のフォーク・シンガーにはあり、その思いの源泉にはボブ・ディランがいました。ウィズ・ジョーンズもルーツを大切にしつつ、当時のロック・シーンの流行であったサイケデリック・サウンドに反応しており、カラフルなポップ・サウンドでブリティッシュ・フォークをアレンジしております。先述したバート・ヤンシュやデイヴィ・グレアムは伝統を重んじた濃厚なブリティッシュ・フォークを指向していましたので、彼らとは対極に位置する音楽性と言えます。同時代のドノヴァンに近い部分もあり。またバロック調のオーケストラ・アレンジも特徴で、イギリスらしい上品で温かみのあるムードを演出しています。

 アレンジが賑やかな分、楽曲本来の個性が埋没しているところはマイナス点。ただ代表作「Right Now」で結実するサイケ・フォーク路線は既に試みられており、名ギタリストと称えられる流麗な指捌きと清涼感のある楽曲群は十分魅力的でした。

Dazzling Stranger

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Thelonious Monk/ Underground

Thelonious Monk/ Underground
1968年 アメリカ
『ジャケとの相乗効果で楽しさ倍増』

 ボブ・ディランの『地下室』と似たジャケットが気になって購入。(調べてみましたが確たる情報は見つからず)セロニアス・モンクは今回で5枚目です。即興と本筋の境界線が見えないような、スリリング且つ美しい旋律を聴かせてくれるピアニスト兼作曲家。
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本作での参加メンバーは以下。
Thelonious Monk(piano)
Charlie Rouse(tenor sax)
Larry Gales(bass)
Tommy Williams(bass)
Ben Railey(drums)
Jon Hendricks(vocal)

 セロニアス・モンクはこの時、50歳。53歳(1971年)には隠居体制に入ってしまうので、晩年の作品ということになります。収録曲は全7曲で5曲目の『Easy Street』のみスタンダードであり、他の曲は全て自作曲となります。

 この時代のセロニアス・モンクは初めて聴きました。ピアノのスタイルが落ち着いている。いや、音数を抑えて表現しようとしているように思えます。これはこれでやはりかっこいい。自在に閃くアドリブも健在です。また、アンサンブルも、モンクのコロンビア期を支えてきたメンバーが多く参加しているだけにコンビネーションはバッチリです。

 個人的に気に入ったのはまず3曲目「Raise Four」。延々と続くと思われるピアノのリフレインから徐々に崩れてアドリブ・パートへ。最初の無愛想な冷たさから一転、お茶目なセッションへと表情が変わるのが楽しい曲です。そしてラストに置かれた「In Walked Bud」。
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Terry Smith/Fallout

Terry Smith/Fallout
1968年 イギリス
『モッズをひきずった英ジャズアルバム』

 近所のブックオフで何気なくピックアップして来たもの。テリー・スミスという名前に聞き覚えがあるような、ないような、と思っていたら70年代に英ジャズ・ロック・グループとして活躍することになるIFのギタリストでした。本作はバンド結成前に録音された純粋なジャズ・アルバムです。彼にとって初のリーダー作でもあり。
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クレジットは以下の通り。

Arranged By – Harry South, Jimmy Deuchar
Bass – Ron Mathewson (tracks: A4, B1, B4, A1, A2, B2)
Drums – Chris Karen* (tracks: A3, B3), Ronnie Stephenson (tracks: A4, B1, B4, A1, A2, B2)
Engineer – David Voyde, Peter Olliff, Roger Wake
Guitar – Terry Smith
Organ – Bob Stuckley (tracks: A3, B3)
Percussion – Denis Lopez* (tracks: A4, B1, B4), Peter Aherne* (tracks: A1, A2, B2)
Piano – Gordon Beck (tracks: A4, B1, B4, A1, A2, B2)
Producer – Scott Walker
Saxophone [Alto], Flute – Ray Warleigh (tracks: A4, B1, B4, A1, A2, B2), Roy Willox (tracks: A1, A2, B2)
Saxophone [Baritone] – Ronnie Ross (tracks: A4, B1, B4)
Saxophone [Tenor], Flute – Bob Efford (tracks: A4, B1, B4, A1, A2, B2)
Trombone – Don Lusher (tracks: A4, B1, B4)
Trumpet – Derek Watkins (tracks: A1, A2, B2), Greg Bowen (tracks: A4, B1, B4), Kenny Wheeler (tracks: A1, A2, A4, B1, B2, B4), Les Condon (tracks: A4, B1, B4), Tony Fisher (2) (tracks: A1, A2, B2)
Vibraphone, Marimba – Jim Lawless (tracks: A1, A2, B2)

ピアノのゴードン・ベック、トランペットのケニー・ホィーラー辺りは聞いたことがあるのですが、他は勉強不足につき良く分かりません。プロデューサーがスコット・ウォーカーってところは意外です。(違う人なのかな?)

 クレジットを見ても分かりますが、半分はビッグバンドでの演奏となっています。残りの曲もオルガンとギターの絡みが中心となったモッズっぽい仕上がり。1968年ということを考えるとソウル風味がノスタルジーな音楽性ですが、グルーヴィな魅力が強調されていて楽しいです。ガーシュインやバートバカラックの曲を取り上げていることからポップス畑を意識しているのが伺えます。演奏は英ジャズらしいカッチリとしてクールな切れ味が感じられるもの。2分で終わってしまうビッグバンドによるアップテンポ「I Love You」の躍動感が素晴らしい。

動画が無かったです。
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