FC2ブログ

V.A./文藝ミュージシャンの勃興

V.A./文藝ミュージシャンの勃興
2002年 日本
『勤労感謝の日に聴きたい歌』

 文藝ミュージシャンって何だろう、ということがこのCDで分かるかというと、それはさっぱり分かりません。原朋信、田辺マモルが監修に加わっており、その周辺の人脈が採用されている感じの人選です。帯にあるような「美人に貢がせ、原稿破る」文士に憧れて、という訳でもなさそう。ただ、生活が感じられる内向的な音楽という部分では統一感があり、心地よく聴くことが出来るコンピレーションです。尚、文藝ミュージシャンということで、参加した面々には数ページが与えられており、短編小説やエッセイなどを読むことが出来ます。おそらくかつての文士が編纂していたという同人誌をリスペクトして仕上げたものなのでしょう。楽しい読み物になっています。
PSCR-6088.jpg

 実はマーガレットズロースの未発表曲「三度の飯より」が入っていたので購入したCDでした。収録曲17曲のうちには、その他にもいくつかの貴重な曲が含まれています。アンダーグラウンドなミュージシャンが多いので、そのファン向けという意味で、ですが。

 一番のお気に入りになったのは、ニーネの「俺も4トンに乗るぜ」。物流の仕事に就いて、4トントラックで家族を支える男の歌のような体裁ですが、その実、4トントラックで大きな荷物を運ぶがごとく、自分の音楽で皆を楽しませてやるぞ!という泥臭い青さが炸裂した素晴らしい歌となっています。勤労感謝の日に聴きたい歌。そういえば、来週末にニーネのライブに行きます。

動画はありませんでした。

関連するタグ 日本フォークロック

V.A./巣鶴鈴慕

V.A./巣鶴鈴慕
2000年 日本
『ひなヅルの声が聞こえる』

 久しぶりに、民族音楽としての邦楽CDを購入。今回もビクターのJVC SOUNDシリーズより、尺八音楽の入門的な作品としてこちらを選びました。
200x200_P2_J1098035W.jpg

 民族音楽を扱う記事であれば、通常、誕生の歴史などを書くところですが、尺八の場合は概ねご存知かと思われますので割愛いたします。解説では宗教の法器として始まり、現代では持続音の出せる数少ない楽器として、様々な音楽に重宝されているとの旨が書かれています。このCDでは「巣鶴鈴慕」「鹿の遠音」という2つの代表曲を含む4曲の有名曲を、一級の演奏者により紹介してくれています。

尺八音楽は和食店のBGMで聴くことがあるくらいで馴染みも薄く、今回初めて落ち着いて聴いた次第。全編、尺八のみという硬派な内容。表題曲である巣鶴鈴慕をはじめ、どの曲にも物語が込められているのが特徴です。この辺り、解説のおかげで想像しながら楽しむことが出来ました。

鹿の遠音
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ 日本民族音楽

ビンジョウバカネ/ビンジョウバカネ

ビンジョウバカネ/ビンジョウバカネ
2003年 日本
『素人くささも味わい』

 変拍子が大好きなポップ・グループ、ビンジョウバカネが残したファースト・アルバムをご紹介。グループについてはセカンドでのレビューもご参照ください。
81aJo8heIIL__SX355_.jpg

8曲目にドアーズ「Light My Fire」のカバーがあり、それ以外はオリジナルで構成されています。永野亮、中川久史、森ゆに、の3人全員でヴォーカル、ギター、パーカッション、コーラスを分け合っているアットホームなフォーク・アンサンブルが楽しめる編成。

 彼らは3人で楽曲を持ち寄っているという認識でしたが、このファーストでは永野亮と中川久史の楽曲だけで構成されています。後にAPOGEEやソロでも活躍する永野亮はともかく、ビンジョウバカネ解散後、音楽界から消息を絶ってしまった中川久史という方の印象は薄かったです。ただファーストでの楽曲を聴く限り、ビートルズからの影響が強い、ファンタジックなポップ・ナンバーを書いており、これは永野亮へのソロ作の作風とも重なっています。恐らく影響を与えたのでしょう。これだけの素晴らしい曲を書くことが出来るのですから、いつか復活して頂きたいものです。

 ハーモニーが飛び交い、変拍子を多用するポップス、フォーク・ナンバーが並んでおり、のどかな山間の田舎町のような風情のアルバム。素人くささをビシバシと感じさせてくれるのも味わい。
関連するタグ 日本ポップスフォーク

杉野清隆/メロウ

杉野清隆/メロウ
2008年 日本
『これがメロウか』

 メロウ、と言われると叙情や哀愁、穏やかな音楽を連想してしまうのですが、本来は豊潤な、甘美な、という意味の形容詞なのですね。先のイメージはメロウな夕焼けが似合う音楽、というところから連想されたものなのでしょう。とにかく分かりやすいタイトルです。
61x_AXjm4AL__SY355_.jpg

 金沢を拠点に活動している杉野清隆によるセカンド・ミニ・アルバム。メロウというイメージそのままのメロディーは、ルーツにカントリーを持っているのが特徴。大サビのCメロまでドラマティックに盛り上げる凝った作曲が素晴らしい。そしてギターは、一音を伸ばして揺らす。更にダンディな歌声。たまに無償に聴きたくなるアルバムです。

馬/杉野清隆 in メロメロポッチ
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ 日本SSWフォーク

ビンジョウバカネ/Afters

ビンジョウバカネ/Afters
2005年 日本
『名曲をポコポコに』

 後にAPOGEEなどで活躍する永野亮とソロのSSWとして活動している森ゆにが在籍していたことで知られるグループ、ビンジョウバカネ。ミニアルバム2枚のみで解散してしまった彼ら。本作は2枚目のミニアルバムです。

 ビンジョウバカネは作曲とヴォーカルを分け合うスタイルを特徴としているトリオ編成のグループでした。アコギやピアノなどアコースティック重視のバンド・アンサンブル、そして凝ったコーラス・ワークと変拍子。この辺りが彼らならではの特徴でしょう。ヘンテコでポップな曲を書いてやろう、という気概を感じました。
7186vT61JdL__SY355_.jpg

 このアルバムは5曲がカバー、3曲がオリジナルという構成。アコギでオルタナっぽい感じの「イパネマの娘」、アコギでネオアコ調「Anarchy In The UK」と「Lithium」など、カバー曲は原曲よりもかなりリラックスした感じに仕上げられています。森ゆにのヴォーカルはソロ転向後の方がうまいかな、とは感じますが爽やかで素晴らしい。ポコポコとした演奏もいい雰囲気です。オリジナル曲は3人それぞれが持ち寄っています。後の世界観が完成している森ゆに、永野亮の曲も良いが、ここでは中川氏のカントリーバラード「悲しき原風景」が新鮮でした。

動画がありませんでした。
関連するタグ 日本ポップス