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稲村一志と第一巻第百章/フリー・フライト

稲村一志と第一巻第百章/フリー・フライト
1977年 日本
『何度も再発してくれてありがたい!』

 解説には「ショーボート屈指の名盤」、帯には「北海道のシュガーベイブ」とストレートに絶賛のコメントが並んでいる本作。アルバム・ジャケットに見覚えはあったものの、いままで聴く機会がありませんでした。一度聴いてみると、絶賛するのも納得の素晴らしい内容でした。何度も再発してくれてありがたい!
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 本作は稲村一志を中心とするグループの唯一作。北海道を拠点として活動していました。ブックレットには大瀧詠一のコメントも掲載されており、大きな影響元であり、且つ交流も持っていたとのこと。
ジャズ、ソウルの要素を内包したシティ・ポップをやっており、一部ではレゲエを取り入れるなど、バラエティ豊かで洗練された音楽が楽しめる内容。ブラス・セクション、管弦楽器、コーラス隊を加えた大所帯によるアンサンブルは、適度な隙間があり、ジャケット通り、夜を感じさせる穏やかさが特徴。また本作は4チャンネルで録音されたとのことで、現場の気怠さが伝わるようなザラザラとした粗さも、魅力を生んでいるポイントとなっています。

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SUTHERLAND BROTHERS/LIFEBOAT

SUTHERLAND BROTHERS/LIFEBOAT
1972年 イギリス
『これほどの名盤が日本初CD化だったとは』

 『ナイス・プライス・ライン・リターンズ』で再発されたアルバムを紹介するシリーズの第二回。今回はサザーランド・ブラザーズのセカンドを紹介します。当初は、このシリーズのアルバムを一挙に紹介する予定だったのですが、色々他にもレビューしたいアルバムも出てきているので、月1枚程度の更新となります。ご了承ください。
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 ロッド・スチュワートの「セイリング」のオリジナルが収録されている、というのが本作のウリ。実際、帯叩きにもガツンと書いてあります。ただ、今の若者には響かないような・・・・・・「セイリング」のCMが流れたのはいつの頃だったか(検索中)1995年でしたか。であれば、もうおじさん以上でないとキャッチコピーとして通用しないでしょうね。

 ロッドは自身も素晴らしい作曲家ですが、マイナーな楽曲を拾い上げてカバーすることも得意としています。1975年にカバーされた「セイリング」もその一つでしょう。

 アイルランド出身のサザーランド兄弟が前作のファーストで組んでいたバンドを解散して、デュオ名義でリリースしたのが本作です。アメリカ南部のスワンプ・ミュージックへの憧れをブリティッシュ由来の叙情的でポップなメロディーに包んで表現したサウンドが特徴。デュオ名義ではありますが、スティーヴ・ウィンウッドやデイヴ・マタックスなどアイルランド出身のセッション・ミュージシャンが多数参加。イギリスならではのパブ・ロックが楽しめるアルバムです。

 今回の再発で改めて良い曲が揃っていることを再確認しました。帯は「セイリング」推しにならざるを得ない状況ではありますが、アルバムでは「セイリング」は休憩ポイントのバラードとなっており、捨て曲無しの素晴らしい内容です。尚、同時に再発されたファースト・アルバムも甲乙つけがたい素晴らしさ。セットで購入されたし。
初の日本盤化とは意外です。そういえば、このアルバムも新宿まで遠征して購入したという記憶があります。サザーランド・ブラザーズは本作発表後、クィーバーというグループと合体し、サザーランド・ブラザーズ&クィーバーと名乗るのですが、その名義で本作を1977年に出し直しています。内容も異なるため、二つを集めようと必死になっていたのですが、後日、CDとして流通しているのはCBS盤(77年)のみだと判明して脱力したのでした。

Sutherland Brothers Band - Real Love (1972)
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村八分/くたびれて

村八分/くたびれて
1971年 日本
『おどろおどろしい日本語ロック』

 1971年のデモをまとめて1991年にリリースされたもの。その最新リマスター盤が2018年に登場しました。外道同様、村八分もスルーしていた自分は、再びこの機会に購入した次第です。正直に言います。英米の60~70年代の黄金期のロックを体験した後、それらをなぞった日本語ロックンロールを聴いても刺激が無いのでは、と少ない小遣いをやりくりしていた高校時代には思っていたのです。
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 村八分はローリング・ストーンズ、それも中期辺りに影響を受けているようです。分かりやすいところでは「あやつり人形」はイントロから「悪魔を憐れむ歌」を彷彿とさせる仕上がり。ただし、すっとぼけた歌い方で繰り出されるユーモアを含んだ歌詞、暗くアンダーグラウンドな雰囲気はストーンズとは異なるものがあり、聴き応え十分。またタイトル・ナンバー「くたびれて」は日本らしい侘しさを感じさせる素晴らしいバラードです。サイケデリック文化(色々)に浸って作られた日本語ロック、その凄みを感じることが出来ました。

あっ!! from 『村八分 / くたびれて (2018 remaster)』
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RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND

RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND
1971年 イギリス
『ヴィブラフォンがヴォーカルと張り合う異色シンガーソングライター作』

 英ジャズ・シーンを代表するヴィブラフォン奏者、フランク・リコッティの代表作として記憶していた本作。永らく聴くことが出来ていなかったのですが、この度、めでたくビッグピンクよりCD化されました。
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 マイケル・アルバカーキなるミュージシャンとのデュオ作となっています。マイケルは本作発表後、ロイ・ウッドの後任としてELOに加入するとのこと。

 リコッティがヴィブラフォン、アルト・サックス、パーカッション、アルバカーキがギター、ヴォーカルをそれぞれ担当。当時、英ジャズ・シーンで活躍していた面々がベース、ドラム、ピアノでそれぞれバックを務めています。過半数の楽曲をアルバカーキが手掛けており、残りをジェイムズ・テイラーやラヴィン・スプーンフルなどのカバー曲で埋めている構成。

 ジャジーなシンガーソングライター作とは一線を画す、ジャズ・ロック度の高さが特徴。1971年という、ロックを模索していた時代ならではの新鮮な音楽性が楽しめます。ジャズ・ロック的なインプロヴィゼーションが長く続くのはもちろんのこと、ヴォーカルとヴィブラフォンが交互に主役を取る構成が多い為、清々しくも静謐な雰囲気に包まれているのが魅力となっています。

 ビッグピンクからの再発盤は重箱の隅をつつくようなレア盤が多い反面、衝撃を受けるものはあまりないのが実情なのですが、本作は英ロック・ファンにおすすめしたい佳作となっています。

Don't You Believe Me
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SONGS OF THE ANDES(1)/ANTONIO PANTOJA(邦題:『永遠なるケーナ』)

SONGS OF THE ANDES(1)/ANTONIO PANTOJA(邦題:『永遠なるケーナ』)
録音年不詳 ペルー
『心が洗われるような聴き心地』

 久しぶりのJVCワールド・サウンズは『永遠なるケーナ』にしてみました。フォルクローレの巨匠、アントニオ・パントーハの名録音を収録したコンピレーション・アルバムです。
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 アンデスの縦笛ケーナを独学でマスターして、地道な音楽活動でフォルクローレを世界に広めたのが、アントニオ・パントーハ。ライナーによると1991年に亡くなったとのこと。

 これまで、1曲目の「コンドルは飛んで行く」くらいしかフォルクローレのことを知らず。ケーナの音色は寂しく哀愁を帯びていますが、それぞれの楽曲は喜(怒はない)哀楽がはっきりとしていて、無邪気な音楽だと感じました。ベスト盤なので、曲毎に合奏者が異なっていますが、素朴な音楽であることは一貫しており、ペルーののどかな午後という印象。広々としています。月並みな感想で申し訳ないのですが、心が洗われるような聴き心地。アントニオ・パントーハのCDは一家に一枚あってもいいのではないか、と思いました。

 7曲目「耕す人」では口琴ビリンバオが登場。うまいな!そういえば最近ほったらかしてしまっていたので、久しぶりに引っ張り出してこの曲で練習してみよう。

Antonio pantoja El condor pasa アントニオ パントーハ コンドルは飛んで行く
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