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村八分/くたびれて

村八分/くたびれて
1971年 日本
『おどろおどろしい日本語ロック』

 1971年のデモをまとめて1991年にリリースされたもの。その最新リマスター盤が2018年に登場しました。外道同様、村八分もスルーしていた自分は、再びこの機会に購入した次第です。正直に言います。英米の60~70年代の黄金期のロックを体験した後、それらをなぞった日本語ロックンロールを聴いても刺激が無いのでは、と少ない小遣いをやりくりしていた高校時代には思っていたのです。
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 村八分はローリング・ストーンズ、それも中期辺りに影響を受けているようです。分かりやすいところでは「あやつり人形」はイントロから「悪魔を憐れむ歌」を彷彿とさせる仕上がり。ただし、すっとぼけた歌い方で繰り出されるユーモアを含んだ歌詞、暗くアンダーグラウンドな雰囲気はストーンズとは異なるものがあり、聴き応え十分。またタイトル・ナンバー「くたびれて」は日本らしい侘しさを感じさせる素晴らしいバラードです。サイケデリック文化(色々)に浸って作られた日本語ロック、その凄みを感じることが出来ました。

あっ!! from 『村八分 / くたびれて (2018 remaster)』
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RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND

RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND
1971年 イギリス
『ヴィブラフォンがヴォーカルと張り合う異色シンガーソングライター作』

 英ジャズ・シーンを代表するヴィブラフォン奏者、フランク・リコッティの代表作として記憶していた本作。永らく聴くことが出来ていなかったのですが、この度、めでたくビッグピンクよりCD化されました。
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 マイケル・アルバカーキなるミュージシャンとのデュオ作となっています。マイケルは本作発表後、ロイ・ウッドの後任としてELOに加入するとのこと。

 リコッティがヴィブラフォン、アルト・サックス、パーカッション、アルバカーキがギター、ヴォーカルをそれぞれ担当。当時、英ジャズ・シーンで活躍していた面々がベース、ドラム、ピアノでそれぞれバックを務めています。過半数の楽曲をアルバカーキが手掛けており、残りをジェイムズ・テイラーやラヴィン・スプーンフルなどのカバー曲で埋めている構成。

 ジャジーなシンガーソングライター作とは一線を画す、ジャズ・ロック度の高さが特徴。1971年という、ロックを模索していた時代ならではの新鮮な音楽性が楽しめます。ジャズ・ロック的なインプロヴィゼーションが長く続くのはもちろんのこと、ヴォーカルとヴィブラフォンが交互に主役を取る構成が多い為、清々しくも静謐な雰囲気に包まれているのが魅力となっています。

 ビッグピンクからの再発盤は重箱の隅をつつくようなレア盤が多い反面、衝撃を受けるものはあまりないのが実情なのですが、本作は英ロック・ファンにおすすめしたい佳作となっています。

Don't You Believe Me
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SONGS OF THE ANDES(1)/ANTONIO PANTOJA(邦題:『永遠なるケーナ』)

SONGS OF THE ANDES(1)/ANTONIO PANTOJA(邦題:『永遠なるケーナ』)
録音年不詳 ペルー
『心が洗われるような聴き心地』

 久しぶりのJVCワールド・サウンズは『永遠なるケーナ』にしてみました。フォルクローレの巨匠、アントニオ・パントーハの名録音を収録したコンピレーション・アルバムです。
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 アンデスの縦笛ケーナを独学でマスターして、地道な音楽活動でフォルクローレを世界に広めたのが、アントニオ・パントーハ。ライナーによると1991年に亡くなったとのこと。

 これまで、1曲目の「コンドルは飛んで行く」くらいしかフォルクローレのことを知らず。ケーナの音色は寂しく哀愁を帯びていますが、それぞれの楽曲は喜(怒はない)哀楽がはっきりとしていて、無邪気な音楽だと感じました。ベスト盤なので、曲毎に合奏者が異なっていますが、素朴な音楽であることは一貫しており、ペルーののどかな午後という印象。広々としています。月並みな感想で申し訳ないのですが、心が洗われるような聴き心地。アントニオ・パントーハのCDは一家に一枚あってもいいのではないか、と思いました。

 7曲目「耕す人」では口琴ビリンバオが登場。うまいな!そういえば最近ほったらかしてしまっていたので、久しぶりに引っ張り出してこの曲で練習してみよう。

Antonio pantoja El condor pasa アントニオ パントーハ コンドルは飛んで行く
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DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS

DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS
1973年 イギリス
『トロトロに溶かされる、これがトニー・フーパー・プロデュース作の威力だ!』

 ヨーク・レーベルからリリースされたトニー・フーパー・プロデュースによる、男女デュオ作。エコーやストリングス、コーラスを駆使した夢見心地なフォーク・サウンドを生み出すトニー・フーパー・プロデュース作品がまた一つ、復刻されました。

 デュオ名義ですが、ストローブスの面々が参加しているバンド録音となっています。トニー・フーパー自身がストローブスの中心人物だったため、橋渡し役となったのでしょう。チェロやオルガンはもちろん、曲によってはメロトロン、バンジョー、ブズーキも入る多彩な編成が楽しめます。

 幽玄な調べの古楽器、格調高いストリングス・アレンジが代わる代わる登場する幻想的なサウンドは、トニー・フーパー作品ならではの味わい。
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 爽やかさと憂いを同居させた優しい歌声も魅力的。楽曲では中盤に挟まれているビートリッシュなポップ・ナンバー「Window」「Who Stole My Land」辺りが素晴らしい。総じて主張が控えめな牧歌的なフォークであり、トニー・フーパーのプロデュース・ワークにマウント・ポジションを取られている感じがヒシヒシと伝わってしまう出来栄え。期待通りの音楽性に満足です。

Who Stole My Land
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LESLEY DUNCAN/SING CHILDREN SING

LESLEY DUNCAN/SING CHILDREN SING
1971年 イギリス
『レスリー・ダンカンが廉価盤で買える』

 かつて洋楽ファンのコレクションを潤わせてきたソニーのナイス・プライス・シリーズがリターンと銘打って帰って来ました。名盤、貴重盤を廉価で販売してきた本シリーズ。今回は「70’SUKポップの迷宮」と名付けられており、70年代ブリティッシュ・フォークを軸としたラインナップであることにも注目です。4月発売であったにもかかわらず、紹介が遅れてしまいましたが、まだまだカタログは生きている様子。今回より少しずつ紹介してまいります。
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 今回、カタログの筆頭の位置に置かれているのがレスリー・ダンカンの2作品。これまで輸入盤店による復刻などがありましたが、メジャー・レーベルによるCD化は初めてとのこと。

 キャロル・キングの影響を受けた、シンガーソングライター、レスリー・ダンカン。60年代から作曲家、歌手として活動していましたが、エルトン・ジョンの目に留まることで、アルバム・デビューを果たします。デビュー作『SING CHILDREN SING』にはエルトン・ジョンに提供した「LOVE SONG」も収録しています。穏やかな歌声はキャロル・キングを彷彿とさせつつ、峻厳とした雰囲気と陰があるところが魅力的。またジミー・ホロウィッツによる、ストリングスやキーボード・アレンジが爽やかな聴き心地を演出していることもポイントです。主役級の華やかさこそ無いですが、セカンド『EARTH MOTHER』も含めて、70年代英SSW作品を楽しむうえでは外せないアルバム。

Lullaby
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