マジカル・パワー・マコ/マジカル・パワー・マコ

マジカル・パワー・マコ/マジカル・パワー・マコ
1974年 日本
『レビューが難しい』

 テープ・コラージュによるサイケデリック、ジャーマン・エレクトロ、ラーガ、ケチャや民謡などの民族音楽を融合させたマジカル・パワー・マコのファースト・アルバムです。
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 ヴォーカルは遠くでぼそぼそ言っていたりして良く分からない箇所が多数。奇声、SEや電子音、テープ・コラージュが不規則に乱れいるので、落ち着きたいときに聴く音楽ではありません。宇宙を表現しているという批評を耳にしますが、確かにスケールの大きさとおおらかさを感じることが出来ます。最初はアヴァンギャルドな要素ばかりが耳に入るのですが、実は美しいメロディーが少しずつ隠れており、それが徐々に姿を現してくる頃にはアルバムに馴染んでいることでしょう。朝日を見たような清々しさ、爽快感が味わえるアルバムです。
関連するタグ 日本サイケデリック

JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF

JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF
1971年 日本
『執念を感じるべし』

 和楽器を用いた独自の和洋折衷音楽に取り組んだパイオニア、喜多嶋修と、日本のロック黎明期を支えたエンジニア、吉野金次がタッグを組んだプロジェクト、ジャスティン・ヒースクリフの唯一作。

 解説によると多重録音の拘りから「米国の一人マッカートニー」と呼ばれるエミット・ローズから触発されたのが切っ掛けで、「ビートルズのスタジオ・ワークを日本で再現する」というコンセプトにより制作されているアルバムです。
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 全編英詞による研究成果をまとめた録音というべきもので、後期ビートルズの手法を再現しています。当時は画期的だったことも頷けるところ。あまりオリジナリティーが感じられないのは事情が事情なだけに仕方ない部分です。本家よりもファズ・ギターが前面に出ているなど、微妙な質感の違いを楽しむのが吉でしょう。何よりも徹底した拘りには執念、妄執が感じられ、圧倒されます。
関連するタグ 日本ロックポップス

羅生門/インディアン、死よりも赤を選ぶ

羅生門/インディアン、死よりも赤を選ぶ
1972年 日本
『クニ河内、ミッキー・カーチス参加』

 クニ河内が作曲で参加しているという理由で購入しました。羅生門は元々、ハプニングス・フォーの前身であるサンライズというグループを母体としたグループだったらしいのですが、本作をリリースしていた頃にはバンドとしての実体のないプロジェクトのような状態だったようです。中心にいたのは作曲として関わったクニ河内、ミッキー・カーチスとヴォーカル、ギターを担当したフロントマン、ポール湯川の3人。
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 タイトルにインディアンとあるようにアメリカの先住民族をコンセプトとした歌詞が印象的です。クニ河内、ミッキー・カーチス共にブリティッシュ・ロックからの影響を強く受けた作曲家であり、1972年という時代を反映してかユーライア・ヒープなどを彷彿とさせる英ハード・ロックっぽい曲も多く収録。一方で3曲収録されたヴォーカルのポール湯川による楽曲はゴールデン・ポップス調ながら、調和が取れています。

 哀愁を称えた男くさいヴォーカルは魅力十分。ストリングスやホーンを交えたアレンジはややロマンティック過剰で時代を感じさせますが味と言えなくもないです。クニ河内、ミッキー・カーチス参加という部分に、期待をして聴いたとして、それを裏切らない充実の内容。

動画はありません。
関連するタグ 日本ロック

ALICE COOPER/WELCOME TO MY NIGHTMARE

ALICE COOPER/WELCOME TO MY NIGHTMARE
1975年 アメリカ
『悪夢に没入できなくなった僕ちゃん』

 アリス・クーパーというバンドが解散し、アリス・クーパーがソロ名義として発表した初めてのアルバム。ですが、ひっくるめて通算8枚目と数えられています。近年は本作の再現ツアーや続編を発表するなど、再評価が著しいアルバムです。
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 ただ今、私は、紙ジャケを後追いで購入してアリス・クーパーを再コレクションしている最中。これまで輸入盤しか所有していなかったこともあり、詳細な和久井さんによる解説がとても為になっております。本作ではボブ・エズリンがルー・リードのライブ盤で参加していたバック・バンドを引き連れて、本作を録音したことが書かれていました。そうだったのか!しかもルー・リードのライブ盤(『Rock 'n' Roll Animal』『Lou Reed Live』)の素晴らしさにも触れており、自分はまだ聴いたことが無いので・・・・・・これは聴かねば。

 シアトリカルなロックという基本はそのままに、よりポップになった音楽性。作曲面では新たにバック・バンドのメンバーとして加わったディック・ワグナーが参加しています。解説にもありますが、彼は「悪夢へようこそ」「ブラック・ウィドー」「血を流す女」など、ハイライト・ナンバーに貢献している素晴らしいソングライター。結果として、本作は「スティーヴンの見た悪夢」をテーマとしたコンセプト・アルバムながら、小難しさは一切無く、従来のシアトリカルな魅力はそのままに楽しく聴ける内容となっています。
 
 最初に聴いた中学の頃は、この物語に没頭したものです。今、聴き返してみると懐かしい気持ちと共に、本気で没入できない(面白がってしまう)自分に寂しさを感じてしまいました。

曲は探せず。最近、youtubeの規制が厳しくなりましたね。

関連するタグ アメリカHR/HMロック

COLIN SCOT/JUST ANOTHER CLOWN

COLIN SCOT/JUST ANOTHER CLOWN
1973年 イギリス
『本場のピエロはやっぱり怖いな。』

 イギリスのシンガーソングライター、コリン・スコットのセカンド。長らくファーストのみがCD化されていた状況でしたが、この度、ビッグピンクよりセカンドが再発されました。ロバート・フリップ、ブリンズレー・シュウォーツ、リック・ウェイクマンなど豪華なゲストが参加していたファーストに関しては、その豪華な客演を楽しむといった趣が強かった一方で、どんな曲があったのか曖昧な印象。
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 セカンド・アルバムではほぼ全編がオリジナル曲で固められており、バックバンドも固定。シンガーソングライター然とした作風になっているとのこと。アメリカへの憧れが堂々と現れているたそがれフォーク・ロックが大勢を占めた内容です。渋みのあるスライド・ギターに枯れた歌声の組み合わせが、この種の音楽にとっての王道となっている他、シンセサイザーがカラフルでポップな魅力を引き出している点もポイント。バックバンドのメンバーにはヴァンダー・グラフ・ジェネレーターやレア・バードに関連するメンバーが集まっており、一部楽曲では管楽器やストリングスが導入されています。これによりドラマティックなアレンジが為された楽曲もあり。それが功を奏しているかというと否。ファーストと同じく、軸がぶれてしまっている気がします。

例えばマッギネス・フリントやアラン・テイラーのような、イギリス人による米国憧憬フォークの第一人者に比べると、各楽曲の出来も地味。しかしながら、後続の人知れず発表されたシンガーソングライターの作品として楽しむことは出来ると思います。(解説でも楽曲に関しては全く触れていませんでしたし・・・・・・)

I am A Dreamer
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