Brewers Droop/Opening Time

Brewers Droop/Opening Time
1972年 イギリス
『パブロック・シーンを想像する一助に』

 再びBIGPINK再発アイテムのレビューをします。自分の得意分野なのですらすら書ける反面、マニアックな当ブログでもとびきり不親切な文章になってしまっています。反省しつつ、今日は分かりやすく書いてみたいところ。

 ブリュワーズ・ドゥループ。70年代初頭に活躍していたパブロック・グループの一つです。70年代初期、ロックンロールのリヴァイバルが起こったイギリス。そこで酒場音楽を提供するパブロック・バンドが活躍することになりました。ニック・ロウを擁したブリンズレー・シュワルツやエルヴィス・コステロなどが代表的なパブロック・グループ、ミュージシャンでしょう。
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 さてブリュワーズ・ドゥループについて。マホガニーというブルース・ロック・バンド(んー、アルバムはあんまりだった記憶があるが・・・)を母体として誕生したグループとのこと。本作はトム・マクギネスがプロデュースしたファースト・アルバム。

 楽曲はほぼすべてがブルース、カントリー、トラッドなどのカバー。楽器はヴァイオリン、ピアノ、アコーディオン、ハーモニカ、クラリネット、サックス、ギター、ベース、ドラムが用いられています。ソウルの熱気、トラッドのおおらかさがいい塩梅で融合しており、とにかく楽しい演奏。当時のパブロック・シーンを想像する一助になることでしょう。

If You See Kay Tonight
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BRONCO/SMOKING MIXTURE

BRONCO/SMOKING MIXTURE
1973年 イギリス
『ジェス・ローデンが居ないブロンコ』

 ジム・モリスンが居ないドアーズ、デヴィッド・ボウイが居ないスパイダース・フロム・マーズ、イアン・ハンターが居ないモット、ブリティッス・ライオンズ・・・・・・そしてジェス・ローデンが居ないブロンコ。

 ブリティッシュ・ソウル・シンガー、ジェス・ローデンが中心となって結成されたブロンコ。カントリーを英国流に料理した2枚のアルバムをリリースしたものの、そこで中心人物であったジェス・ローデンは脱退。その後にアルバムを1枚リリースしていたものの、長い間CD化されず、聴くことが出来ませんでした。そもそも待っていた訳でもないというのが正直なところで、誠に申し訳ございません。
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たばこの缶を模したジャケット・デザインは素晴らしい。

 音楽性は慎ましやかなカントリーロック。ヴォーカルの線が細いと感じるのは、やはりジェス・ローデンの残像がよぎるせいでしょう。ただパブロックのようなリラックスした演奏は魅力的。またクリフォードTワードがゲスト・ヴォーカルや作曲として4曲でクレジットされています。これは地味になりがちな本作にささやかなハイライトでしょう。

Attraction
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Judas Jump/Scorch

Judas Jump/Scorch
1970年 イギリス
『絶妙にビートルズをかすっている』

 70年代にリリースされたブリティッシュ・ロックの作品もあらかたCD化が済んでしまった21世紀の今日この頃。もう重箱の隅をつつくようなマニアック作しか残されていない、という状況の中で、そういったタイトルばかり(いや、王道の名盤も混ざっていますが)を再発してくれるBIG PINK。このレーベルのおかげで、英国ロック・マニアの好奇心は満たされるのであります。

 今回取り上げるのはジューダス・ジャンプ。実は2015年に再発されていたものの(2009年にもブートっぽい再発盤あり)、B級感漂う、金粉まみれなジャケに臆してこれまで手が出ませんでした。
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 まずは小西勝氏の解説に目を通します。若き日のピーター・フランプトンが在籍していたことで知られるザ・ハードの残党メンバー達が組んだグループ、ということは知っていましたが、ここではその主要メンバーであるアンディ・ボウンを始めとする各メンバーの詳細な経歴が載っていました。オーディエンスにも繋がっていたグループだったようです。もちろん本作が唯一のアルバムです。尚、大手であるパーロフォンからリリースされてことで知られています。

 サイケ・ポップ通過後でプログレ勉強中、というサウンドで雑然としていてアンダーグラウンドな内容です。ブロッサム・トゥーズに通じるサイケデリック・ポップ。オルガン、フルート、ブラスを交えたハード・ロックなバンド・アンサンブルで、演奏は素晴らしい。この時期の英国ロックらしい捻くれた曲展開が楽しめます。B級と割り切れば結構イケます。

Rockin' Chair

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COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE

COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE
1971年 イギリス
『盛り上がったライヴの後におかわりが欲しくなったらこれだ』

 2016年、コロシアムの紙ジャケも何度目かの再発となりました。今回の紙ジャケには赤半透明のポリ・スリーヴが付いてくるとのことで・・・・・・最初、内ジャケの写真を見るのに邪魔だな、などと罰当たりなことを考えてしまって申し訳ございません。貴重なオリジナル盤にまた一歩近づいたということでロマンがありますね。
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 コロシアムの作品群では本作とセカンド『ヴァレンタイン組曲』のジャケをキーフが担当しています。その上、中身も充実しているので、自然とその2枚に人気が集まっています。

 コロシアムは1968年に結成されたジョン・ハイズマンを中心とした、ジャズ・ロック・グループ。ジョン・ハイズマンはグレアム・ボンド・オーガニゼーションやジャック・ブルースのグループで活躍していたドラマー。コロシアムはセッション・プレイヤーが集まって結成されており、何度かのメンバー・チェンジを経て、デイヴ・クレムソン(g)、マーク・クラーク(b)、ディック・ヘクストール・スミス(sax)、デイヴ・グリーンスレイド(key)、クリス・ファーロウ(vo)というメンバーが集結し、4枚目となる本作(ライブ盤)が制作されました。

 本作の魅力はまず、パワフルなインター・プレイの応酬でしょう。クリームの流れを受け継ぎながら、よりプログレッシヴな楽曲展開が特徴です。加えて暑苦しいクリス・ファーロウのヴォーカルが、エネルギッシュな演奏と相乗効果を生み出していることもポイント。ジャズ・ロックではあるものの、ギターとヴォーカルの粘っこいブルース魂が音楽性にかなり影響を及ぼしています。「派手でかっこいいことをやりたい!」という演奏者たちの純粋な気持ちが伝わる、アツイパフォーマンスが堪能できます。収録曲はコロシアムのレパートリーは少なく、カバー中心。ジャニスの「サマー・タイム」も飛び出すなど、アドリヴが盛りだくさんであり、あまり原曲のことは気に留めずに楽しめることでしょう。

Lost Angeles
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森田童子/マザー・スカイ

森田童子/マザー・スカイ
1976年 日本
『J.A.シーザーがクライマックスを演出』

 93年にTVドラマの主題歌として使われた「ぼくたちの失敗」が収録されているセカンド・アルバム。僕は後追い世代なので、この曲を切っ掛けにして彼女を知りました。ただアルバム(ベスト盤)を購入したのは2000年を過ぎてからでした。TVドラマ『高校教師』は見ていませんでしたが、それでもこの曲は当時よく耳にした気がします。ただ、高校生だった自分には何だか恐ろしい感じがして、近づけませんでした。
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 編曲として石川鷹彦(元六文銭)が7曲を担当、J.A.シーザーが2曲を担当しています。

 セカンドでも森田童子は淋しがっておりアルバムの半数5曲で「淋しい」という単語が登場しています。

 基本的にはファースト同様にギターもしくはピアノの弾き語りにストリングスが絡むというスタイル。石川鷹彦編曲では、生音を強調する一方でシンセなどによる幻想的なアレンジが印象的です。J.A.シーザーの2曲ではフル-ト、ヴァイオリンが活躍する演劇調となっています。まさしく、らしい仕上がり。これをラスト2曲として持ってきており、なるほどアルバムのクライマックスとなっています。

今日は奇跡の朝です
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