OPUS AVANTRA/INTROSPEZIONE

OPUS AVANTRA/INTROSPEZIONE
1974年 イタリア
『久しぶりに聴いても芸術的』

 イタリアン・ロックを代表する名盤の一つ。ただあまりにも芸術的な為、馴染めず手放してしまう。それでもジャケの美しさ、存在感に引き寄せられて再び購入。そんなことをどうやら繰り返して4回目。紙ジャケSHM-CDになったオパス・アヴァントラが再び我が家にやってきた。
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 「ある夜、僕はドネラ・デル・モナコに会った~(中略)この夢を見たのは4年、あるいは5年前のことだった。」で始まる本作のライナーはいつ読んでも凄い。へぇ、ドネラさんに会ってインタビューでもしたのかな・・・と思いきや夢でしたー!という流れはもちろん、夢の話から始めるという度胸。ドネラ・デル・モナコが夢に出てくるという愛情。山崎尚洋さんは凄い人だ。僕は大好きなジミー・ペイジの夢もピーター・ガブリエルの夢も見たことが無い。

 本作はヴォーカル、ドネラ・デル・モナコとキーボード、アルフレッド・ディソッコによるユニット、オパス・アヴァントラのファースト・アルバム。クラシック、現代音楽、演劇の要素を混ぜ合わせたプログレッシヴ・ロックをやっている。芝居がかったドネラ・デル・モナコのヴォーカルは表情が豊かで怖い。かきむしられるピアノやヴァイオリンも加わり、曲が進むにつれ狂乱の度合いは増していく。しかしながら、牧歌的で優雅なメロディーを持ったヴォーカル・ナンバーがひょっと挟まれたりして、こちらの気持ちをグラグラと揺さぶってくる。イタリアらしい過剰さがてんこ盛り、久しぶりに聴いても芸術的だった。もう手放さないと思う。思う?

Ah! Douleur
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Albert Lee/Hiding

Albert Lee/Hiding
1979年 イギリス
『カントリー愛全開のほのぼのアルバム』

 1978年、エリック・クラプトンのバンド・メンバーとして迎えられたギタリスト、アルバート・リーが、その翌年に発表した初のソロ作。
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作品は、プロデューサーであるブライアン・エイバーンのつてでエミルー・ハリスのバンド・メンバー(ホット・バンド)が集結したアメリカ録音、古巣であるヘッズ・ハンズ&フィートのメンバーをバックにしたイギリス録音からなっています。

 バンド時代は自作曲に拘っていた彼ですが、ここではカバー曲も多く採用。チャス&デイヴの提供曲、エミルー・ハリスの作曲パートナー、ロドニー・クロウェルの提供曲の他、ルーヴィン・ブラザーズ、ダイアー・ストレイツなどのナンバーが収録されています。

 早弾きギタリストでもあるアルバート・リー。もちろん流麗なブルース・ギターを堪能出来るのですが、どちらかと言えば、ゆったりとしたリズムに程よく枯れた歌声が乗るレイドバックな味わいが特徴です。

 エミルー・ハリスの艶やかなハーモニー、軽快な演奏が楽しめる良いアルバム。2016年に再発されています。

Billy Tyler
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ALICE COOPER/BILLION DOLLAR BABIES

ALICE COOPER/BILLION DOLLAR BABIES
1973年 アメリカ
『ドノヴァンとのデュエットが貴重』
 
 2011年にリマスターされたアリス・クーパーのカタログ。これを日本盤で揃えようと思うと、紙ジャケ盤かタワーから限定で再発された廉価盤か、選ぶことになります。アリス・クーパーの紙ジャケは仕掛けが凝っていて楽しいのですが、如何せん高いのが悩みどころ。税込み3200円にプレミアが付いて3900円くらいが相場になっています。しかしタワーの廉価再発も見逃してしまったので、こちらで集めるしかない状況。ワーナーの「FOREVER YOUNG」シリーズにラインナップされる日を待つという手が一番賢明なのかもしれません。

 前回は『Eighteen』のレビューを書きました。今回は『School’s Out』を飛ばして『BILLION DOLLAR BABIES』について書こうと思います。本作は移籍後4枚目のアルバム。ブラスやストリングスが煽る派手なアレンジは演劇調で、アリス・クーパーの個性が確立されています。マーク・ボラン、キース・ムーンが参加しているとのことで、鋭いギター、太いドラムなど、うねるロック・サウンドにはブリティッシュ・ロックの影響が感じられ、彼らの後押しがあったのでしょう。例えば「Unfinished Sweet」はクィーンを彷彿とさせます。
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 ハイライトはドノヴァンとのデュエットが聴けるタイトル曲。アリス・クーパーと渡り合う怪人振りを披露しているドノヴァンが素晴らしい。この曲を含め、作曲面ではポップ且つ無駄が無く派手な曲が並んでおり、完璧な出来。さすが名盤です。リマスターの効果も絶大で、ハッキリクッキリ聴こえます。初期にCD化されたタイトル群が如何にダメな音質だったか改めて思い知りました。

Elected
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佐藤奈々子/Sweet Swingin'

佐藤奈々子/Sweet Swingin'
1977年 日本
『ジャケ通りの甘さ』

 女性SSW、佐藤奈々子。作曲パートナーとして佐野元春、アレンジにジャズ・ギタリストの横内章次を迎えて制作されたセカンド・アルバム。
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 気怠いヴォーカルと優雅なジャズ・アレンジの組み合わせは相性がいいです。ゴールデン・ポップス風のノスタルジックなファーストと比べるとセクシーな大人っぽさが強調されています。上品でおしゃれなアレンジのたまものでしょう。

 実は10代の頃にこのアルバムを持っていたのですが、ファーストに比べて地味に感じて一度手放しています。今回、久しぶりに聴いてみると、なるほど、このだるーい感じではメタル大好きな当時の自分は受け付けなかっただろうな、と感じました。休日の掃除中にこれを掛けていたら、「チープ・ダンス」のところでいつもの部屋が素敵に見えて来ました。

ミューズの恋人

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THERAPY/ONE NIGHT STAND

THERAPY/ONE NIGHT STAND
1973年 イギリス
『英フォークをコレクションしているマニア向けのアルバム』

 本日は1970年より活動を開始したフォーク・グループ、セラピーのセカンド・アルバムをご紹介。前作のレビューはこちら。前回のアルバムではプロデューサーにコリン・コールドウェルが付いていたり、12の星座をテーマとしたコンセプト・アルバムだったり、と話題満載でした。しかし本作はメンバーが一人抜けデュオ体制となり、加えてレーベルもドロップ。自主制作盤です。そしてA面がカバー曲、B面がトラッド曲というオリジナル曲無しという構成。地味すぎる・・・・・・更に自分に対して小西勝氏の解説文の一節「オリジナル曲を切り捨てたのはちょっと残念」の文字が精神ダメージを与えてきます。
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 デュオとなった彼らですが、ゲストでリズム隊が参加しています。A面はジョニ・ミッチェル「Carey」「Big Yellow Taxi」、メラニー「Brand New Key」、ジャズ・スタンダード「Twelfth Street Rag」、ダンカン・ブラウン「Journey」、ビートルズ「Honey Pie」、イアン&シルヴィア「Someday Soon」というラインナップ。自主盤とは言え、適度な緊張感のある演奏で、音質も申し分ありません。女性ヴォーカルの凛々しい歌声も細やかなピッキングを披露するギターも素晴らしい。トラッド・サイドでの優しい演奏も心地よいです。素朴なフォーク・グループ作品という趣。英フォークをコレクションしているマニア向けのアルバムです。

動画はありません
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