Spitzer/Loose Cannons

Spitzer/Loose Cannons
2017年 フランス
『バグルスとクラフトワークを合体させたような』

 バグルスとクラフトワークを合体させたような、親しみやすくレトロな電子音楽デュオをご紹介。

 フェイスブックは見つけたものの、フランス出身であることと兄弟であることくらいしか素性が明かされておりません。結成時期、拠点都市、ディスコグラフィーなど全て不明。リリースの痕跡が無いので恐らくデビュー作と思われます。
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公式ページでは、蛾が口から出てくる動画がジャケットとして紹介されています。
アルバム・ジャケットの絵を動かしてネット上で公開する時代が来ました。
動くべきかどうかはともかくとして、この絵ではあまりそそられませんでした。

 ヴォーカル曲とインストが混在しています。冒頭、クラフトワークを引き合いに出していますが、ロボットボイスではありません。語りかけるような落ち着いた歌声。AC/DCのアンガス・ヤングのようなギターリフをシンセサイザーで演じており、他にもトロッグスの「Wild Thing」調の曲があったりと、荒々しい70年代ロックのモチーフをスマートな電子音楽へ変換しているのが特徴です。感情を抑えたヴォーカルとシンセ、電子音だけでありながら、キャッチーなメロディーが散りばめられているので親しみやすさは抜群。

Spitzer live in the living room.  Monkey (Talkie)
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Real Estate/In Mind

Real Estate/In Mind
2017年 アメリカ
『気怠さが強調された新作』

 のどかで夢見心地なネオアコ、ギター・ポップで人気を博しているグループ、リアル・エステート。前作から3年を経て4thアルバムが到着しました。
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 アメリカ、ニュージャージー州出身。2009年にデビューした5人組のポップ・バンドです。尚、今回メンバー・チェンジがあり、ギタリストのマット・マンダニルが脱退した代わりに、ジュリアン・リンチが加わっています。
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 前作の延長線上といえる作風で、気怠いヴォーカルとゆらゆらとした陽炎ギターは健在。ギタリストの交代を経ても軸はしっかりしています。そうはいってもマットは中心人物だったようで、その分ヴォーカルが存在感を増幅。インストパートは大人しめ(唐突に挟まれていたインスト・ナンバーも無し)で、ヴォーカルとコーラス、エコーによる気怠さがより強調されている印象です。インスト・パートではピンク・フロイドっぽいサイケデリックなループを数か所で聴くことが出来、それは不穏でダークな雰囲気。気だるいというよりも鬱屈という感じです。こうなると不在だったマットのギターこそが、気怠くなりがちなバンド・サウンドに煌めきをもたらしていた、と気づかされる次第。

 それでも、どんよりとしたインスト・パートで前曲が終わった後のキラキラしたキーボードのイントロ、といったコントラストは素晴らしく、このアルバムの魅力だと思います。加えて、新加入ゆえの遠慮がジュリアンにはあったと思うので、次回作以降での新しい方向性に期待です。

Stained Glass
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Daphne and the Fuzz/Daphne and the Fuzz

Daphne and the Fuzz/Daphne and the Fuzz
2016年3月 ギリシャ
『ギリシャの新たなるサイケ・クィーン』

 メロトロンの膜の向こうから聴こえてくる夢見心地なメロディー。
『ABBEY ROAD』から影響を受けたというだけに素晴らしい捻くれ具合。
そして全編、微睡んでいるかのような白昼夢サウンドを泳ぐ、
クールな女性ヴォーカルも印象的です。

 ダフネ・アンド・ザ・ファズは2011年に結成された、ギリシャで活動するロック・バンド。
キーボード奏者、専任女性ヴォーカルを含む5人編成です。
リーダーはヴォーカルを務めるダフネ・ラズ(lz)で、作詞作曲も彼女が中心となっています。
本作は彼女が2015年までに書き貯めたマテリアルをまとめたデビュー・アルバム。
(本作に先駆けて2013年に発表したシングル「Doop Doop」で既にヒットを記録しているとのこと)
プロデューサーはアレックス・ボルパシス(Bolpasis)が担当。
ギリシャのグループ、ループ(Luup)にギタリストとして参加している人物で、
プロデューサーとしても活躍しているようです。
Daphne and the Fuzz

 ダフネ・ラズは前述のビートルズのみならず、
プログレ、ブルース・ロック、サイケなどブリティッシュ・ロックに一通り、ハマっていたようです。
アンダーグラウンド気質を感じさせる暗くじめじめしたムードと、
サイケデリックなアレンジが同居したサウンドはなかなかにカオス。
しかしながら、さっぱりとした彼女のヴォーカルと
膜を張っているメロトロンが落ち着かせている印象です。
緩急のメリハリが効いたダイナミックな曲展開に加えて、
転調も多いながらポップなメロディーで聴き手を引っ張ってくれます。
メロトロンも含めた多彩なキーボードの音色も素晴らしい。

Daphne and the Fuzz - Burn Down Your House (Official Video)
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