杉野清隆/メロウ

杉野清隆/メロウ
2008年 日本
『これがメロウか』

 メロウ、と言われると叙情や哀愁、穏やかな音楽を連想してしまうのですが、本来は豊潤な、甘美な、という意味の形容詞なのですね。先のイメージはメロウな夕焼けが似合う音楽、というところから連想されたものなのでしょう。とにかく分かりやすいタイトルです。
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 金沢を拠点に活動している杉野清隆によるセカンド・ミニ・アルバム。メロウというイメージそのままのメロディーは、ルーツにカントリーを持っているのが特徴。大サビのCメロまでドラマティックに盛り上げる凝った作曲が素晴らしい。そしてギターは、一音を伸ばして揺らす。更にダンディな歌声。たまに無償に聴きたくなるアルバムです。

馬/杉野清隆 in メロメロポッチ
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森田童子/マザー・スカイ

森田童子/マザー・スカイ
1976年 日本
『J.A.シーザーがクライマックスを演出』

 93年にTVドラマの主題歌として使われた「ぼくたちの失敗」が収録されているセカンド・アルバム。僕は後追い世代なので、この曲を切っ掛けにして彼女を知りました。ただアルバム(ベスト盤)を購入したのは2000年を過ぎてからでした。TVドラマ『高校教師』は見ていませんでしたが、それでもこの曲は当時よく耳にした気がします。ただ、高校生だった自分には何だか恐ろしい感じがして、近づけませんでした。
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 編曲として石川鷹彦(元六文銭)が7曲を担当、J.A.シーザーが2曲を担当しています。

 セカンドでも森田童子は淋しがっておりアルバムの半数5曲で「淋しい」という単語が登場しています。

 基本的にはファースト同様にギターもしくはピアノの弾き語りにストリングスが絡むというスタイル。石川鷹彦編曲では、生音を強調する一方でシンセなどによる幻想的なアレンジが印象的です。J.A.シーザーの2曲ではフル-ト、ヴァイオリンが活躍する演劇調となっています。まさしく、らしい仕上がり。これをラスト2曲として持ってきており、なるほどアルバムのクライマックスとなっています。

今日は奇跡の朝です
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かえる目/切符

かえる目/切符
2016年 日本
『GSもブラコンも音頭もある』

 かえる目の4作目が遂にリリース。自分は前作から彼らを知ったのですが、随分待っていた気がします。5年半振りでしたか、どおりで長かった訳であります。
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 リーダーの細馬宏通が大学教授をしている方なので、多忙なのかもしれません。前作のレビューの文章を張り付けてしまいますが、歌&ギター、鍵盤、弦楽器、パーカッションという編成によるアコースティック・ミュージックをやっているグループです。リーダーの他には宇波拓、木下和重、中尾勘二という、個性的なプレイヤーが名を連ねています。

 鼻歌気分の緩い雰囲気は相変わらずですが、前作のほのぼのとしたノスタルジー一色という感じとは違っていて、電化楽器を多用することでガチャガチャと賑々しいアルバムとなっています。ブレイクビーツを導入するなど4枚目ならではの冒険がたっぷり。

 歌詞も振り切っていて、前作以上に「何を言っているのか分からないけれども、いい歌だ。」という感情を抱きがちでした。ここで「こういう話だ。」と書いてしまうとつまらないので、タイトルだけ書くと「ラーメン日和」「ドローン音頭」「よしおくん」など、独創的なテーマが取り扱われています。中でも「あんたがたどこさ」を標準語でリアレンジした「手毬歌」は不気味さと楽しさが同居していてインパクトがありました。またどんどんリピートしてしまいそうです。

※動画はありません。
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友部正人/ブルックリンからの帰り道

友部正人/ブルックリンからの帰り道
2016年 日本
『友部正人の3年振りの新作』

 相変わらず歌詞が面白い。ニューヨーク、日本、それぞれの生活の歌が収録されています。平易なメッセージの並べ方が素晴らしく、すぐに歌われる情景が広がり世界観に没頭できます。

 本作はフォーク・シンガー、友部正人の3年振りの新作。今回は制作パートナーとして、録音・ミックスに永見仁、マスタリングに中村宗一郎(働き者ですね)、山川のりを、新井田耕造、吉森信、川口義之、水谷紹によるバック・バンドを起用して制作しています。山川のりをは5曲のプロデュースの他、ホーンアレンジを担当。水谷紹はコーラスアレンジを担当しています。
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 全体的に一音一音を大きく隙間を取ったダイナミックなアレンジがされており、これは山川のりをが大きく関わったことが作用しているのでしょう。友部正人の力強く字余りがちな歌唱との相性はバッチリです。

 1曲だけ抜粋して感想を書きます。童謡「虫の声」からイメージを膨らませて野球部員達の掛け声を非難する「隣の学校の野球部」は、僕の中の「若者を見守るおじいちゃん像」をぶち壊してくれた人間臭い作品。甲子園を目指して頑張っているのだからそれくらい大目に見ましょうよ、と反論されるのが目に見えているのに、うるさいと歌う。これが素直ということか。ピックアップしておいて何ですがこの歌はこのままそっとしておこう。

動画がありませんでした。
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堀下さゆり/うたかたの日々

堀下さゆり/うたかたの日々
2016年 日本
『少し鼻声で舌足らずな感じの柔らかい歌声と爽やかなメロディーが特徴』

 ピアノ弾き語りのSSW、堀下さゆりによる9年振りのサード・アルバム。少し鼻声で舌足らずな感じの柔らかい歌声と爽やかなメロディーが特徴です。
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 ただでさえ多くの人材がひしめくピアノ弾き語りというジャンルなのに、かなりマイルドな個性であることは否めません。ただ耳馴染みは抜群に良く、それはやはり歌声の魅力に尽きるのでしょう。また今回のアルバムではプロデュースに浅田信一を迎えており、ピアノ弾き語りの味わいを落とさずに、キラキラ感を強調したアレンジが見事です。この辺りも彼女の密やかな個性だからこそのハマリ具合なのかもしれません。

 歌詞は母親目線での等身大で生活感溢れるものが中心。穏やかな世界観です。

今日は寝てしまおう

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