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Joe Cocker/Live At Woodstock

Joe Cocker/Live At Woodstock
1969年録音(2007年発表) イギリス
『ロック史上屈指のライブ盤』

 最近、有名なウッドストックのドキュメント映画をDVDで購入。3回目くらいだろうか、もう一度鑑賞し直しました。今までよりも早送りしていないことで、自分も年齢を重ねて幅広い音楽を楽しめるようになったな、という感慨があり。そんな中、一際目を惹いたのがジョー・コッカー&グリース・バンドのパフォーマンス。あの長編ドキュメントをぼやーっと眺めていた僕をシャキッとさせたのですから、会場ではもっと凄かったのでしょう。もしかして、と検索したらこのライブ盤が発売されていることを知りました。ロック・ファンには有名な発掘音源みたいです。
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 ウッドストックの記録音源、映像では1曲「With A Little Help From My Friends」(ビートルズのカバー)だけしか聴くことが出来ませんでしたが、こちらでは全11曲を通して聴くことが出来ます。もっともジョー・コッカーが登場する前にグリース・バンドのみで演奏していた部分があり、それはカットされているとのこと。

 収録曲内訳は、まずジョー・コッカーのオリジナルが2曲(「Something’s Coming On」「Something To Say」)。残りはカバーでボブ・ディラン3曲(「Dear Landlord」「Just Like A Woman」「I Shall Be Released」)、ソウル・シーンのソングライター・チームASHFORD、SIMPSON & ARMSTEADによるレイ・チャールズ楽曲2曲(「Let’s Go Get Stoned」「I Don’t Need No Doctor」)、ハニー・バス「Do I Still Figure In Your Life」、トラフィック「Feelin’ Alright」、ホセ・フェリシアーノの持ち歌「Hitchcock Railway」、ビートルズ「With A Little Help From My Friends」という構成。

 「Do I Still Figure In Your Life」をこの時点で選曲しているのは凄い。

 ここが見せ場と冒頭から声を絞り出すじょー・コッカー、荒々しく泥臭い演奏で熱狂を生み出すグリース・バンドの組み合わせは、スタジオ盤とは比べ物にならない素晴らしさ。倦怠感が漂うジミ・ヘンのウッドストックも素晴らしいが、やはりクライマックスはここでしょう。
Joe Cocker - I don't need no doctor (Live at Woodstock 1969)
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HARCO/あらたな方角へ

HARCO/あらたな方角へ
2017年 日本
『かつてHARCOの音楽を楽しんでいた時代を思い出す』

 聴きそびれていたHARCOの新作。帯にラストアルバムとありましたが、次作よりHARCOではなく青木慶則名義で活動するとのこと。
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 ポップに振り切った前作『ゴマサバと夕顔と空心菜』と比べると、シンセサイザーやプログラミングによる冷たく無機質な音が前面に出ていて、夜の未来感があり。ミニアルバム3枚をリリースしていた時期、あるいはその前の辺りを彷彿とさせる実験精神が多く含まれています。豪華ゲスト多数参加(山崎ゆかり、山田稔明、田中潤など)が彩りを添える役割に抑えられており、あくまでHARCOの個性が際立っているのが素晴らしい。
 
 かつてHARCOの音楽を楽しんでいた時代を思い出すような、懐かしい気分になったのが、なるほどラスト・アルバムということなのでしょう。

HARCO - アルバム「あらたな方角へ」トレイラー
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稲村一志と第一巻第百章/フリー・フライト

稲村一志と第一巻第百章/フリー・フライト
1977年 日本
『何度も再発してくれてありがたい!』

 解説には「ショーボート屈指の名盤」、帯には「北海道のシュガーベイブ」とストレートに絶賛のコメントが並んでいる本作。アルバム・ジャケットに見覚えはあったものの、いままで聴く機会がありませんでした。一度聴いてみると、絶賛するのも納得の素晴らしい内容でした。何度も再発してくれてありがたい!
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 本作は稲村一志を中心とするグループの唯一作。北海道を拠点として活動していました。ブックレットには大瀧詠一のコメントも掲載されており、大きな影響元であり、且つ交流も持っていたとのこと。
ジャズ、ソウルの要素を内包したシティ・ポップをやっており、一部ではレゲエを取り入れるなど、バラエティ豊かで洗練された音楽が楽しめる内容。ブラス・セクション、管弦楽器、コーラス隊を加えた大所帯によるアンサンブルは、適度な隙間があり、ジャケット通り、夜を感じさせる穏やかさが特徴。また本作は4チャンネルで録音されたとのことで、現場の気怠さが伝わるようなザラザラとした粗さも、魅力を生んでいるポイントとなっています。

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森田童子/狼少年

森田童子/狼少年
1983年 日本
『80年代風にはなれない素材』

 森田童子の再発盤レビューもラスト1枚。2018年4月に森田童子は亡くなられました。音楽活動を休止して久しかったですが、CD再発の企画にOKを出してくれたおかげで、作品が再び流通に乗ることになりました。ありがとうございます。

 6枚目の最終作。
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 1曲目、いきなりのタンゴに戸惑う。キラキラのシンセサイザーによるダンス・ミュージックが、1983年という時代を思い出せます。森田童子による儚い歌声は相変わらずなだけに、ポップな楽曲とのミスマッチが際立っている印象。編曲は石川鷹彦が担当。『マザースカイ』以来の起用となります。シンセサイザー重視はもちろん、ストリングスもふんだんに取り入れており、クッキリ、キラキラとした80年代アレンジ(テクノポップ、ディスコサウンドにも近い)に仕上がっています。一部トーキングボックスも使用しており、SF映画のような趣に。「当時の最先端だった」と擁護するしかない状況で、古臭さは否めないアレンジとなっています。歌詞は相変わらずの世界観ながら、曲とのミスマッチは歴然で、歌がサウンドから浮いている印象。従来の作風に近い、シンプルなアレンジの「球根栽培の唄」辺りがハイライト。

球根栽培の唄
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Glen Hansard/Between Two Shores

Glen Hansard/Between Two Shores
2018年 イギリス
『歌詞が気になるので日本盤が欲しい』

 アイルランド出身のシンガーソングライター、グレン・ハンザードの3枚目。ユニオンのページでは”映画『コミットメンツ』や『ONCE ダブリンの街角で』で広く知られる”と紹介されているのですが、自分は全く知りませんでした。とにかくいい声で渋いバラードを歌い、ヴァン・モリソンみたいだな、とチェックした次第。
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 1970年、アイルランドのダブリンにて生まれたグレン・ハンザード。13歳で学校を辞めて路上演奏を始めた彼は、1990年の自身のバンド、THE FRAMESを結成。アイルランドで積極的にギグを行いました。1991年には先述した映画『コミットメンツ』の音楽を担当。以降、いくつかの映画音楽を携わりながら、THE FRAMESや男女デュオThe Swell Seasonの一員として活動。その合間を縫って2008年からはソロとしても作品を発表しており、本作もその一つです。尚、影響を受けたミュージシャンとして、ヴァン・モリソン、レナード・コーエン、ボブ・ディランを挙げてます。

 内省的なバラード、ブルースを中心とした内容。ハミングでうねるような節回しはボブ・ディランやヴァン・モリソンを、ゴスペルのように荘厳なオルガンの調べはレナード・コーエンを彷彿とさせます。少しガナリ気味の歌声は美声とは言えないものの、感情が籠っており惹きつけられます。地味ながらも時々思い出して繰り返し聴いている一枚です。

Your Heart's Not In It
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