Sweet Fuck All/Mission Accomplished

Sweet Fuck All/Mission Accomplished
2017年 アメリカ
『猪突猛進』

 ガラガラ声のヴォーカルに、スラッシーなヘヴィ・メタル・サウンド。モーターヘッドのフォロワーで間違いなし。戦車をあしらったジャケ、バンド名から連想するマッチョで男くさいヘヴィ・メタルが楽しめます。戦車ジャケと言えば、昔タンクというグループがいましたね。あそこまでドラマティックではありませんが、雄々しさではスウィート・ファック・オールも引けを取っていません。

 結成は2015年。フィラデルフィア出身の4人組です。デモ、ライブ盤を経て本作がファースト・アルバムとなります。ルーツはメタルの他にパンクにもあるようで、スキンヘッド・ロックンロールを標榜しています。
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 ほとんどの曲が2,3分で終わってしまう構成。全編疾走するロックンロールで、単純なコードを繰り返すだけのガチャガチャしたサウンドながら、エネルギッシュな演奏で聴かせてくれます。

 近年、彼らのような存在がどれくらい居るのか定かではありませんが、久しぶりにこういう音楽を聴くと新鮮に感じました。このような汚い音のロックンロールが継承されていることをうれしく思います。ギターソロのパートでは拙い部分もあるのですがそれが愛嬌の様に思えてしまう部分もあり。一方でオリジナリティーについてはまだまだこれからという印象。「Paths To Glory」「 Anti-World 」「Nobodys Is Fool」といったタイトルも微笑ましいです。

American Skinhead Pride
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Imperial State Electric/All Through The Night

Imperial State Electric/All Through The Night
2016年 スウェーデン
『枯れ具合が最高』
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 ハイ・ペースでリリースを続けているインペリアル・ステイト・エレクトリック。本作で5枚目となります。インペリアル・ステイト・エレクトリックについては3RDリリース時の記事をご覧ください。(4枚目は出ていることに気が付いていませんでした。これから聴きます。)

 ロックンロールのルーツを探究するのが彼らのアイデンティティー。これまでもカントリー要素が強い曲はありましたが、今作ではもはやロックンロールには収まらない、本格カントリー・ロックも収録しており、一皮むけた感じがします。女性コーラスの華やかさ、スライド・ギターの哀愁、ホンキートンク調のピアノ、ダンディなヴォーカル、と彼らの魅力が満載。ファスト・チューンでの疾走感、キャッチーなサビのメロディーも健在で、渋味を増しつつもエネルギッシュな魅力は失っていません。
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Break it down
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Dee Snider/We Are The Ones

Dee Snider/We Are The Ones
2016年 アメリカ
『ディー・スナイダー健在』

 ディー・スナイダー、3枚目のソロ作。などと書いてみても自分でもディー・スナイダーが3枚もソロ・アルバムを出していることは知りませんでした。そもそもディー・スナイダーのことを、ここを読んでいる方々はご存じなのでしょうか?基本的なことから書いてみようと思います。

 ディー・スナイダーは元々、トゥイステッド・シスターというグループで活動していました。トゥイステッド・シスターはLAメタル全盛期の立役者となったグループで、1980年代に活躍。PMRCが選ぶ最も不愉快な15曲(1985年)のリスト入りを果たした「We're Not Gonna Take It」など、下品なメッセージを込めたポップなヘヴィ・メタルが特徴でした。ディー・スナイダーはその看板シンガーとして、悪童を力いっぱい演じてグループを牽引。爬虫類系のヴォーカルのインパクトと共に大人気となりました。バンドの栄華は80年代の数年で終わり、一度の再結成を経たトゥイステッド・シスターも2016年に再度解散したとのこと。ディー・スナイダーは再結成トゥイステッド・シスターと並行して、別グループでの活動やソロ・アルバム制作と精力的に活動しています。バンド解散後、すかさずソロ・アルバムをリリースする姿勢も頼もしいです。
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 ディー・スナイダーが61歳にしてリリースした今回のアルバム。素晴らしい内容です。元々アリス・クーパーからの影響を感じさせるグラム・ロック系のサウンドを得意としていましたが、ソロとなって自身のヴォーカルによりスポットを当てることでより派手でポップな面が強調されています。分厚いバンド・サウンド、年月を経て嗄れ声になったもののけれん味たっぷりのヴォーカル、共に素晴らしい。メタリックなギター・ソロの後ろでストリングスが入っていたりする辺りにソロっぽさを感じますが、トゥイステッド・シスター本体との差異はほとんど感じません。全く期待していなかった分、うれしい驚き。尚、本作では「We're Not Gonna Take It」をリメイクしており、パワー・バラード調にアレンジされています。

We Are The Ones
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Hey! Hello!/Hey! Hello! Too!

Hey! Hello!/Hey! Hello! Too!
2016年 イギリス
『分かりやすいパンク・ポップが並んだ佳作』

 1990年代後半、わたしはワイルドハーツというグループにズッポリとハマっていました。キャッチーさとヘヴィーさを両立させたハイテンションな音楽の洪水を浴びて、浴びて浴びて・・・・・・。しかし金属音を強調したヘヴィー路線に舵を切って以降、ジワジワと心が離れてしまい今では新譜が出たらyoutubeでチェックするくらいの付き合いとなっています。 このヘイ・ハローもワイルドハーツのリーダー、ジンジャーによる新しいグループの一つ。
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 あまり期待していなかったのですが、グラム・ロックのような煌びやかさにグイグイと惹きつけられました。

 ヘイ!ハロー!は2012年から活動開始。メンバー・チェンジをしているようで現在は日本人二人を含む4人組の日米英混合国籍グループとして活動しています。今回のアルバムでは各曲で異なるヴォーカルを迎えているようで、特に女性ヴォーカルの活躍が目立っているのもポイントです。

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 ザクザクのギター・リフと躍動感のあるキャッチーなメロディーを軸とした、分かりやすいパンク・ポップが並んでいます。分厚い多重録音コーラスと、ノイジーな音響の組み合わせは健在。ジンジャーの個性である唐突な楽曲展開は抑えられており、素直に気持ちよく楽しめます。専任の女性ヴォーカルは、概ね力強く快活な歌声を披露しており、素晴らしい。日本人メンバーが居ることもあり、数曲では日本語詞で収録してくれています。これは新鮮です。

 バーニー・トーメのグループ、トーメ(Torme)の曲をカバーするというロック・マニア振りを披露してくれているのもポイント。音圧が高いうえにテンションも一定なので、ちょっと中盤ダレてしまうところもありますが、近年のジンジャー作品では佳作だと思います。

Automatic Love
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Orango/The Mules Of Nana

Orango/The Mules Of Nana
2017年 ノルウェー
『こんな北欧ロックンロールがあってもいい』

 一時期、隆盛を誇っていた(1990年代後半から2000年代前半まで)北欧ロックンロール系グループはルーツの一つにパンクがあり、疾走感のあるバンド・サウンドが特徴でした。そして2017年、再びロックンロール愛を叫ぶグループがノルウェーから登場。埃っぽくブルージー。レイドバックしていて土臭さ満点。ルーツはレイナード・スキナードとZZトップという新しい(?)北欧ロックンロール・バンドです。
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 ノルウェーのオスロを拠点に活動するオランゴ(オラウータンのこと)は2004年に結成されました。4人編成のグループです。学生時代より地元のフェスや学園祭などを精力的に回ることにより、知名度を獲得。ノルウェーで最もハイエナジーなロックンロールを演奏するバンドとして知られているとのこと。2010年にアルバム・デビューを果たしており、本作で6枚目となります。

 フェイスブックのリスペクト欄にはレイナード・スキナード、ZZトップのみならず、マウンテンやCSN&Y、ツェッペリン、フリートウッド・マック(ただしピーター・グリーン期)といった硬派なメンツが並んでいます。
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 実際、彼らの音楽はレイドバックなハード・ロック・サウンドが特徴。隙間を空けたゆったりとした空気感、ずっしりとしたヘヴィネスは本場ゆずり。しかもCSN&Y(ピリピリしている方のCSN)やマウンテン譲りと思われる叙情的なコーラス・パートもあり、アメリカのストーナー勢が陥りがちな一本調子な展開とは無縁。全編、飽きずに聴きとおせました。演奏もさすが6枚目のアルバムだけのことはあり、達者。本家アメリカン・ハードなみの迫力を味わえます。

Give Me A Hundred
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