Judas Priest/Firepower

Judas Priest/Firepower
2018年 イギリス
『愛嬌のあるプリーストが戻って来た』

 若き日に『PAINKILLER』がリリースされて夢中になったジューダス・プリースト。世代的には壮年期にギリギリ間に合った感じでありました。以後ジューダス・プリーストは長い沈黙ののち、ロブ・ハルフォードのソロ活動を経て1997年、新ヴォーカルを迎えて『Jugulator』を発表。当時、このアルバムを肯定する為にあらゆる努力を惜しまなかったことが、今はいい思い出です。2005年にロブ・ハルフォードが復帰しての復活作『ANGEL OF RETRIBUTION』がリリースされるものの、この頃にはかなり醒めておりyoutubeでチェックしてスルーする決断が出来るほどクールでした。(ロブ・ハルフォードもハイトーンが出なくなったな、とか)更にK・K・ダウニングの脱退の報せがあり。それを機に、しばらくジューダス・プリーストの音楽に触れずにいました。60年代から活躍する伝説級のロック・ミュージシャンの訃報は残念でありますが、遠い歴史の出来事のような気持ちもあり。しかしジューダス・プリーストのように、ライブにも参加したバンドやミュージシャンが老いを感じさせるのは、凄く寂しく感じます。
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 そんな自分が手を出したジューダス・プリーストの新作『Firepower』。理由は、このジャケット。まるで『Screaming for Vengeance』のような雰囲気を醸し出しています。これは購入不可避!

 全盛期のアルバムも担当していたトム・アロムがプロデューサーに起用されています。ドラマティック且つキャッチーな楽曲が目白押しで、往年の個性が蘇っているのがポイント高し。『PAINKILLER』期に準ずるヘヴィさですが、前述したようにかなりキャッチーな作風となっているところが肝。ロブ・ハルフォードのシャウトも、ツインギターの艶も全盛期の輝きには及ばないものの、健闘を称えたい仕上がりです。ちょっと曲数多いかな、と思ってしまうところもあり。また、一気呵成に攻め立てるアルバムだからこそ「Sea of Red」はもっと徹底してメロウに、例えば「Before The Dawn」や「Last Rose of Summer」のように仕上げてくれれば文句なしでした。

 本作と同時期にグレン・ティプトンがパーキンソン病を患っていることが公表され、バンドのライブ活動からも離脱するとのこと。残念です。

Lightning Strike
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Thundermother/Thundermother

Thundermother/Thundermother
2018年 スウェーデン
『AC/DC愛、少し冷めたか』

 先ほど、ブラック・エーセスのレビューを書いたところで、次がこれとは。スウェーデンのAC/DCフォロワー、サンダーマザーを頑張って紹介したいと思います。

 既に2枚のアルバムを発表しており、スウェーデンのオンナAC/DCとして日本でも支持を得ている、サンダーマザー。本作はギター以外のメンバーを総入れ替えしてのサードとなります。前2枚を聴いていないので、何とも言えないのですが看板である女性ヴォーカルも変えてしまったのですね。
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 スウェーデンのグループらしく、AC/DCフォロワーと言えどもメロディアスで、バラード・ナンバーもあり。というよりも、サードにして方向転換したのか、オーセンティックなハード・ロック・ナンバーがチラホラとある印象。もちろん、ザクザクのリフはありますが、AC/DC度はKIX未満というところ。よりAC/DCに近いナンバーの方が出来が良いこともあり、アデンティティーに迷いが感じられる仕上がりとなっています。朗々とした女性ヴォーカルは魅力十分。

※右上のブログ内検索でAC/DCと入れるとこれまでのAC/DCフォロワー記事が出てくるかもしれません。

Whatever
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Black Aces/Anywhere But Here

Black Aces/Anywhere But Here
2017年 オーストラリア
『オーストラリアの伝統芸能、また受け継がれる』

 オーストラリアのハード・ブギ、ロックンロール・バンド、ブラック・エーセスのセカンド・アルバム。

 オーストラリアのビクトリア州にある都市、ベンディゴで2007年に結成された4人組グループです。地元のライブハウスで経験を重ねる後、
Lead Guitar/Lead Vocals - Tyler
Rhythm Guitar - Jazz
Bass Guitar - Alex
Drums – Pete
という現在のラインナップに落ち着きました。長い下積みを経て、2016年デビュー作『Shot In The Dark』をリリース。アルバムはオーストラリアのロック・チャートで20位以内に入り、それを機にヨーロッパ・ツアーを敢行します。また、ウェールズのハード・ロック・フェス、HARD ROCK HELLフェスティバルに於いて、Ratt、Living Colour、Molly Hatchetといったメンツに混じり、メインステージで出場しました。(それにしても懐古色の強いラインナップだ)そして2017年、彼らはイギリスのレーベルOff Yer Rockaとの契約に成功。オーストラリアの伝説的なプロデューサー、マーク・オピッツ(AC/DC、INXS、COLD CHISEL)を迎えて、『Anywhere But Here』をリリースしました。
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 「ニュー・ヴィンテージ・AC/DC」とグループのスタイルを表明しており、名産品の新しい職人が登場したかの如き、堂々たる表記であります。「俺たちはエアーボーンよりも、ボンスコット時代のAC/DCを愛する」といった発言から伺える通り、ブギー愛(=AC/DC愛)が貫かれたハード・ロックンロールが楽しめるアルバムです。うん、もう書くことないぞ!

Anywhere But Here
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Blastwave/This One Goes To Eleven

Blastwave/This One Goes To Eleven
2017年 フランス
『実はAC/DCフォロワーでした』

 酒焼けした女性ヴォーカルによるロックンロール・バンド。そのキップの良さばかりに耳が行きがちですが、隙間を埋めるがごとき速弾きを見せるギターも素晴らしい。
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 ブラストウェーブ(衝撃波)は、2008年にデビューしたグループ。
Mélissa Castillon - Chant, Guitare
Fabien Castillon - Guitare, Choeurs
Cédric Etchenagucia - Basse, Choeurs
Jérémy Lavialle – Batterie
メンバーは以上4名。カスティヨン姓の二人は兄弟姉妹ですが、どちらが年長かは不明です。本作はセカンド・アルバムとなります。
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 ロックンロールと標榜していますが、音圧は完全にヘヴィ・メタル準拠のもの。分厚いリフが牽引して、リズム隊がスィングする様はAC/DCの如し。メロディーもかなりキャッチーで・・・・・・あれ、ギターは1本ですが意外と(バンド名を含めて)AC/DCフォロワーかもしれません。メロディアスな分ROSE TATTOOに近いかな。

Blastwave - Dream Vs Reality (Music Video)
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Tricklebolt/ Tricklebolt

Tricklebolt/ Tricklebolt
2018年 オランダ
『僕も、おしくらまんじゅうの中に入りたいものだ』

 いわゆる、ヴィンテージ・ハード・ロックと呼ばれる70年代ハード・ロックを追求するグループ、Trickleboltをご紹介します。ヴィンテージ・ハード・ロックのムーヴメントについては、初期には大喜びで反応していたものの、徐々にどれもこれも金太郎飴の如くワンパターンだったため、飽きてしまっていました。それでもこうやって時々紹介するのは、「これはちょっと違うぞ」と思える音に出会えた場合なのですが、根本として好きだからなのでしょう。
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 さて内容について。本作はデビュー・アルバム。Trickleboltは5人編成で、オルガン奏者がおります。ディープ・パープルとブラック・サバスを混ぜたような音楽性を持っています。パープル7:サバス2:ツェッペリン1くらいでしょうか。実はヴィンテージ・ハード・ロックでオルガンと来れば、だいたいブラック・サバスっぽいことをやりたがるのが21世紀の若者事情。ですので、ジョン・ロード風にギュインギュインとドライヴ感のあるソロ・フレーズを聴いて、胸が熱くなりました。ギターはリッチーのようにクラシックの素養が無く、加えてヴォーカルも地味目ですが、バンド・アンサンブルはキレが良く、グルーヴィ。サバスっぽいオカルトチックなギターリフもあり。
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High Trees

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