砂場/軌跡

砂場/軌跡
2017年 日本
『東京のワンマンに行けなくてごめんなさい』

 3年振りの新作。今回も自主盤ということで一部インディーズ取扱店と通販のみでの販売でした。6月には東京でワンマンが開催されており、その告知も頂いたのですが・・・・・・行けなかったのですよね。申し訳ない気持ちであります。

 砂場は長野出身の3人組ロック・バンド。2000年代前半に結成されており、これまで全国流通で1枚のアルバムを発表した他、自主のミニアルバムを3枚リリースしています。フォークや演歌に通じる泣き、叙情、コブシを取り入れている和の部分と、オルタナティヴ・ロック経由のダイナミックなメロディー展開という洋の部分を混ぜ合わせた情熱的なロックをやっているのが特徴。またバラードではアコースティックな音作りがされており、こちらではセンチメンタルなフォーク・ロックとしての魅力があります。
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 今回もミニアルバムです。自主制作で頑張っている期間が長く、ファンとしては寂しいところ。前半と最後に激しいロック・ナンバーを置き、間の3曲がバラードという構成です。バンドとしての特徴、魅力を上に書き出してみましたが、それは健在。メンバー各人が名古屋、東京と離れている状況が続いている中、まだまだ砂場というグループが元気に活動しているということが分かって安心する1枚でした。ハードルは高いのかもしれませんが、これまで自主制作で作って来た音源を集めて、1枚のアルバムにして全国流通すれば・・・・・・などと考えてしまいました。取り敢えずライブ情報はチェックします。

今回、音源はありません。
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阿佐ヶ谷ロマンティクス/街の色

阿佐ヶ谷ロマンティクス/街の色
2017年 日本
『凝ったアレンジが光るシティポップ・レゲエ』

 レゲエ、ダブの要素をシティポップと融合させたからシティポップ・レゲエと呼ばれている、そうです。

 2014年に結成された女性ヴォーカルを擁する6人組グループ、阿佐ヶ谷ロマンティクス。作りためて来た楽曲をまとめたファースト・アルバムです。
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 幽玄なシンセサイザーのエフェクト、特有のビート辺りがレゲエの雰囲気をプンプン醸し出しています。メロディーはアメリカのAORや西海岸SSW、そしてそこから影響を受けた日本のシティポップ・ミュージシャンなどを連想させる爽やかさが特徴。おかずの入れ方がうまく、アレンジが凝っているのもポイント。
ヴォーカルはアルバム音源とは言え、声域の狭さ、不安定さが分かってしまうのですが、声を伸ばす時のしゃがれた余韻などにみられる憂いの表情にハッとさせられます。透き通ったキーボード、トロピアルな雰囲気を盛り上げる流麗なギターなど、演奏も素晴らしい。レゲエのアルバムとしては、バラエティーに富んでおり、執念も感じる力作です。

所縁

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古川豪/羅針盤で星占いはできない

古川豪/羅針盤で星占いはできない
1973年 日本
『トラッドは古くならない』

 現在でもユニオンやタワー・レコードなどで行われている、独自のCD再発企画。2003年、アマゾンが企画したURC再発リクエスト企画もそういった独自再発企画の一つだったのでしょう。ファン投票で選ばれただけあるマニアックなラインナップが揃っていたのですが、オムニバス盤が多めの構成。その中に本作や五つの赤い風船の『五つの赤い風船’75』『ボクは広野に一人居る』中川イサト『1970年』といった作品が混ざっていました。自分がこの存在を知ったのは売り切れてプレミアが付いた後だったので、かなり悔しかったです。URCの再発はグリーンウッドが頑張ってくれており(もう終わりが見えてきたっぽい?)、五つの赤い風船も再発されましたが・・・・・・上記のアルバムは一度再発されたということでオミットされています。残念ながら再発時に入手できなかったので、コツコツと納得できる中古を探索していた訳ですが、この度本作を手に入れることが出来ました。(後は『ボクは広野に一人居る』だけであります。)

 京都を拠点に活動するフォーク・シンガー、古川豪のデビュー作。ちなみに本作の前に自主盤があり。初めて聴いてみるといくつかあるセックスソングの印象が強烈ですが、死についての哲学的な歌、京都の暮らしの歌も収録されています。バンジョー、ダルシマーも操るギター弾き語りで、一部ではフィドルも参加。既にセカンドのレビューでも触れていますが、アイルランド民謡のカバーが1曲収録されている他、アメリカ民謡の影響を強く受けた楽曲が多いです。セックスソングでの愛嬌を含めて、全編でトラッドソングらしい泥臭い反骨精神が貫かれています。1973年のURC、ここにありという風情。ファーストはギタリストの弾き語りをベースにしており、セカンドはアレンジが凝っています。どちらも素晴らしい。

※ これを書いた後で、10月頃に紙ジャケで本作がcd化されることを知りました。
まぁそういうものですよねー。

トカトントン/古川豪
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星野みちる/ My Favorite Songs

星野みちる/ My Favorite Songs
2016年 日本
『明るく朗らかなアレンジがされたカバーアルバム』

 星野みちるの新作はカバー・アルバム。これまでプロデューサー、はせはじむの計画、綿密な設計図に沿って4年間、歌手活動のキャリアを積んできた彼女。今回のカバー・アルバムでも選曲の決定権をある程度(半分くらい)プロデューサーに委ねています。信頼関係が築かれているのでしょう。EPO、矢野顕子、松田聖子、杏里、山下達郎、イックバル、松尾清憲と硬軟入り乱れる選曲。
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 ハキハキとして清々しい歌唱には堂々たる自信も含まれており素晴らしい。多くの曲で大胆なアレンジが施されているのが特徴。モータウン・ビートを入れつつロック度を上げた「恋するフォーチュンクッキー feat. ザ・スクーターズ」や朗らかなミドル・テンポへと変貌した「ずっと一緒さ」など、多くの曲で明るく朗らかなイメージへと変貌しています。イックバルは日本のシティポップに憧れているインドネシアのグループとして話題ですが、はせはじむの日本語詞が付けられていることで、全く違和感が無くアルバムの中で同化。

収録曲のミュージシャンの中で比較するならEPOや杏里のアルバムのような、すっきりした聴き心地でした。
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森田童子/夜想曲

森田童子/夜想曲
1982年 日本
『停滞もまた彼女らしい』

 5枚目のアルバム。前作から引き続いての千代正行と、今回新しく参加した比呂公一が編曲を半分ずつ分け合っています。比呂公一については『果樹園』というアルバムで知っていましたが、映画音楽や特撮ヒーローの音楽(ミラーマンなど)に携わっていた方だったようです。
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 情緒を強調したような作風は前作から繋がるもの。ピアノが主役の曲が多くなり、寂しい美しさが印象に残ります。前作で自身の活動に区切りを付けたはずですが、歌われる内容は依然として孤独の寂しさや思い出について。音楽性としては停滞しているとも取れますが、元々後ろ向きな歌なのでまったく問題はありません。

麗子像
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