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さとうもか/Lukewarm

さとうもか/Lukewarm
2018年 日本
『ユーミンを彷彿とさせるのは歌詞世界』

 モナレコードで発掘された女性SSW。タワー・レコードのレーベルからミニアルバムでデビュー。Pvineからリリースされたファースト・アルバムが本作となります。帯の「新世代のユーミン」というキャッチコピーに惹かれて、試聴し購入しました。

 1994年生まれ、岡山県出身。3歳からピアノを始め、ギター、サックス、合唱、声楽などの音楽に触れて育ったとのこと。音楽科の高校と音楽の短大での勉強を経て、弾き語りの活動を開始しました。ファースト・アルバムのプロデューサーとして、入江陽が参加しています。
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 さとうもかによるピアノ、キーボード、ギターによる弾き語りの録音が中心。ドラムが2曲、トークボックスが1曲で参加しています。ただし、入江陽による特徴的な編曲がされており、ふわふわとした幻想的なシンセサイザーがカラフルでメルヘンチックな世界観を演出。尚、入江陽は1曲でゲスト参加しており、デュエットしています。

 乙女チックな比喩満載の歌詞は、なるほどユーミンの世界観に通じる部分があり。ただ音楽性自体はそれほど被っておらず、ピアノはかなりジャジー。また声楽などの経験からなのかオペラのルーツを感じさせます。ウクレレのようにつま弾かれるギターからはボサノヴァ、コーラスの被せ方からはソウルを感じさせますが、プロデューサーが同傾向の入江陽なだけにどこまでが彼女のルーツなのか判別はつきません。丁寧なプロデュースによるポップな楽曲が並んでいるのですが、それぞれ捻りが加えられていて楽しめました。感情の振れ幅が一定なことが気になるものの、気負わない歌声も魅力的です。

さとうもか 「最低な日曜日feat.鶴岡龍(LUVRAW)」
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外道/外道LIVE

外道/外道LIVE
1991年(1976年録音) 日本
『伝統を守った王道』

 邦楽の廉価盤企画「ニッポンの名作1000」にて再発された1枚。自分はこれまで、暴走族のカリスマ的なイメージから外道のことを敬遠しており、今まで積極的に聴こうと思いませんでした。今回は廉価再発ということで、これまで聴けなかった外道に初めて挑戦してみようと思います。
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 1973年に活動を開始したトリオ編成のロック・グループ、外道。2枚のアルバム(ファーストはライブ盤)を残して1976年に解散したとのこと。本作はそんな短い活動期間の中より、1974年と1975年のライブ音源と1976年の解散ライブを収録しています。

 ツェッペリンやエクスペリエンスを彷彿とさせるブルース・ロック。全く奇をてらっておらずストレートなブルース・ロック、ハード・ロック、ロックンロールが並んでいます。粘っこくブルージーなギターが素晴らしい。歌詞もシンプルですが日本語を乗せるということが挑戦だった時代なのだと思います。既に60年代のブルース・ハード・ロック・ムーヴメントは過去となっていた、この時代に於いて、このようなエネルギーに満ち溢れたライブが見ることが出来たなら、人気が出るのは納得。鳥居、着物にメイクなど視覚的なインパクトがあったら、もっと驚いていたことでしょう。
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阿佐ヶ谷ロマンティクス/灯がともる頃には

阿佐ヶ谷ロマンティクス/灯がともる頃には
2018年 日本
『中道路線への挑戦』

 もし昨年の総括記事を作ったならば(結局、放り投げたまま作れませんでした)阿佐ヶ谷ロマンティクスのファースト『街の色』を1番聴き込んだアルバムとして選出しようと思っていました。それくらい入れ込んでいた阿佐ヶ谷ロマンティクスのセカンドがリリースされたので、早速購入。
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 シティ・ポップ・レゲエと標榜していたスタイルに大きな変化はないようです。メンバー表記からベースが抜けており、4人となっています。現在はサポートを入れて対応している模様。

 黄昏れたギター、そして紡がれる美しいメロディー、共に健在でうれしい限りです。前作と比べるとキーボードが前面に出ている印象で、爽やかに鳴っているのが印象的。

 メインを張る女性ヴォーカルは情緒たっぷりに歌い上げており、魅力的です。しかしながら、前作でも感じた不安定さがより際
立ってしまっており、一部でバックに埋もれてしまっている箇所があるように感じました。前作ではこの部分をアレンジで補っていたのですが、本作はよりライブに近い、シンプルな仕上げがされているので目立ってしまっているのでしょう。この安定しない感じが魅力的な歌声なのですが、もう少し強靭さがあれば、というところです。

 アレンジは前述した通り、前作に比べるとシンプル。ブラスも入ったりコーラスを挟んだりと十分凝っているものの、とがったギター・ソロが少なくなっていたり(これは残念!)、とコンパクトにまとめられた印象。楽曲もクオリティが高いものを揃えているものの、ファーストと比べるとインパクトに欠けます。ファーストほどの妄執を感じないというか、そう感じるほど前作に入れ込んでいたということで仕方ないのかもしれません。

シティ・ポップとしてのまろやかさ、みたいな中道路線への挑戦は成功しており、聴きやすさは抜群です。またファーストで感じた歌詞の乙女チック要素が抑えられているところも、個人的にはうれしいポイント。(あれはあれで個性なのですがやはり恥ずかしかったので。)

 土曜日にライブを行うことが多く、土日が忙しい仕事なので
なかなか予定が合わずに参加出来ていないです。
しかしながら、今度休みを取って行ってみます。

君の待つ方へ

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V.A./巣鶴鈴慕

V.A./巣鶴鈴慕
2000年 日本
『ひなヅルの声が聞こえる』

 久しぶりに、民族音楽としての邦楽CDを購入。今回もビクターのJVC SOUNDシリーズより、尺八音楽の入門的な作品としてこちらを選びました。
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 民族音楽を扱う記事であれば、通常、誕生の歴史などを書くところですが、尺八の場合は概ねご存知かと思われますので割愛いたします。解説では宗教の法器として始まり、現代では持続音の出せる数少ない楽器として、様々な音楽に重宝されているとの旨が書かれています。このCDでは「巣鶴鈴慕」「鹿の遠音」という2つの代表曲を含む4曲の有名曲を、一級の演奏者により紹介してくれています。

尺八音楽は和食店のBGMで聴くことがあるくらいで馴染みも薄く、今回初めて落ち着いて聴いた次第。全編、尺八のみという硬派な内容。表題曲である巣鶴鈴慕をはじめ、どの曲にも物語が込められているのが特徴です。この辺り、解説のおかげで想像しながら楽しむことが出来ました。

鹿の遠音
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ママレイド ラグ/GOODBYE

ママレイド ラグ/GOODBYE
2018年 日本
『セルフ・プロデュース歴が長くなってきた』

 ソロ・プロジェクトとなってから5枚目のアルバム。2010年代に入ってからの精力的なリリース(ライブ音源含む)が続いていましたが、今回は少し間隔が空いて4年振りとなります。
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 前作のレビューで奇しくも漏らしていた不満、「セッションをして録音して欲しい」が実現されていて、うれしいです。自身のギターに、ドラム、ピアノを加えたトリオ編成で、曲によってはフルートもあり。これまでスタジオ・ワークで緻密な調整を重ねてリリースしてきただけに、セッション録音とは言え、非常に端正な仕上がり。それでも緊張感、熱気が伝わり、惹きこまれます。元々、バンドであったママレイド・ラグの初期の頃の雰囲気が幾分か感じられるのもポイント。優しい歌声は健在です。所々、巻き舌が凄すぎて何を言っているのか分からないところがあるのはご愛嬌。

大瀧詠一が亡くなった翌年にリリースされた『So Nice』は大瀧色が濃かったことが印象的でした。本作でも大瀧詠一っぽさを歌唱、曲作りの面で感じさせつつ、ブルースや50年代ロックンロールなど、ルーツに挑戦した新機軸を感じさせる楽曲があり。例えるならAORなゲイリームーアのような感じでしょうか。『GOODBYE』というタイトルからも想像できる通り、メロウで内省的なイメージが支配しているアルバムで、この傾向はソロとなってから一貫している気がします。セッションしただけで熱量が上がっています。
プロデューサーを付けて外部の意見を取り入れつつ、再びバンドを組んでみたら、サクッと殻を破れる気がする。ソロになってからのまったりした停滞感がもったいない。

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