杉野清隆/メロウ

杉野清隆/メロウ
2008年 日本
『これがメロウか』

 メロウ、と言われると叙情や哀愁、穏やかな音楽を連想してしまうのですが、本来は豊潤な、甘美な、という意味の形容詞なのですね。先のイメージはメロウな夕焼けが似合う音楽、というところから連想されたものなのでしょう。とにかく分かりやすいタイトルです。
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 金沢を拠点に活動している杉野清隆によるセカンド・ミニ・アルバム。メロウというイメージそのままのメロディーは、ルーツにカントリーを持っているのが特徴。大サビのCメロまでドラマティックに盛り上げる凝った作曲が素晴らしい。そしてギターは、一音を伸ばして揺らす。更にダンディな歌声。たまに無償に聴きたくなるアルバムです。

馬/杉野清隆 in メロメロポッチ
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2016年度音楽作品総括 邦楽編

2016年度音楽作品総括 邦楽編

 2016年は洋楽ばかりを聴いてしまっていました。思えば邦楽をもう少し聴いておくべきだったかな、と。今からでも未聴の作品を復習していこうと思います。少しずつ聴いていた中から10枚を選びました。(ミニアルバム、カバーなどは除外)

総括記事ではいかに新しい提案をするか、が肝だと思うので、フレッシュな新人をひいきする傾向があります。

タイトルからレビューへ飛びます。画像からはyoutubeへ飛びます。

ただしレビューが追いついておらず、タイトルからリンクに飛べないものもあり。
随時、更新しますのでしばしお待ちください。

☆ベスト10入りアルバム7枚(あいうえお順)

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ビンジョウバカネ/Afters

ビンジョウバカネ/Afters
2005年 日本
『名曲をポコポコに』

 後にAPOGEEなどで活躍する永野亮とソロのSSWとして活動している森ゆにが在籍していたことで知られるグループ、ビンジョウバカネ。ミニアルバム2枚のみで解散してしまった彼ら。本作は2枚目のミニアルバムです。

 ビンジョウバカネは作曲とヴォーカルを分け合うスタイルを特徴としているトリオ編成のグループでした。アコギやピアノなどアコースティック重視のバンド・アンサンブル、そして凝ったコーラス・ワークと変拍子。この辺りが彼らならではの特徴でしょう。ヘンテコでポップな曲を書いてやろう、という気概を感じました。
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 このアルバムは5曲がカバー、3曲がオリジナルという構成。アコギでオルタナっぽい感じの「イパネマの娘」、アコギでネオアコ調「Anarchy In The UK」と「Lithium」など、カバー曲は原曲よりもかなりリラックスした感じに仕上げられています。森ゆにのヴォーカルはソロ転向後の方がうまいかな、とは感じますが爽やかで素晴らしい。ポコポコとした演奏もいい雰囲気です。オリジナル曲は3人それぞれが持ち寄っています。後の世界観が完成している森ゆに、永野亮の曲も良いが、ここでは中川氏のカントリーバラード「悲しき原風景」が新鮮でした。

動画がありませんでした。
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森田童子/マザー・スカイ

森田童子/マザー・スカイ
1976年 日本
『J.A.シーザーがクライマックスを演出』

 93年にTVドラマの主題歌として使われた「ぼくたちの失敗」が収録されているセカンド・アルバム。僕は後追い世代なので、この曲を切っ掛けにして彼女を知りました。ただアルバム(ベスト盤)を購入したのは2000年を過ぎてからでした。TVドラマ『高校教師』は見ていませんでしたが、それでもこの曲は当時よく耳にした気がします。ただ、高校生だった自分には何だか恐ろしい感じがして、近づけませんでした。
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 編曲として石川鷹彦(元六文銭)が7曲を担当、J.A.シーザーが2曲を担当しています。

 セカンドでも森田童子は淋しがっておりアルバムの半数5曲で「淋しい」という単語が登場しています。

 基本的にはファースト同様にギターもしくはピアノの弾き語りにストリングスが絡むというスタイル。石川鷹彦編曲では、生音を強調する一方でシンセなどによる幻想的なアレンジが印象的です。J.A.シーザーの2曲ではフル-ト、ヴァイオリンが活躍する演劇調となっています。まさしく、らしい仕上がり。これをラスト2曲として持ってきており、なるほどアルバムのクライマックスとなっています。

今日は奇跡の朝です
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かえる目/切符

かえる目/切符
2016年 日本
『GSもブラコンも音頭もある』

 かえる目の4作目が遂にリリース。自分は前作から彼らを知ったのですが、随分待っていた気がします。5年半振りでしたか、どおりで長かった訳であります。
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 リーダーの細馬宏通が大学教授をしている方なので、多忙なのかもしれません。前作のレビューの文章を張り付けてしまいますが、歌&ギター、鍵盤、弦楽器、パーカッションという編成によるアコースティック・ミュージックをやっているグループです。リーダーの他には宇波拓、木下和重、中尾勘二という、個性的なプレイヤーが名を連ねています。

 鼻歌気分の緩い雰囲気は相変わらずですが、前作のほのぼのとしたノスタルジー一色という感じとは違っていて、電化楽器を多用することでガチャガチャと賑々しいアルバムとなっています。ブレイクビーツを導入するなど4枚目ならではの冒険がたっぷり。

 歌詞も振り切っていて、前作以上に「何を言っているのか分からないけれども、いい歌だ。」という感情を抱きがちでした。ここで「こういう話だ。」と書いてしまうとつまらないので、タイトルだけ書くと「ラーメン日和」「ドローン音頭」「よしおくん」など、独創的なテーマが取り扱われています。中でも「あんたがたどこさ」を標準語でリアレンジした「手毬歌」は不気味さと楽しさが同居していてインパクトがありました。またどんどんリピートしてしまいそうです。

※動画はありません。
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