中川イサト/鼻歌とお月さん

中川イサト/鼻歌とお月さん
1976年 日本
『こんなふうに全力で引き留められたい』

 中川イサト周辺のCDを再発しているシールズ・レコードの盤。存在は知っていたものの、ライブ盤ということもあり長い間後回しにしていました。

 「1975年12月。「もう音楽をやめたい」ともらした中川イサトの元に集まった加川良、金森幸介、大塚まさじ、西岡恭蔵などのたくさんのミュージシャン。」と紹介文にあるので、中川イサトを励ますために集まった面々によるコンサートの模様を録音したものと思われます。上記メンバーの他、いとうたかお、シバ、長田”タコヤキ”和承が参加。さすが中川サイト、と思わせる豪華メンバーが集まっています。なので正確にはオムニバス盤。
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ジャケットはシバ。正直に言おう。分からないぞ!

 中川イサトの楽曲を中心に、各人の持ち寄った曲を合わせて構成された2枚組22曲という圧巻の物量。ただ代わる代わる登場する個性的な歌い手たちが楽しく、飽きることなく聴き通せてしまいます。趣旨の通り、中川イサトを囲む雰囲気も最高。会場も暖かい。ご本人のパフォーマンスもさることながら、中川イサトの曲を金森幸介や西岡恭蔵、いとうたかおが歌うテイクはとても貴重で聴き応えあり。70年代の日本語フォークが好きならば、楽しめること請け合いです。
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台風クラブ/初期の台風クラブ

台風クラブ/初期の台風クラブ
2017年 日本
『バンド楽しいって感じ、大事』

 京都を拠点に活動、日本語ロックという表記、ジャケットに映るサンダル履き。この3点で購入しました。トリオ編成のグループによるファースト・アルバム。
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 まず、ええじゃないか音頭のような、頭空っぽにした高揚感が気持ちいい「台風銀座」で意表を突かれました。もっとフォーキーかな、と思っていたらダンサフルでグルーヴィだったので。精いっぱいな感じが伝わるギターソロやバンドの演奏が醸し出す緊張感は好印象。対照的にヴォーカルは力を抜いているように聴こえるのですが、こういう風に演じているのか照れがあるのか、不明。歌詞が全く浸透して来ないのは、歌い方に起因していると思います。ストレートなロックンロール「42号線」やはっぴいえんど的「ついのすみか」シュガーベイブ好きが透けて見える「相棒」「飛・び・た・い」など、リスペクトが透けて見えるところは、タイトル通り初期ならでは。その上で自分たちの個性を出そうという試みが伺えます。これからの期待度は高いです。

相棒
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小坂忠/Chu's Garden

小坂忠/Chu's Garden
2010年 日本
『ボックスを買っても、もやもや』

 以前から欲しかった小坂忠のボックスを購入。本当は各アルバムを廉価で再発して欲しかったのですが、いくら待っても報せは届かず。
今回のBOXの仕様について、少しばかり書きたいと思います。

 それぞれ紙ジャケで10タイトルが収録されたBOX。特に初期の3タイトルはオムニバスという形でしかCDで購入出来なかったのでうれしい。DVDや発掘音源など、BOXならではのお楽しみにも大満足です。
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 ただ「どろんこまつり」という曲が『ありがとう』『もっともっと』の2枚のアルバムからカットされている点は残念。差別用語(ここでは触れません)が含まれている為、収録を見送ったとのこと。またこのパターンか、とがっくり来ます。

 「完全復刻」と謳っておきながら、購入後の歌詞カードで「~の為、割愛しております。あらかじめご了承ください。」という告知はちょっと・・・・・・違う気がする。あらかじめご了承していたのは完全復刻された、ということだけですよ、と。

 ただ、こればっかりは、作者の了解を得ているのであれば、我々聴き手は何もできない状況。差別用語の基準も日々、厳しくなっていくみたいです。今日、生まれた曲の中にも、もしかしたら将来の差別用語が含まれているかもしれません。 

 次の機会には収録して欲しい、と思うべきか。いや待て。BOXを買ってコンプリートだったはずなのに、もう一度買うのか。
こんな思いをさせたくないとすれば、なるほど、ずっと再発に踏み切れなかったわけだ。

どろんこまつり/小坂忠
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racoustik/ざわめく木々の音楽

racoustik/ざわめく木々の音楽
2012年 日本
『内省的なブラジル音楽風』

 2004年から2005年くらいに掛けて活動していたTwellveというポップ・グループ。男女二人の作曲者を擁して、カラフルでジャジーなシティ・ポップが魅力的でした。ピアノやギターなど演奏も洗練されており「これはいいグループが出て来たな。」とワクワクしていたのですが、ファースト・アルバムのリリース後は音信不通に。本作はTwellveの作曲担当であった阿部仁のプロジェクト、racoustikのセカンドとなります。
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 名前から察せられる通り、弾き語りをベースとしたアコースティックな音楽集。レコーディング・メンバーにはシーナアキコ(key)やTwellveのメンバーであった石井清貫(g)が名を連ねています。スティールパンが参加する曲もあり。前グループからの連続性を感じさせつつ、よりプライベートな肩の力を抜いた感じが伝わります。キーボードによる隙間の埋め方、コーラスの付け方が洗練されていて素晴らしい。ブラジル音楽への傾倒が印象的でグルーヴィ。そんな中、エレキギターが入ると突然埃っぽくなるのが面白い。ヴォーカルは少し煮え切らない感じがあるのですが、相変わらずいい曲を書いてくれています。Twellveの時の期待を上回るような、素敵な音楽を期待。

racoustik/音階と雨@青山CAY120730

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アニス&ラカンカ/Aniss and Lacanca with the Chill Hearts

アニス&ラカンカ/Aniss and Lacanca with the Chill Hearts
2012年 日本
『幻想的でのどかなポップ・ミュージック』

 見汐麻衣のソロ作を購入した際、存在を知ったデュオ作。『広大なファーム広がるニュージャージーからやってきた、仲良し姉妹デュオ!16歳の妹アニスと18歳の妹ラカンカから突然の贈り物』(公式より)というお話のもと、見汐麻衣とmmmの二人が制作したアルバムです。フォーク、エレクトロ、サイケと音楽性に共通項が多い二人なので、相性は良さそう。

 録音・ミックス・マスタリングをWATER WATER CAMELの田辺玄が担当。バック・ミュージシャンには山本達久(drums, percussion)、千葉広樹(electric bass, double bass, percussion) 、坂口光央(rhodes, piano)の三人。1曲のみゲストとして宇波拓(electric guitar)が参加しています。英語詞4曲日本語詞5曲の計9曲。
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 全曲がアニス&ラカンカ名義になっていますが、埋火、mmmソロ、双方からの連続性が感じられる、幻想的でのどかなポップ・ミュージックが楽しめます。二人の緩いコーラス、掛け声、意図的に籠った録音などでトロントロンな聴き心地。一方で演奏面は達人を起用しているだけに引き締まっていて、楽曲後半に突如熱いセッション・タイムが挟み込まれるなど、レイラのような展開が楽しめる楽曲もあり。

アニス&ラカンカのテーマ - Aniss&Lacanca's Theme
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