Rise and Fall of a Decade/ Rafoad Remasterised

Rise and Fall of a Decade/ Rafoad Remasterised
2017年編集 フランス
『ナイス・ゴシック』

 ニューウェイヴ、ゴシックな雰囲気プンプンのジャケに釣られました。調べてみると新譜ではないらしく、フランスで1988年から2008年まで活動していたグループの編集盤でした。
a1950139606_10.jpg

 20年ほどの活動歴があるにも関わらず、日本語による情報はほぼ皆無。日本での知名度は無い模様です。ジャケットのイメージ通り、ニューウェイヴ、ゴシックをこよなく愛する音楽性を追求しているグループです。Thierry Sintoni、Sandy Casado 、Pierre-François Maurin-Maletのトリオ。幽玄な雰囲気がゴシックど真ん中のサンディのヴォーカルをフロントに、80年代らしい軽やかでミステリアスなシンセサイザーとエコーの波を軸としたサウンドが特徴。同時代に於けるイギリスのグループと比べると、エレクトロの本場なだけにダンサフルなところがポイント。隙間は多く、素朴さすら漂います。ベスト盤だからなのか、キャッチーな楽曲が多く親しみやすい内容でした。それぞれの楽曲が3分台ですっきりまとまっているところも良かったです。80年代のゴシック系ニューウェイヴに愛着がある方は是非。気に入るはずです。この編集盤はリマスターされていて音質も高いです。
A-208119-1498402580-2650_jpeg.jpg

 2007年にメンバーの一人、ピエールが亡くなってしまい、それを切っ掛けとして翌年解散。現在は残された二人がGirl Like Youというデュオで活動しているとのこと。

Rise and Fall of a Decade- Pure Hands
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ フランスロック

Paceshifters/Live from GieSound Studio

Paceshifters/Live from GieSound Studio
2018年 オランダ
『哀愁オルタナティヴ』

 久しぶりに王道のオルタナティヴ・ロックを購入。

 オランダにある、オルスト=ウェイヘという広域自治体(大きな県みたいなもの)を拠点に活動しているペースシフターズ。詳細なプロフィールが無かったので、結成時期については不明。トリオ編成です。ファースト・アルバムが2010年にリリースされているので、その辺りに結成されたものと思われます。ニルヴァーナへのリスペクトを表明しており、グランジ・ムーヴメントで変化して来たオルタナティヴ・ロックの回帰をテーマとした音楽性が特徴です。
ajzyh9jwgmz7a_600.jpg

 ともすれば埋もれがちになってしまうヴォーカルは、声量面では少し不足しているかも。しかしながらガンズのアクセルのような爬虫類っぽい巻き舌を得意としており、シャウトなども様になっています。トリオ編成ながら轟音のアンサンブルは凄まじく、グルーヴ、疾走感、埃っぽさ、全て申し分なし。ニルヴァーナからの影響は多大で、ヘヴィーリフと美しいメロディーの調和が取れている楽曲群は素晴らしい。もちろんニルヴァーナそのままということはなく、暴力性では劣るものの哀愁味があるのがオランダらしいところ。スタジオ・ライブ作ということですが、臨場感のある迫力のパフォーマンスを楽しむことが出来ました。

Paceshifters - Yearning Desire (Live from GieSound Studios)
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ オランダロック

NIGEL OLSSON’S DRUM ORCHESTRA AND CHORUS

NIGEL OLSSON’S DRUM ORCHESTRA AND CHORUS
1971年 イギリス
『エルトン・ジョンを支えた面々が集合』

 このアルバム、気になっていました。エルトン・ジョンのバンドでドラム奏者として活躍していたナイジェル・オルソンがリリースしたリーダー名義のファースト・アルバムです。
nigelo.jpg

 随分長いバンド名だな、とは思っていましたがこれは小西勝氏の解説によるとジョー・コッカーの「マッド・ドッグズ&イングリッシュ・メン」から影響されてのものだそうです。レオン・ラッセルを中心としたLAスワンプ・ムーヴメントに呼応して作られた作品の一つとのこと。いつもながら小西勝氏の解説はためになります。ありがたい。

 バンドは5人編成。プロコルハルムにも在籍したことで有名なギタリスト、ミック・グラブハム、スティール・ギター職人BJコールの他、エルトン・ジョンのバックを支えたベーシストのディー・マーレイ、ギターのカレブ・クレイに、主役のドラム及びヴォーカルを務めるナイジェル・オルソンというメンツ。他、ドリス・トロイ、リザ・ストライクなどのバック・ヴォーカルが4人参加しています。BJコールやドリス・トロイ、リザ・ストライクというスーパー・セッションマン、及びウーマンにまた会えてうれしい限り。

 LAスワンプへの憧憬、という音楽性ではありますが、ジョー・コッカーの「マッド・ドッグズ&イングリッシュ・メン」と比べてもかなりソフト。やはり元エルトン・ジョン・バンドの3人が集まっているだけに、穏やかなポップ・テイストが各楽曲に反映されています。

 レオン・ラッセル『Hummingbird』ランディ・カリフォルニア『Nature’s Way』など4曲のカバーと6曲のオリジナルで構成。ハイライトはカバー曲という印象ですが、オリジナルの出来も悪くないです。オルソンが満を持して一人で作曲したレヴォリューションno9的な曼荼羅インスト『Wierdhouse』は完全にコンセプトをぶち壊している問題作。初めは駄目だな、と思っていたのですがこれは悪くないサイケ・ナンバーかも。
 
 セッション・プレイヤーとしても活躍しているメンツが揃っているだけに、演奏は安定しています。特に一発録音と思しき、『Hummingbird』『I can’t Go home again』での粘っこいブルージーなアンサンブルは聴きもの。最後になりましたが、ナイジェル・オルソンのヴォーカルは渋い低音でなかなか良いです。

Nigel Olsson's Drum Orchestra And Chorus (WITH Kathi MacDonald) - I Can't Go Home Again
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ イギリスロック

カランツバターサブレ/べいくあっぷ

カランツバターサブレ/べいくあっぷ
2018年 日本
『イライラも収まる、ほっこりフォーク・ロック』

 シンガーソングライター、吉井功による新グループ、カランツバターサブレ。正直、ヨシンバのことはすっかり忘れてしまっていて、ごめんなさい。

 ジャケからしてカントリーな雰囲気がプンプンしてくる訳ですが、実際はそこまでアメリカンでも無く、米国憧憬の英フォーク・ロックに更に憧れて、という音楽をやっている印象。それはそうと、紹介文にはフォーク・リバイバルなる文字があり、そんなムーヴメント来ていたのか???と混乱しました。本当だったらうれしいな。
00050800_1516072744_502orig.jpg

 ピアノ(藤原マヒト)入り、アコギ、エレキの2弦体制による5人組です。それにしても藤原マヒト氏が凄いのは承知しているのですが、彼が入ると(ご活躍が多岐に渡るため)パーソナルなバンドというより、ちょっとプロジェクトっぽい感じに思えてしまうのが正直な所。

 作曲者が同じなため、ヨシンバとの連続性を感じる音楽。枯れた歌声、ピンク・フロイドや中期ビートルズ(時にギターはジョージ・ハリスンのように)を彷彿とさせるブリティッシュ志向のメロディーは、こちらでも健在。一方で、ピアノ、ヴァイオリン、管楽器を入れたサウンドは、アコースティックな雰囲気で室内楽っぽい感触があり。こちらはこちらで素晴らしいグループだと思います。ライブもチェックしよう。

百年
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ 日本フォークロック

Speak Low If You Speak Love /Nearsighted

Speak Low If You Speak Love /Nearsighted
2018年 アメリカ
『風が強い雨の日におすすめ』

 ジャケットがスタイル・カウンシル風だったので聴いてみた1枚。実際はアメリカのミュージシャンでしたので、全く鼻は効いておりません。
https___images_genius_com_4576941cac594b7ef14469b33fc9eca6_960x960x1.jpg

 Speak Low If You Speak Love はSTATE CHAMPSというグループでベースを担当しているライアン・グラハムのソロ・プロジェクトとのこと。全然分からないのでもう少し深掘りします。

 STATE CHAMPSはニューヨーク州アルバ二ーにて、2010年に結成された5人組グループ。少し聴いてみましたが、ノリの良いオーソドックスなポップ・パンク・バンドのようです。これまでフル・アルバムを2枚発表。ライアン・グラハムはこちらのグループに在籍しながら、並行してソロ・プロジェクトを2011年から開始しており、こちらではEP2枚とアルバム1枚を発表。本作はセカンド・アルバムとなります。

 センチメンタルなメロディーを奏でるシンセサイザーと様々な残響音、プログラミング、そしてファルセット・ヴォイスがサウンドの特徴。STATE CHAMPSでの弾けたポップさとは打って変わって、内省的な音楽性となっています。ただSTATE CHAMPSでもアコースティック録音のEPを発表しているので、繋がりはあり。いくつかの曲ではアコギ弾き語りを披露しているのもポイント。エレクトロ、ニューウェイヴの要素も内包しており、おしゃれなジャケットそのままの暗く落ち着いた聴き心地です。繊細に重ねられた高音が美しい。

Contrasting Colors
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ アメリカロック