JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF

JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF
1971年 日本
『執念を感じるべし』

 和楽器を用いた独自の和洋折衷音楽に取り組んだパイオニア、喜多嶋修と、日本のロック黎明期を支えたエンジニア、吉野金次がタッグを組んだプロジェクト、ジャスティン・ヒースクリフの唯一作。

 解説によると多重録音の拘りから「米国の一人マッカートニー」と呼ばれるエミット・ローズから触発されたのが切っ掛けで、「ビートルズのスタジオ・ワークを日本で再現する」というコンセプトにより制作されているアルバムです。
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 全編英詞による研究成果をまとめた録音というべきもので、後期ビートルズの手法を再現しています。当時は画期的だったことも頷けるところ。あまりオリジナリティーが感じられないのは事情が事情なだけに仕方ない部分です。本家よりもファズ・ギターが前面に出ているなど、微妙な質感の違いを楽しむのが吉でしょう。何よりも徹底した拘りには執念、妄執が感じられ、圧倒されます。
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Geyster/With All Due Respect

Geyster/With All Due Respect
2017年 フランス
『今度のガイスターはディスコ趣味全開』

 フランスのガエル・ベンヤミンによるプロジェクト、ガイスターの最新アルバム。通算8枚目です。前作は3枚組の大作だったのですが、まさかもう新作が届くとは創作意欲の旺盛さに驚きます。

 自分がガイスターを知ったのは6thアルバムである2013年「Down On Broadway」でした。ブリティッシュ・ロック要素の強い作風が気に入っていたのですが、彼の本道はAORやエレクトロ・ポップのフィールドにあるようです。またガエル・ベンヤミンはプロデューサーとしても活動しているマルチ・ミュージシャン(宅録職人)なので、作品ごとに性格付け(コンセプト)がはっきり成されているのも特徴。

さて今回のアルバムですがビートが強調されており、エレクトロ・ポップ、ディスコの要素が強い音楽性となっています。
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同郷のダフトパンクにも通じるソウル、ファンク要素を加味した洗練されたエレクトロ・ポップが楽しめます。きめ細かい裏音の配置、余裕を感じさせるヴォーカル、キラキラのキーボード・サウンド、ジャズを彷彿とさせる奔放なソロパートと従来のガイスターが好きなAORファンにも楽しめる内容だと思います。ただ「Down On Broadway」が好きだった自分としてはちょっと寂しくもあり。プリファブ・スプラウトのカバーはうれしかったけれDも。

Geyster (feat. Ethel Lindsey) - Easy (Music Video)
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The Preatures/ Girlhood

The Preatures/ Girlhood
2017年 オーストラリア
『初期ブロンディみたいなカッコよさ』

 オーストラリア、シドニーを拠点に活動するロック・バンドのセカンド・アルバム。女性ヴォーカルをフロントに、4人の野郎ロッカーがバックを固める布陣はまるでブロンディ。だったのですが、どうやら2017年に入ってメンバーが一人脱退してしまった模様。つまり現在はショッキング・ブルー的な4人編成です。サウンドはパンキッシュなロックンロールをやっており、やはりブロンディを彷彿とさせてくれるのがうれしいです。
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 タイトルとなっているガールフッドは少女時代という意味。前述した通り、パンキッシュなロックンロールがベースですが、女性ヴォーカルに少しエコーが掛かっており、少しノスタルジーな雰囲気を生み出しているのが特徴。結構なおじさんである自分が聴くと「80年代だな」という感想をついつい抱いてしまうアレンジです。緩急の付け方がうまい楽曲群、少し巻き舌の姉御ヴォーカル、タイトなバンド・サウンドが素晴らしい。英米と同じロックンロールながら素朴さを感じさせるのは、イージービーツやAC/DC、ビージーズ等を生んだオーストラリアならではの人懐っこさが出ていて素敵です。

難を言えば、2~3分台のビシッと締まったロック・ナンバーが魅力的な一方で、2曲目3曲目で5分台を続けてしまった構成は(コンセプトの趣旨は分かりやすいのですが)ちょっと失敗だったかもしれません。

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かっこいいな。

The Preatures – Girlhood
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Amy O/Elastic

Amy O/Elastic
2017年 アメリカ
『ジャケとは裏腹にパンキッシュ』

 ジャケから受ける印象ではフォーキーな女性SSWかな(レスリー・ダンカンっぽい)、と思っていたのですが、ギターリフが小気味よく刻まれる、パンキッシュなロック・サウンドが展開されています。
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 インディアナ州ブルーミントンを拠点として活動する二人組の女性デュオBrenda's Friendに所属しているエイミー・エルスナーによるプロジェクトとのこと。ソロ・プロジェクトながら鍵盤を含む5人編成のバンドとなっています。

 チープで可愛らしさを演出するシンセ、物憂げな女性コーラス、ギターリフが丁寧に折り重なっているところが聴きどころ。演奏は総じてラフであり、シンプル。疾走感のみを大事にしています。その分、メロディーの展開は凝っており、気まぐれな鼻歌のような楽曲群は無邪気な魅力があり。

Sunday Meal
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カーネーション/SUBURBAN BAROQUE

カーネーション/SUBURBAN BAROQUE
2017年 日本
『ライブを体験したくなる』

 思いついたことを詰め込んだのが前作(ジャケットのイメージ通り)だったなら、バンドの躍動感を強調させたのが今回の新作だという印象。

 結成からの年月が経って、改めてバンド・サウンドのかっこよさを追求しており、厚みのあるアンサンブルは聴き応え抜群。脱退している矢部浩志が11曲中7曲でドラムを叩いている他、松江潤がギター、佐藤優介と藤井学が鍵盤で参加。
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 序盤3曲はメンバーがほぼ固定されているので、セッションの臨場感も伝わりワクワクさせてくれます。中盤でもトロッグスを彷彿とさせる迫力のビート、ツェッペリンのようなエキゾチックな旋律とグルーヴをビリビリと感じる充実の内容。音楽を浴びることの楽しさをシンプルに提供してくれているのが最高です。
  
 ブックレットには湯浅学氏のライナーがあり。THE ENDのアルバム以来、久しぶりの遭遇がカーネーションでうれしい。聴けば聴くほど音楽に対して謙虚になる、というお言葉、心しておきます。

Peanut Butter & Jelly
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