Ultimate Painting/Dusk

Ultimate Painting/Dusk
2016年 イギリス
『どんより地味渋サイケが最高』

 UKインディ・ポップ・グループのサード・アルバム。私は2015年にリリースされたセカンドで彼らを知りました。(過去記事はこちら。)前作では英米折衷のサイケ・ポップをやっておりましたが、今回はどうでしょうか。ジャケが70年代の英SSW(キース・クリスマスのジュークボックスのやつに似ているかも)っぽくていいです。
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 虚ろな歌唱、ぐるぐると低音で侘しい旋律をリフレインするギターが主役。「ブライアン・ジョーンズに捧げる歌」が2曲目に登場することが象徴的なように、サイケデリックな浮遊感はそのまま。ただし、前作よりどんよりとした暗さが強調されており非常に英国的です。田園風景のようなほのぼのとした空気感は希薄。60年代後期に於ける英サイケの雰囲気をスマートに導入しているところが素晴らしい。
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 溌剌とした部分が影を潜めている分、地味ですが出来は間違いなく前作より上。英ロック好き、特に英サイケ・ポップ(ムーヴとかトゥモロウとか初期ファミリーとか)を好んで聴いている皆様にはぜひおすすめしたいアルバムです。

Monday Morning, Somewhere Central
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Judas Jump/Scorch

Judas Jump/Scorch
1970年 イギリス
『絶妙にビートルズをかすっている』

 70年代にリリースされたブリティッシュ・ロックの作品もあらかたCD化が済んでしまった21世紀の今日この頃。もう重箱の隅をつつくようなマニアック作しか残されていない、という状況の中で、そういったタイトルばかり(いや、王道の名盤も混ざっていますが)を再発してくれるBIG PINK。このレーベルのおかげで、英国ロック・マニアの好奇心は満たされるのであります。

 今回取り上げるのはジューダス・ジャンプ。実は2015年に再発されていたものの(2009年にもブートっぽい再発盤あり)、B級感漂う、金粉まみれなジャケに臆してこれまで手が出ませんでした。
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 まずは小西勝氏の解説に目を通します。若き日のピーター・フランプトンが在籍していたことで知られるザ・ハードの残党メンバー達が組んだグループ、ということは知っていましたが、ここではその主要メンバーであるアンディ・ボウンを始めとする各メンバーの詳細な経歴が載っていました。オーディエンスにも繋がっていたグループだったようです。もちろん本作が唯一のアルバムです。尚、大手であるパーロフォンからリリースされてことで知られています。

 サイケ・ポップ通過後でプログレ勉強中、というサウンドで雑然としていてアンダーグラウンドな内容です。ブロッサム・トゥーズに通じるサイケデリック・ポップ。オルガン、フルート、ブラスを交えたハード・ロックなバンド・アンサンブルで、演奏は素晴らしい。この時期の英国ロックらしい捻くれた曲展開が楽しめます。B級と割り切れば結構イケます。

Rockin' Chair

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COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE

COLOSSEUM/COLOSSEUM LIVE
1971年 イギリス
『盛り上がったライヴの後におかわりが欲しくなったらこれだ』

 2016年、コロシアムの紙ジャケも何度目かの再発となりました。今回の紙ジャケには赤半透明のポリ・スリーヴが付いてくるとのことで・・・・・・最初、内ジャケの写真を見るのに邪魔だな、などと罰当たりなことを考えてしまって申し訳ございません。貴重なオリジナル盤にまた一歩近づいたということでロマンがありますね。
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 コロシアムの作品群では本作とセカンド『ヴァレンタイン組曲』のジャケをキーフが担当しています。その上、中身も充実しているので、自然とその2枚に人気が集まっています。

 コロシアムは1968年に結成されたジョン・ハイズマンを中心とした、ジャズ・ロック・グループ。ジョン・ハイズマンはグレアム・ボンド・オーガニゼーションやジャック・ブルースのグループで活躍していたドラマー。コロシアムはセッション・プレイヤーが集まって結成されており、何度かのメンバー・チェンジを経て、デイヴ・クレムソン(g)、マーク・クラーク(b)、ディック・ヘクストール・スミス(sax)、デイヴ・グリーンスレイド(key)、クリス・ファーロウ(vo)というメンバーが集結し、4枚目となる本作(ライブ盤)が制作されました。

 本作の魅力はまず、パワフルなインター・プレイの応酬でしょう。クリームの流れを受け継ぎながら、よりプログレッシヴな楽曲展開が特徴です。加えて暑苦しいクリス・ファーロウのヴォーカルが、エネルギッシュな演奏と相乗効果を生み出していることもポイント。ジャズ・ロックではあるものの、ギターとヴォーカルの粘っこいブルース魂が音楽性にかなり影響を及ぼしています。「派手でかっこいいことをやりたい!」という演奏者たちの純粋な気持ちが伝わる、アツイパフォーマンスが堪能できます。収録曲はコロシアムのレパートリーは少なく、カバー中心。ジャニスの「サマー・タイム」も飛び出すなど、アドリヴが盛りだくさんであり、あまり原曲のことは気に留めずに楽しめることでしょう。

Lost Angeles
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135/MIZ-INCO.

135/MIZ-INCO.
1988年 日本
『結局何故みじんこ?』
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 アジア音楽と歌謡曲の融合を極めたセカンド・アルバム。オリエンタル度が一番高く、その上、歌詞のアクロバティックさも凄まじいです。また林有三が編曲として全曲で参加しているのもポイントで、統一感もアップしています。今回のリマスター再発で5枚を購入しているものの、タイムリーで聴いたのはこのセカンドまででした。

 改めて聴いてみるとシンセサイザーを過剰に入れた80年代ならではのアレンジに古さを感じます。ただ、曲はいい。歌詞に関しては韻を踏むことに拘るあまり意味不明になってしまう、というやり過ぎな所が目につきます。そういう曲はSF的な設定が入ったものが多く、訳の分からないところを楽しむのが乙なのでしょう。実際楽しいです。10曲目「回想の窓」は

回想の窓
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BLUE/FOOL’S PARTY

BLUE/FOOL’S PARTY
1979年 イギリス
『地味な内容ではありますが、素朴な温かみが魅力』

 70年代後半のブリティッシュ・ロックというと、どうしても不作のイメージが付きまとってしまい、必然的に棚に入っているその辺りの年数のアルバムは少なくなっています。そんな自分が久しぶりに購入した1979年のアルバムが本作。
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 1973年にデビュー。スコットランドを拠点に活動していたロック・バンド、ブルー。ウエストコースト・サウンドを意識したフォーク・ロックが特徴で、CCRやイーグルスなどと比較される「イギリスのアメリカ」的な味わいを持ったグループです。セカンド・リリース後にエルトン・ジョンのロケット・レーベルへ移籍。そこからリリースされた2枚目(通算4枚目)のアルバムです。

 60年代にはポップ・グループ、マーマレードで活躍していたギタリストにしてソングライターであるヒュー・ニコルソンが在籍しているのがポイントで、柔らかいコーラスとストリングスが印象的なウエストコースト・サウンドは彼が中心に作り上げたものです。ラスト作となった本作では、その傾向は一番顕著に出ています。泣きのギター、壮麗なストリングス辺りにイギリスの名残はあるものの、ほぼアメリカンなロックが楽しめるアルバム。1979年のこの音楽というのは、相当時代遅れなのかもしれません。ハイライトもハッキリせず、地味な内容ではありますが、素朴な温かみが魅力です。

動画はありませんでした。
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