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Olden Yolk/Olden Yolk

Olden Yolk/Olden Yolk
2018年 アメリカ
『激しさを秘めたサイケ・フォーク』

 男女二人によるフォーク・デュオのデビュー作。
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 メンバーはシェーン・バトラー、ケイティー・シャファーの二人。二人とも、ボストンを拠点で活動しているサイケデリック・インディー・ロック・バンド Quiltのメンバーです。シェーンは作曲を担当、ケイティーはマルチの楽器奏者という役割分担。

 Quiltの幻想的でダルーなサイケデリック・ムードはそのまま持ち込まれており、且つアコースティックなサウンドを強調した内容。男女どちらもヴォーカルはヴォリュームを抑え目にしており、儚げでメルヘンチックな風情を醸し出しています。ネオアコ的とも形容できる。穏やかなパートでは70年代っぽさも顔を出していますが、全体的にはオルタナ以降のダークなガレージ感が支配。マルチの奏者が居るのですが、デュオなので、演奏は少し淡々としているのが残念なポイント。ただ、緩急の切り替え、メリハリの付け方がうまく、且つ楽曲間の繋がりがスムーズなので、集中を切らさず一気に聴き通せるところは素晴らしい。曲の出来は良く、さすがベテランの手腕と感じました。2月にリリースされており、ずっと心に引っ掛かっていたのですが紹介できてよかったです。

Olden Yolk - Vital Sign [Official Video]
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V.A./文藝ミュージシャンの勃興

V.A./文藝ミュージシャンの勃興
2002年 日本
『勤労感謝の日に聴きたい歌』

 文藝ミュージシャンって何だろう、ということがこのCDで分かるかというと、それはさっぱり分かりません。原朋信、田辺マモルが監修に加わっており、その周辺の人脈が採用されている感じの人選です。帯にあるような「美人に貢がせ、原稿破る」文士に憧れて、という訳でもなさそう。ただ、生活が感じられる内向的な音楽という部分では統一感があり、心地よく聴くことが出来るコンピレーションです。尚、文藝ミュージシャンということで、参加した面々には数ページが与えられており、短編小説やエッセイなどを読むことが出来ます。おそらくかつての文士が編纂していたという同人誌をリスペクトして仕上げたものなのでしょう。楽しい読み物になっています。
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 実はマーガレットズロースの未発表曲「三度の飯より」が入っていたので購入したCDでした。収録曲17曲のうちには、その他にもいくつかの貴重な曲が含まれています。アンダーグラウンドなミュージシャンが多いので、そのファン向けという意味で、ですが。

 一番のお気に入りになったのは、ニーネの「俺も4トンに乗るぜ」。物流の仕事に就いて、4トントラックで家族を支える男の歌のような体裁ですが、その実、4トントラックで大きな荷物を運ぶがごとく、自分の音楽で皆を楽しませてやるぞ!という泥臭い青さが炸裂した素晴らしい歌となっています。勤労感謝の日に聴きたい歌。そういえば、来週末にニーネのライブに行きます。

動画はありませんでした。

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SUTHERLAND BROTHERS/LIFEBOAT

SUTHERLAND BROTHERS/LIFEBOAT
1972年 イギリス
『これほどの名盤が日本初CD化だったとは』

 『ナイス・プライス・ライン・リターンズ』で再発されたアルバムを紹介するシリーズの第二回。今回はサザーランド・ブラザーズのセカンドを紹介します。当初は、このシリーズのアルバムを一挙に紹介する予定だったのですが、色々他にもレビューしたいアルバムも出てきているので、月1枚程度の更新となります。ご了承ください。
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 ロッド・スチュワートの「セイリング」のオリジナルが収録されている、というのが本作のウリ。実際、帯叩きにもガツンと書いてあります。ただ、今の若者には響かないような・・・・・・「セイリング」のCMが流れたのはいつの頃だったか(検索中)1995年でしたか。であれば、もうおじさん以上でないとキャッチコピーとして通用しないでしょうね。

 ロッドは自身も素晴らしい作曲家ですが、マイナーな楽曲を拾い上げてカバーすることも得意としています。1975年にカバーされた「セイリング」もその一つでしょう。

 アイルランド出身のサザーランド兄弟が前作のファーストで組んでいたバンドを解散して、デュオ名義でリリースしたのが本作です。アメリカ南部のスワンプ・ミュージックへの憧れをブリティッシュ由来の叙情的でポップなメロディーに包んで表現したサウンドが特徴。デュオ名義ではありますが、スティーヴ・ウィンウッドやデイヴ・マタックスなどアイルランド出身のセッション・ミュージシャンが多数参加。イギリスならではのパブ・ロックが楽しめるアルバムです。

 今回の再発で改めて良い曲が揃っていることを再確認しました。帯は「セイリング」推しにならざるを得ない状況ではありますが、アルバムでは「セイリング」は休憩ポイントのバラードとなっており、捨て曲無しの素晴らしい内容です。尚、同時に再発されたファースト・アルバムも甲乙つけがたい素晴らしさ。セットで購入されたし。
初の日本盤化とは意外です。そういえば、このアルバムも新宿まで遠征して購入したという記憶があります。サザーランド・ブラザーズは本作発表後、クィーバーというグループと合体し、サザーランド・ブラザーズ&クィーバーと名乗るのですが、その名義で本作を1977年に出し直しています。内容も異なるため、二つを集めようと必死になっていたのですが、後日、CDとして流通しているのはCBS盤(77年)のみだと判明して脱力したのでした。

Sutherland Brothers Band - Real Love (1972)
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Saint Chameleon/ Mockingbird

Saint Chameleon/ Mockingbird
2018年 オーストラリア
『さびれた味わいがくせになるオリエンタル・ロック』

 トリオ編成のロック・バンド、セイント・カメレオンのデビュー作をご紹介。
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 今回は公式hp及びフェイスブックでしか、情報収集が出来ませんでした。

 2000年代後半、後に中心人物となるルーカス・クストスがストリート・ライブを開始。2010年、もう一人の中心人物であるルカ・スルゼールとルーカスがオーストラリア、グラッツの街で出会う。ジャズ、ブルース、ロック等多岐にわたる音楽を好んでいた両者は意気投合して、音楽活動を二人で開始することになる。音楽都市であるグラッツにはたくさんの音楽家が集まって来る。エミリアーノ・サンパイオ(トロンボーン)、カエタン・カメンジャセビッチ(ベース)、フランチェスコ・ドニネッリ(バイオリン)、ティロー・シヴァーズ(ピアノ)、デイビッド・ドレスラー(ドラム)といった面々を加え、5か国の国籍を持つメンバー達による7人組グループとなった。これが2015年のこと。

 というプロフィールが載っているのですが、肝心のルカとルーカスの二人の担当楽器が掛かれておらず。恐らくギター&ヴォーカルと鍵盤奏者だとは思うのですが。5か国の国籍の内訳なども欲しかったところですが記載は無し。ディスコグラフィーも不明ですが、過去音源が見つかることからセカンド・アルバムだと思います。

 トム・ウェイツ、マディ・ウォーターズ、ベイルート(ワールド要素のある米ロック・バンド)をフェイバリットに挙げています。

 リラックスしたブルース、フォーク要素はトム・ウェイツ、オリエンタルな雰囲気の跳ねるパーカッション、ゆったりしたリズムなどワールド要素はベイルートという感じ。多国籍グループらしいごった煮サウンドです。落ち着いた低音のヴォーカル、ジャジー且つオリエンタルな演奏がとてもカラフルなアンサンブル共に魅力的。トム・ウェイツからの影響を感じさせる、場末のバー的な、気安い雰囲気もグッド。

Mockingbird - Saint Chameleon
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村八分/くたびれて

村八分/くたびれて
1971年 日本
『おどろおどろしい日本語ロック』

 1971年のデモをまとめて1991年にリリースされたもの。その最新リマスター盤が2018年に登場しました。外道同様、村八分もスルーしていた自分は、再びこの機会に購入した次第です。正直に言います。英米の60~70年代の黄金期のロックを体験した後、それらをなぞった日本語ロックンロールを聴いても刺激が無いのでは、と少ない小遣いをやりくりしていた高校時代には思っていたのです。
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 村八分はローリング・ストーンズ、それも中期辺りに影響を受けているようです。分かりやすいところでは「あやつり人形」はイントロから「悪魔を憐れむ歌」を彷彿とさせる仕上がり。ただし、すっとぼけた歌い方で繰り出されるユーモアを含んだ歌詞、暗くアンダーグラウンドな雰囲気はストーンズとは異なるものがあり、聴き応え十分。またタイトル・ナンバー「くたびれて」は日本らしい侘しさを感じさせる素晴らしいバラードです。サイケデリック文化(色々)に浸って作られた日本語ロック、その凄みを感じることが出来ました。

あっ!! from 『村八分 / くたびれて (2018 remaster)』
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