阿佐ヶ谷ロマンティクス/街の色

阿佐ヶ谷ロマンティクス/街の色
2017年 日本
『凝ったアレンジが光るシティポップ・レゲエ』

 レゲエ、ダブの要素をシティポップと融合させたからシティポップ・レゲエと呼ばれている、そうです。

 2014年に結成された女性ヴォーカルを擁する6人組グループ、阿佐ヶ谷ロマンティクス。作りためて来た楽曲をまとめたファースト・アルバムです。
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 幽玄なシンセサイザーのエフェクト、特有のビート辺りがレゲエの雰囲気をプンプン醸し出しています。メロディーはアメリカのAORや西海岸SSW、そしてそこから影響を受けた日本のシティポップ・ミュージシャンなどを連想させる爽やかさが特徴。おかずの入れ方がうまく、アレンジが凝っているのもポイント。
ヴォーカルはアルバム音源とは言え、声域の狭さ、不安定さが分かってしまうのですが、声を伸ばす時のしゃがれた余韻などにみられる憂いの表情にハッとさせられます。透き通ったキーボード、トロピアルな雰囲気を盛り上げる流麗なギターなど、演奏も素晴らしい。レゲエのアルバムとしては、バラエティーに富んでおり、執念も感じる力作です。

所縁

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Tennis/Yours Conditionally

Tennis/Yours Conditionally
2017年 アメリカ
『ソウル懐古のドリーム・ポップ』

 コロラド州デンバー出身の夫婦ポップ・デュオ、テニスによる4枚目のアルバム。60~70年代のソウル、ポップから幅広く影響を受けているとのこと。
 
 シンセサイザー、コーラスにエコーを掛けたアレンジと打ち込まれたビートが、ソウルフルなメロディーと同居しており、サイケデリックな雰囲気を醸し出しています。ファルセットが魅力的な女性ヴォーカルの存在感も十分。
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ジャケもウッドストック系SSWがやりそうな感じに。

 ストリングスたっぷりのフィリー・ソウルをドリーム・ポップの手法で表現しています。ソウルの熱気、感情がデジタルのフィルターを通して無機質、クールさに変換されている。こう書いてしまうとネガティブな印象だけれども、ヒンヤリとしていながら気怠いソウルを感じることが出来て、新鮮。

In The Morning I'll Be Better
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星野みちる/ My Favorite Songs

星野みちる/ My Favorite Songs
2016年 日本
『明るく朗らかなアレンジがされたカバーアルバム』

 星野みちるの新作はカバー・アルバム。これまでプロデューサー、はせはじむの計画、綿密な設計図に沿って4年間、歌手活動のキャリアを積んできた彼女。今回のカバー・アルバムでも選曲の決定権をある程度(半分くらい)プロデューサーに委ねています。信頼関係が築かれているのでしょう。EPO、矢野顕子、松田聖子、杏里、山下達郎、イックバル、松尾清憲と硬軟入り乱れる選曲。
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 ハキハキとして清々しい歌唱には堂々たる自信も含まれており素晴らしい。多くの曲で大胆なアレンジが施されているのが特徴。モータウン・ビートを入れつつロック度を上げた「恋するフォーチュンクッキー feat. ザ・スクーターズ」や朗らかなミドル・テンポへと変貌した「ずっと一緒さ」など、多くの曲で明るく朗らかなイメージへと変貌しています。イックバルは日本のシティポップに憧れているインドネシアのグループとして話題ですが、はせはじむの日本語詞が付けられていることで、全く違和感が無くアルバムの中で同化。

収録曲のミュージシャンの中で比較するならEPOや杏里のアルバムのような、すっきりした聴き心地でした。
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Chastity Brown/Silhouette of Sirens

Chastity Brown/Silhouette of Sirens
2017年 アメリカ
『ゴスペル、アイルランド、ブルースが同居』

 アフロヘアの女性ミュージシャンが登場すると、ついついチェックしてしまう。やはり華やかで目立ちますから。そしてチャスティティー・ブラウンを見つけました。
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 1982年、アイルランド人の母とアフリカ系アメリカ人ブルース・シンガーの父の間に生まれたチャスティティー。ニューハンプシャー州北部で生まれ、テネシー州ユニオンシティで育ち、現在はミネソタ州ミネアポリスを拠点に活動しています。幼い頃からアイルランド民謡やブリティッシュ・トラッド、フォークを聴きながら、同時に父の影響でブルースにも親しんだ彼女。礼拝堂でのゴスペル・コーラス隊の中でドラムとサックスを演奏して育ったそうです。多様な音楽経験と何度かの移住を経て、豊かなバックボーンが形成されているようです。彼女は影響を受けたものとして、ジェイムス・ボールドウィン、カーソン・マッカラーズという二人のアメリカ人作家を挙げています。2007年にアルバム・デビュー、本作で5枚目になります。現在はマイケル・キワンカ、ダー・ウィリアムズ、ラウル・ミドン、レオン・ラッセル等のライブ・ツアーをサポートするなど、知名度を獲得。ミネアポリスにてベスト・フォーク賞を受賞したことを始め、いくつかの音楽賞も受賞。名前が売れてきています。
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 壮大で力強いゴスペル要素、図太いブルース・ロック、枯れたカントリー・ギターといった要素が同居。またシャッフル、ビート・ナンバーもいくつか収録されており、ブリティッシュ・ロックからの影響も感じさせるのがポイントです。哀愁を帯びたメロディー、パワフルな歌唱共に申し分なく伸び伸びとしたアメリカン・ロック作として楽しめました。

Carried Away
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Alice Jemima/Alice Jemima

Alice Jemima/Alice Jemima
2017年 イギリス
『アンニュイでミステリアス、どんよりシンセ・ポップ』

 語尾に疲れるため息のようなブレスが印象的。シンセ・ポップにしてはとても寂しく気怠い音楽で、イギリスらしさも十分です。

 1993年生まれ、22歳になるシンガーソングライター、アリス・ジェミマ。デヴォン州ニュートン・アボット出身。2010年から音楽活動を始めており、2011年にウィッチウッド・フェスのBBCオーディション枠に選出されて、初のライブを披露しています。また2016年にはR&Bグループのブラックストリートの楽曲「No Diggity」のカバーを発表。これが注目を集め、知名度を高めました。本作は初のアルバムとなります。
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 先にシンセ・ポップにしては寂しく気怠い、と書きましたが、メロディーからはフォーク、トラッドの要素をふんだんに感じ取ることが出来ます。ピアノもしくはギターの弾き語りでもスマートに表現出来そうな音楽です。ウィスパーを交えたエキゾチックな楽曲ではケイト・ブッシュを彷彿とさせる所があり。他にEmiliana Torrini、Lisa Mitchell、Nina Persson、Alessi Laurent-Markeといったミュージシャンとの類似点が挙げられているようです。
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 イギリスらしいどんよりとしたシンセ・ポップで、彼女自身のアンニュイでミステリアスな魅力が存分に発揮されています。

Live For Now
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