ビンジョウバカネ/Afters

ビンジョウバカネ/Afters
2005年 日本
『名曲をポコポコに』

 後にAPOGEEなどで活躍する永野亮とソロのSSWとして活動している森ゆにが在籍していたことで知られるグループ、ビンジョウバカネ。ミニアルバム2枚のみで解散してしまった彼ら。本作は2枚目のミニアルバムです。

 ビンジョウバカネは作曲とヴォーカルを分け合うスタイルを特徴としているトリオ編成のグループでした。アコギやピアノなどアコースティック重視のバンド・アンサンブル、そして凝ったコーラス・ワークと変拍子。この辺りが彼らならではの特徴でしょう。ヘンテコでポップな曲を書いてやろう、という気概を感じました。
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 このアルバムは5曲がカバー、3曲がオリジナルという構成。アコギでオルタナっぽい感じの「イパネマの娘」、アコギでネオアコ調「Anarchy In The UK」と「Lithium」など、カバー曲は原曲よりもかなりリラックスした感じに仕上げられています。森ゆにのヴォーカルはソロ転向後の方がうまいかな、とは感じますが爽やかで素晴らしい。ポコポコとした演奏もいい雰囲気です。オリジナル曲は3人それぞれが持ち寄っています。後の世界観が完成している森ゆに、永野亮の曲も良いが、ここでは中川氏のカントリーバラード「悲しき原風景」が新鮮でした。

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Clea Vincent/Retiens mon desir

Clea Vincent/Retiens mon desir
2016年 フランス
『生音を大事にしたシンセサイザー使い』

 先日、ダニを紹介したばかりですが、再びフランスのミュージシャンをご紹介。2014年にEP2枚をリリースしており、既にフレンチ・ポップ・マニアからは注目を浴びていたクレア・ヴィンセントが満を持してデビュー作を発表しました。

 クレア・ヴィンセントはパリを拠点に活動するクリエイター。ジャズ・ピアニストとしても活躍しているとのこと。

 フランスらしい、エレクトロ要素満載のミニマルでポップなダンス・チューンを指向している彼女。特に90年代以降のフランス産エレクトロ・ポップスからの影響を受けている模様です。今回のアルバムでは作曲メンバーとしてタヒチ80のラファエル・レジェを迎えていることもポイント。
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 フレンチ・エレクトロには欠かせない煌びやかなシンセサイザーはオンオフのメリハリが効いており、ピアノやコーラス、サックスなど生音の味わいを電子音が消さないよう配慮が行き届いています。ジャズに通じているだけに、フュージョン、AORのような洗練された雰囲気をところどころで醸し出しており、それも個性となっています。加えて爽やかですっきりと通る歌声も素晴らしい。

 個性を出すのが難しいジャンルなので、最近は自分もあまり取り上げなかったのですが、本作の出来は素晴らしかった。
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Achète le moi
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堀下さゆり/うたかたの日々

堀下さゆり/うたかたの日々
2016年 日本
『少し鼻声で舌足らずな感じの柔らかい歌声と爽やかなメロディーが特徴』

 ピアノ弾き語りのSSW、堀下さゆりによる9年振りのサード・アルバム。少し鼻声で舌足らずな感じの柔らかい歌声と爽やかなメロディーが特徴です。
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 ただでさえ多くの人材がひしめくピアノ弾き語りというジャンルなのに、かなりマイルドな個性であることは否めません。ただ耳馴染みは抜群に良く、それはやはり歌声の魅力に尽きるのでしょう。また今回のアルバムではプロデュースに浅田信一を迎えており、ピアノ弾き語りの味わいを落とさずに、キラキラ感を強調したアレンジが見事です。この辺りも彼女の密やかな個性だからこそのハマリ具合なのかもしれません。

 歌詞は母親目線での等身大で生活感溢れるものが中心。穏やかな世界観です。

今日は寝てしまおう

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マギー・メイ/12時の向こうに

マギー・メイ/12時の向こうに
日本(1969年~1975年)
『ファースト・アルバムの編曲は柳田ヒロ』

 「はじめてのチュウ」の作者、実川俊晴のアーカイヴ・コレクション第一弾。「はじめてのチュウ」の作者、というシンプルにして好奇心を煽る事実を前に買わずにはいられませんでした。彼が70年代に在籍していたグループ、マギー・メイの音源を中心に組まれた音源集です。
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 この時代のGSやフォークも色々聴いていたので、期待半分という感じだったのですが、いい曲がたくさん入っていました。マギー・メイはブッダ・レーベル系ソフト・ロックとCSNを混ぜたような、あの時代に多く出ていた5人組のハーモニー系フォーク・グループ。CSNというよりもYESのファーストみたいな曲もあり、引き出しは多彩。キーボードにミッキー吉野、バック・ヴォーカルに亀淵由香などが参加しています。またファースト・アルバムの編曲は柳田ヒロが担当しており、幻想的なストリングス・アレンジを楽しむことが出来ます。セカンド・アルバムはセルフ・プロデュースで、こちらはいくぶんロック度が高くなっています。バッド・フィンガーっぽいところもあり。

一部、初期音源などに音質に難がある曲もあるのですが、これは貴重な発掘音源。とてもいいグループを知ることが出来て大感謝であります。

 アーカイヴ・コレクション第二弾ももうすぐリリースされるとのことで、これは要チェックです。

動画は無かったです。
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135/MIZ-INCO.

135/MIZ-INCO.
1988年 日本
『結局何故みじんこ?』
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 アジア音楽と歌謡曲の融合を極めたセカンド・アルバム。オリエンタル度が一番高く、その上、歌詞のアクロバティックさも凄まじいです。また林有三が編曲として全曲で参加しているのもポイントで、統一感もアップしています。今回のリマスター再発で5枚を購入しているものの、タイムリーで聴いたのはこのセカンドまででした。

 改めて聴いてみるとシンセサイザーを過剰に入れた80年代ならではのアレンジに古さを感じます。ただ、曲はいい。歌詞に関しては韻を踏むことに拘るあまり意味不明になってしまう、というやり過ぎな所が目につきます。そういう曲はSF的な設定が入ったものが多く、訳の分からないところを楽しむのが乙なのでしょう。実際楽しいです。10曲目「回想の窓」は

回想の窓
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