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Jacqueline Govaert/Lighthearted Years

Jacqueline Govaert/Lighthearted Years
2017年 オランダ
『ロック度の高さからバンド時代の名残を感じさせる』

 2000年代に活躍したロック・バンド、ケルシプのリーダー、ジャクリーン・ゴバートのサード・アルバム。

 1982年生まれ、36歳。カーツスフーフェル出身。幼少の頃からピアノを嗜み、12歳で作曲を始めたとのこと。高校時代より、ケルシプとして活動を開始。ケルシプは2009年に解散するまで、6枚のアルバムをリリースするなど、人気グループとなりました。バンドではヴォーカル兼ピアノを担当、中心人物として活躍しました。2009年のバンド解散を期に、自作自演歌手として再スタートをすることになります。
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 ピアノ弾き語りを中心としてリズム隊、オーケストラを加えた重厚な編成。オランダのミュージシャンらしく、はっきりとしたメロディーが特徴です。多彩なキーボードによる透明感、華麗なオーケストラ・アレンジがサウンドを彩っています。ハキハキとして活力漲る歌声はさすがロック・ヴォーカリストと感じさせるもの。ピアノ弾き語りというイメージとは裏腹なパワフルな内容が新鮮でした。

Lighthearted Years
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Carolina Deslandes/Casa

Carolina Deslandes/Casa
2018年 ポルトガル
『2018年、暑気払いの1枚①』

 今回も膨大なリストから発見して来た洋楽の新譜をご紹介。カロライナ・デスライドスの3枚目のアルバムです。ポルトガルで活動する女性歌手とのこと。
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 カロライナはポルトガルのオーディション番組、IDOLS(アメリカン・アイドルのポルトガル・ヴァージョン)が切っ掛けでデビューしています。2009年のことです。この期間の6カ月で、ロンドンの音楽学校への留学を経験。ヴォーカルについて学んだとのことです。ちなみにIDOLSでの最高成績は、2010年12月の4位。2012年にデビュー・アルバムを発表。プロ・デビューを果たします。2015年には大御所の音楽プロデューサーであるディエゴ・クレメンテとの交際の後、結婚を経て出産。(この辺りはかなりゴシップとして騒がれた模様)本作はディエゴ・クレメンテのプロデュースを受けてのサード・アルバムです。などと、プロフィールを調べて書いてみたものの、ズバリ俗っぽい感じ。アイドル・オーディション番組でご年配のプロデューサーに気に入られて、芸能界を渡り歩いていくタフな女性というイメージです。

 ポルトガルの民族音楽の一つにファドというものがあります。アメリカのカントリーや日本の歌謡曲のように国民に親しまれており、スタイルとしてはポルトガル・ギターやクラシック・ギターの伴奏と共に歌われる穏やかな音楽です。ディエゴ・クレメンテは、ファドの歌姫、カルミーニョと長年連れ添ってきた(離婚、のちカロライナと結婚)だけでなく、ファドの大御所プロデューサーとして名を馳せている人物。本作でも軽やかなファド音楽を作り上げています。そして、カロライナの歌声が素晴らしい。可憐さ、清々しさが印象的で感情が乗っています。ギターだけではなく、管弦楽などが被さる華やかなアレンジもポイントです。数曲でゲスト・ヴォーカルが入ることで、アクセントになっており、構成もナイス。カロライナは母になったことで、息子への愛情をテーマにしているとのことで、それが爽やかで優しい聴き心地を醸し出しています。梅雨明けが早い今年の夏、最初の避暑アルバムとしてどうでしょうか。

Avião De Papel ft. Rui Veloso
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Steelism/ism

Steelism/ism
2017年 アメリカ
『ペダル・スティール愛』

 スティーリズムのスティールはペダル・スティールのスティール。美しい伸びやかな高音とギター、オーケストレーション、シンセサ
イザーが交歓するインストゥルメンタル・ミュージックです。

 ナッシュビルのインストゥルメンタル・デュオ、スティーリズム。イギリスのエセックス出身のスペンサー・カラム・ジュニア(ペダル・スティール担当)と、オハイオ州カントン出身のジェレミー・フェッツァー(ギター担当)が出会い、2013年に結成されました。フェイスブックの影響を受けた音楽には「Area Code 615, Booker T. & The MGs, Dick Dale, Pete Drake, Lloyd Green, Ennio Morricone, Lalo Schifrin, Goblin」と記載されており、カントリー、ソウル、映画音楽からの影響を受けていることが分かります。個人的にはゴブリンが入っているのがワクワクします。本作は2014年のデビュー作に続くセカンド・アルバム。
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 デュオ名義ですがバンド録音+ストリングスで録音されています。上記のリスト通り、ホラー、西部劇のサントラ、カントリー、ソウルと様々な音楽要素をごった煮したインストゥルメンタル・ミュージック。ペダル・スティールとギターが肝ながら、それぞれがソロを取ることはなく、合奏のみで展開。またアルバム全体のスパイスとしてか、女性のゲスト・ヴォーカルを数曲で起用しており、それらでは、よりドラマティックな魅力を強調しています。全編でスティール・ギターがふぃーーーんと唸っているのはどうなのだろう、と思いきや、清々しい聴後感。

Cup of Wasser
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Eric Stewart/Frooty Rooties

Eric Stewart/Frooty Rooties
1982年 イギリス
『聴き漏らしがちな10cc関連作』

 10ccのメンバー、エリック・スチュワートのソロ2枚目。10ccの状況としては、ゴドレイ&クレームの二人が1976年に脱退。グレアム・グールドマンとエリックを中心とした6人組グループとして生まれ変わった10cc。しかしながら数年でデュオ編成に戻ることに。そんな中、81年に『Ten Out of 10』をリリース。その翌年に本作は発表されています。

 参加メンバーには6人編成時代の10ccメンバーが揃い踏み。ゲストも加わっていないことから、ほぼ10ccのアルバムといっていい
状況で制作されています。
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Aメロが「Come Together」にそっくりなポップなロックンロール「Never Say 'I Told You So'」。このようなポール・マッカートニーからの影響(パロディかな)も伺えるナンバーがいくつか収録されています。高品質な英ポップが並んだアルバムで、エリックの優れた楽曲群を楽しむことが出来ます。

 初期10ccのようなスケールの大きさは望めないものの、小粒な佳作が目白押し。これも後期10ccらしい味わいと言えるので、本作が未CD化であることは残念なところです。

Doris The Florist
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小坂忠/Chu's Garden

小坂忠/Chu's Garden
2010年 日本
『ボックスを買っても、もやもや』

 以前から欲しかった小坂忠のボックスを購入。本当は各アルバムを廉価で再発して欲しかったのですが、いくら待っても報せは届かず。
今回のBOXの仕様について、少しばかり書きたいと思います。

 それぞれ紙ジャケで10タイトルが収録されたBOX。特に初期の3タイトルはオムニバスという形でしかCDで購入出来なかったのでうれしい。DVDや発掘音源など、BOXならではのお楽しみにも大満足です。
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 ただ「どろんこまつり」という曲が『ありがとう』『もっともっと』の2枚のアルバムからカットされている点は残念。差別用語(ここでは触れません)が含まれている為、収録を見送ったとのこと。またこのパターンか、とがっくり来ます。

 「完全復刻」と謳っておきながら、購入後の歌詞カードで「~の為、割愛しております。あらかじめご了承ください。」という告知はちょっと・・・・・・違う気がする。あらかじめご了承していたのは完全復刻された、ということだけですよ、と。

 ただ、こればっかりは、作者の了解を得ているのであれば、我々聴き手は何もできない状況。差別用語の基準も日々、厳しくなっていくみたいです。今日、生まれた曲の中にも、もしかしたら将来の差別用語が含まれているかもしれません。 

 次の機会には収録して欲しい、と思うべきか。いや待て。BOXを買ってコンプリートだったはずなのに、もう一度買うのか。
こんな思いをさせたくないとすれば、なるほど、ずっと再発に踏み切れなかったわけだ。

どろんこまつり/小坂忠
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