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IVAN LINS/MODO LIVRE

IVAN LINS/MODO LIVRE
1974年 ブラジル
『憂鬱の波へ飛び込め』

 MPBを代表するソングライター、とされているイヴァン・リンス。自分はボサノヴァのことは知っていても、MPBのことは素通りしていました。ブラジルでボサノヴァの要素を受け継ぎつつ、よりポピュラー寄りに進化した70年代の流行歌のことを指すとのこと。実際に調べてみるとこれまでボサノヴァと思って聴いてきたミュージシャン(ジルベルト・ジルなど)もMPBと呼ばれていることに気づきました。ボサノヴァからの派生ジャンルという感じであり、あまりMPBというものの定義を意識しなくてもいいかな、と感じました。今回は未聴のミュージシャンの作品の中から「ポセイドンの憂鬱」という感じのジャケの強烈さに惹かれて、選んだアルバムです。
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 抑揚を付けながら侘しさを強調した歌声、哀愁たっぷりのメロディーが素晴らしい。また、華麗にしてスペーシーなキーボード・アレンジが特徴的で、洗練された印象を受けます。アレンジはアルトゥール・ヴェロカイが担当。ストリングスやブラス、パーカッションなどが細かく顔を出す緻密な仕事ぶりはさすが。
晴れの日が全く訪れず、登山の計画が何度も中止になっている今日この頃。せっかく取った三連休は全て曇りで明日からは仕事。そんなアンニュイな気分を、イヴァン・リンスの歌声がより強調してくれました。うーむ、ふて寝するか。

Ivan Lins - Tens (Calmaria)
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ARTHUR VEROCAI/ARTHUR VEROCAI

ARTHUR VEROCAI/ARTHUR VEROCAI
1972年 ブラジル
『ブラジル音楽にも宇宙を感じた』

 DJから絶大な人気を誇る、という煽り文句に好奇心をそそられて購入してみたアルトゥール・ヴェロカイのファースト・アルバム。さすがに抜群に素晴らしかった。たまにはDJの流行に乗っかってみるのも悪くないなと、偉そうなことを思ってしまいました。

 アルトゥール・ヴェロカイは60年代から活躍するプロデューサー。映画音楽やテレビの音楽を始め、多くのアーティストを手掛けていたとのこと。
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 イタリアン・プログレと言われても違和感ない、たそがれたメロウ・チューン「CABOCLO」から驚き。途中、アコギのソロのバックで、電子音がループして来ます。映画音楽を手掛けているだけに音楽がとても立体的。次の「PELAS SOMBRAS」ではサックスが登場。ハードボイルドに目配せしつつ、エレガントなポップスに仕立てています。ここまでで一気に心を掴まれました。ボサノヴァ、ジャズ、プログレが交錯して、鬱屈したスペース・ロックを生み出しています。ブラジルの音楽に対しての偏見(ボサノヴァしか見えていなかった)を取り去ってくれそうな一枚。

「PELAS SOMBRAS」
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Joyce/Encontro Marcado

Joyce/Encontro Marcado
1969年 ブラジル
『ふらふら加減が素晴らしい。』
 本日は昨日、聴いていたジョイスのセカンド・アルバムをご紹介。
(更新された日の前日ではありませんが)

ジョイスはブラジルのSSWです。
68年にデビュー、翌年セカンドである本作発表後、音楽活動を休止。
結婚、出産を経て1975年に音楽活動を再開します。
80年代初めに発表された『Feminina』『Água e Luz』という二枚のアルバムで
イギリスを中心とした世界の音楽ファンを虜にして、
一躍、ブラジルを代表する自作自演歌手として評価されることになりました。

 ということで、入門盤として上記二枚は欠かせない訳ですが、
本作も負けずに充実の内容となっています。
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 ジャズをルーツとする転調の激しい曲調を、優雅且つ華麗に歌い上げるスタイル。
これぞジョイスの真骨頂であり、
その意味ではボサノヴァの習作であったファーストよりも本作こそが真のデビュー作であると言えます。
ボサノヴァならではの郷愁、哀愁を感じさせる(サヴタージ)メロディーは持ったまま、
変幻自在に展開していく楽曲群。
その上を撫でるようにふわふわと浮遊する歌唱。
時代柄、甘いストリングスが加わっていることで酩酊感が加わり、
サイケデリックな味わいがあるのもポイントです。

 英米ロック/ポップスの革命期に呼応したボサノヴァの返答、とも言えるのかもしれません。

『A SAUDADE MATA A GENTE』 
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TAMBA 4/We And The Sea

TAMBA 4/We And The Sea
1967年 アメリカ
『ピアノとフルートの美しきハーモニー』

 夏の入口にはボサノヴァでも聴いて現実逃避。
訳知り顔でサヴタージ気分(あんまり分かっていない)に浸るのもいいかな、
ということで我がCDラックでも久しくご無沙汰だったブラジル・コーナーから
一枚引っ張り出してきました。

 本作はピアニスト、ルイス・エサが率いるタンバ4によるアメリカ・デビュー作。
まずジャケが美しい。
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この画像はiphoneのトップ画面用に加工したものを縮小したものですが、
こんなトップ画面だったら確かにおしゃれかもしれません。
元画像はこちら
実際、日本で真似しても船酔いしちゃうのでしょうけれども。いいですね。

 メンバーは以下。
Luiz Eca : piano & organ
Dorio : bass , guitar & percussion
Ohara : Drums , Jawbone & Conga
Bebeto : Flute & Bass

 曲はオリジナルを始め、マルコス・ヴァーリやジョビン等による素晴らしいものを用意。
当時、アメリカで最先端であったイージーリスニングなジャズ・サウンドと
ボサノヴァが融合。更にサイケデリックなムードも織り込んだ鮮やかな音楽が生まれています。
ピアノ、フルートによる優しく爽やかなメロディーがリードしており、
ジャケとの相乗効果で聴き手に感動を提供してくれます。
アンサンブルの美しさに酔いしれるナンバーが中心ですが、
クラシック畑出身のルイス・エサらしく起承転結がしっかりした
ダイナミックな曲が1曲目とラストに配されているもポイント。

「The dolphin」 
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Deodato/Prelude

Deodato/Prelude
1972年 アメリカ
『冬の晴れた午後。大福を食べながら聴くのが乙』

 本日は交流ブログ様から教えていただいた、
フュージョンの名作をご紹介。
ボサノヴァの名アレンジャーとして活躍していたデオダートによる
初ソロ作。
フュージョンの世界では名作として名高いアルバムだったようですが、
これまで完全にスルーしておりました。

 クラシックの名作として知られる
「Also Sprach Zarathustra」(ツァラトゥストラはかく語りき)が
日本でもシングル・カットされ、ヒット。その勢いのままフュージョン・ブームが巻き起こったという
ムーブメントの火付け役にもなった本作。
しかし「ツァラトゥストラはかく語りき」をシングル・カットしてヒットとは・・・・・・
今の日本のチャートアクションからは想像も尽きません。
こういう音楽もビシバシ、チャートに入る粋な世の中になって欲しいです。
話は逸れましたが、このナンバーはスマートで爽やかなストリングス・アレンジで
スッキリと聴けます。その実、アフリカンや8ビートの導入など冒険的なアレンジを敢行している訳ですね。
素晴らしい。

 遅ればせながら本作のメンツは以下。

エウミール・デオダート(Piano)、ジョン・トロペア(G)、ジェイ・バーリナー(G)、ロン・カーター(B)、
スタンリー・クラーク(B)、ビリー・コブハム(Dr)、アイアート(per)、レイ・バレット(per)。

 個人的には大好きなビリー・コブハムの参加がうれしいところ。
本作ではTPOをわきまえて、おとなしめに叩いておりますが、締まったリズム・キープはさすがです。

キーボード、ギターを中心とした透き通った音色のアンサンブル。

これを1972年でやったというのだから、凄いですね。まさに最先端だったことを感じられます。

冬の晴れた休日の午後。大福を食べながら本作を聴くのも乙ですよ。
って、それは今の自分の状況を書いただけなのですが。(←執筆時2013年)

「Prelude To Afternoon Of A Faun」
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