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RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND

RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND
1971年 イギリス
『ヴィブラフォンがヴォーカルと張り合う異色シンガーソングライター作』

 英ジャズ・シーンを代表するヴィブラフォン奏者、フランク・リコッティの代表作として記憶していた本作。永らく聴くことが出来ていなかったのですが、この度、めでたくビッグピンクよりCD化されました。
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 マイケル・アルバカーキなるミュージシャンとのデュオ作となっています。マイケルは本作発表後、ロイ・ウッドの後任としてELOに加入するとのこと。

 リコッティがヴィブラフォン、アルト・サックス、パーカッション、アルバカーキがギター、ヴォーカルをそれぞれ担当。当時、英ジャズ・シーンで活躍していた面々がベース、ドラム、ピアノでそれぞれバックを務めています。過半数の楽曲をアルバカーキが手掛けており、残りをジェイムズ・テイラーやラヴィン・スプーンフルなどのカバー曲で埋めている構成。

 ジャジーなシンガーソングライター作とは一線を画す、ジャズ・ロック度の高さが特徴。1971年という、ロックを模索していた時代ならではの新鮮な音楽性が楽しめます。ジャズ・ロック的なインプロヴィゼーションが長く続くのはもちろんのこと、ヴォーカルとヴィブラフォンが交互に主役を取る構成が多い為、清々しくも静謐な雰囲気に包まれているのが魅力となっています。

 ビッグピンクからの再発盤は重箱の隅をつつくようなレア盤が多い反面、衝撃を受けるものはあまりないのが実情なのですが、本作は英ロック・ファンにおすすめしたい佳作となっています。

Don't You Believe Me
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ENGLAND/ The Imperial Hotel

ENGLAND/ The Imperial Hotel
2006年 イギリス
『ジェネシス愛がストレートな良曲』

 ジェネシス・フォロワーのグループの中でも、別格の人気を誇るグループ、イングランド。泣きのギター、メロトロンの洪水、テクニカルで緻密な曲構成、全て素晴らしい。そんなイングランドが2006年に突如、来日公演を敢行。その際に会場限定として販売されたのが、今回ご紹介するEP『The Imperial Hotel』。これが1975年に録音された未発表曲という。決して新曲などではない、この潔い態度。ファンとしてはうれしい限り。尚、僕は来日公演があったことは知っていたのですが、なんとなく心配な要素をビシバシと感じたため、スルーしました。その為、このCDは中古で購入しております。(プレミアついてお高いのですが、それなりに流通している模様)
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ファンの購買意欲を高めるジャケ。

 内容は24分のタイトル曲1曲を収録しています。1977年にリリースされたファースト・アルバムよりも前の1975年録音。ピーター・ガブリエル度の高い裏声の交えたオペラチックなヴォーカル・パフォーマンス、ブォーンと唸るメロトロン、ぐるぐる回るコーラスなどイメージ通りの大作が楽しめます。演奏面のテクニックも抜群。アルバムに収録されている楽曲群に比べると、ジェネシス愛がストレート過ぎてコピーかな、みたいに感じるところはあるが、それはそれで良し。

ENGLAND - The Imperial Hotel
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Gentle Giant/ Three Piece Suite

Gentle Giant/ Three Piece Suite
2017年 イギリス
『21世紀のGG入門ならこれ』

 変拍子と複雑なコーラス・ワークを駆使し、ジャズ、ロック、トラッドを融合した不思議な音楽を想像していたグループ、ジェントル・ジャイアント。一度、ハマってしまえば中毒性の高いジェントル・ジャイアントですが、取っつきにくいプログレッシヴ・ロックの作品群の中でも、別格のアクの強さを誇るグループなのです。そこで初心者にオススメしたい一枚としてご紹介したいのが本作。初期の3枚からセレクトされた編集盤です。
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 元々、①マルチ・トラックの発掘→②高音質盤の発売、という流れで発掘作業を進めていたのですが、全ての楽曲の音源を揃えることが出来ず、再発を断念。発見出来たマルチ・トラックのみを集めて、リリースすることになったのが本作ということだそうです。

 これまでの盤とは一段次元の違う、くっきりとしたサウンドで楽しめます。例えば「Why Not?」に於けるギターソロのバックの掛け声のところや、「Pantagruel's Nativity」の折り重なる管楽器とコーラスの重層的な感じ。頻繁な楽器持ち変えによる複雑な演奏の妙がより楽しめる仕上がり。これはアルバムを既に持っている人にもおすすめ出来る内容です。

GENTLE GIANT - THE HOUSE, THE STREET, THE ROOM (Official video)
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OPUS AVANTRA/INTROSPEZIONE

OPUS AVANTRA/INTROSPEZIONE
1974年 イタリア
『久しぶりに聴いても芸術的』

 イタリアン・ロックを代表する名盤の一つ。ただあまりにも芸術的な為、馴染めず手放してしまう。それでもジャケの美しさ、存在感に引き寄せられて再び購入。そんなことをどうやら繰り返して4回目。紙ジャケSHM-CDになったオパス・アヴァントラが再び我が家にやってきた。
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 「ある夜、僕はドネラ・デル・モナコに会った~(中略)この夢を見たのは4年、あるいは5年前のことだった。」で始まる本作のライナーはいつ読んでも凄い。へぇ、ドネラさんに会ってインタビューでもしたのかな・・・と思いきや夢でしたー!という流れはもちろん、夢の話から始めるという度胸。ドネラ・デル・モナコが夢に出てくるという愛情。山崎尚洋さんは凄い人だ。僕は大好きなジミー・ペイジの夢もピーター・ガブリエルの夢も見たことが無い。

 本作はヴォーカル、ドネラ・デル・モナコとキーボード、アルフレッド・ディソッコによるユニット、オパス・アヴァントラのファースト・アルバム。クラシック、現代音楽、演劇の要素を混ぜ合わせたプログレッシヴ・ロックをやっている。芝居がかったドネラ・デル・モナコのヴォーカルは表情が豊かで怖い。かきむしられるピアノやヴァイオリンも加わり、曲が進むにつれ狂乱の度合いは増していく。しかしながら、牧歌的で優雅なメロディーを持ったヴォーカル・ナンバーがひょっと挟まれたりして、こちらの気持ちをグラグラと揺さぶってくる。イタリアらしい過剰さがてんこ盛り、久しぶりに聴いても芸術的だった。もう手放さないと思う。思う?

Ah! Douleur
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Little Tybee/Little Tybee

Little Tybee/Little Tybee
2016年 アメリカ
『スーパーテクニカルなのにほのぼの系』

 ソフトな裏声の男性ヴォーカルの心地よさとは裏腹に、バックでは複雑なタッピングを披露する8弦ギター、フィドル、グロッケンなどが乱舞。ハイレベルなテクニックを交錯させたインプロヴィゼーションがビシバシと披露されているにもかかわらず、緊張感は無し。晴れ晴れと爽やかな聴き心地が不思議で癖になります。

 リトル・タイビーはアトランタを拠点に活動しているグループ。メンバーは以下の通り。

• Brock Scott - Vocals, Piano, Acoustic Guitar
• Ryan Donald - Electric Bass, Double Bass
• Pat Brooks - Drums, Percussion
• Josh Martin - Eight-String Electric Guitar
• Nirvana Kelly - Violin, Viola
• Chris Case - Keyboards
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 2008年に結成されており、3枚のアルバムをリリースしており、本作は4作目となります。自身の音楽を「エクスペリメンタルなプログレッシヴ・フォーク」と表現している彼ら。
メンバーは6人ですが、アルバム毎に管楽器やペダル・スティールなど多彩な楽器のゲスト・プレイヤーが参加しています。
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 一糸乱れぬインプロヴィゼーションは凄いですが、複雑なことをしていると感じさせないさりげなさがもっと凄い。アコースティックな編成なのでフォークと言われればそうかな、とも思えますがどちらかと言えばプログレ寄りのサウンドです。ロマンティックなメロディーが多用されており、イーソスなど70年代米プログレを愛聴している方へもお勧めできそう。

Languid
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