META META/MM3

META META/MM3
2016年 ブラジル
『ジャズかブラジルかプログレかはさておき、この混沌は凄い』

 妖しさたっぷりに物語を紡ぐ女性ヴォーカル、ブルージーにしてアンダーグラウンドなギター、暴れまわるサックス。70年代アンダーグラウンドのような混沌としたサウンドが魅力のアルバムです。めためた、という言葉の響きはかわいいのですが、音楽性はかなりシリアス。

 まずこのジャケが強烈。
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イサカを思い出してしまいました。
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だがしかし、彼らはブラジルのグループ。女性ヴォーカルのジュサーラ・マルサル、ギタリストのキコ・ヂヌッシ、サキソフォンのチアゴ・フランサによるトリオで2008年に結成され、2011年にデビューしています。これまで3枚のアルバムと1枚のEPを発表。本作は4thアルバムとなります。先入観でプログレ・バンドだと勘違いしていましたが、彼らはジャズ畑で活躍しているミュージシャンが集まったバンドで、ジャズ・グループとして活動しているようです。初期の作品は一部輸入盤ショップなどでレビューもされており、それによるとアフロ・ジャズ的な音楽性で、コルトレーンにも影響されているとのこと。
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 さて本作の内容について。本体である彼らトリオに加えて、キーボード、ドラムが参加しています。ドタバタしたドラムを加えたサックス、ギターが絡むバンド演奏はとにかく不穏でダーク。女性ヴォーカルによる妖しい語り口も絶妙で、改めて聴いてみてもやはり英アンダーグラウンドのような音楽性だと実感出来ました。躍動するリズム辺りにブラジルらしさを感じることが出来ます。ムタンチスに共通する熱気を発しているロック・バンドだと思います。

Mano Légua
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ARTHUR VEROCAI/ARTHUR VEROCAI

ARTHUR VEROCAI/ARTHUR VEROCAI
1972年 ブラジル
『ブラジル音楽にも宇宙を感じた』

 DJから絶大な人気を誇る、という煽り文句に好奇心をそそられて購入してみたアルトゥール・ヴェロカイのファースト・アルバム。さすがに抜群に素晴らしかった。たまにはDJの流行に乗っかってみるのも悪くないなと、偉そうなことを思ってしまいました。

 アルトゥール・ヴェロカイは60年代から活躍するプロデューサー。映画音楽やテレビの音楽を始め、多くのアーティストを手掛けていたとのこと。
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 イタリアン・プログレと言われても違和感ない、たそがれたメロウ・チューン「CABOCLO」から驚き。途中、アコギのソロのバックで、電子音がループして来ます。映画音楽を手掛けているだけに音楽がとても立体的。次の「PELAS SOMBRAS」ではサックスが登場。ハードボイルドに目配せしつつ、エレガントなポップスに仕立てています。ここまでで一気に心を掴まれました。ボサノヴァ、ジャズ、プログレが交錯して、鬱屈したスペース・ロックを生み出しています。ブラジルの音楽に対しての偏見(ボサノヴァしか見えていなかった)を取り去ってくれそうな一枚。

「PELAS SOMBRAS」
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Motorgun/Motorgun

Motorgun/Motorgun
2016年 ブラジル
『けつの穴に深刻な一撃を加える』

 もうちょっと早く紹介すれば良かったかな。オリンピックは終わってしまいましたが、ブラジル出身のかっこいいハード・ロック・グループを発見しましたのでご報告いたします。
 モーターガンは、リオデジャネイロを拠点に活動するトリオ編成のグループ。 彼らのレーベル、グレイブヤードレコード(埃っぽいブルースロックバンドが多く所属するレーベル)の資料には、「けつの穴に深刻な一撃を加える」だの「脳みそにダメージを与える」だの「mega-awesome(デカくて荘厳な)ギター」だの「雷のようなドラム」だのといった、いにしえの枕詞がこれでもか、と(ケツの穴多めで)散りばめられており、期待の高さが伺えます。
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 おすすめアーティストの欄には「Lynyrd Skynyrd, Black Sabbath, AC/DC, Allman Brothers, ZZ Top, Mountain... Rock n' Roll!!!」と書かれており、その通りの音楽をやっています。すなわち、70年代ハードロックをシンプルなスタイル、デカイドラムとリフの固まりを中心としたもので再現。本作はファースト・アルバムではありますが、EPが先にリリースされており、活動自体は2010年頃からされていたようです。・・・・・・正直言ってシンプルゆえに書くことがあまりないアルバムではあります。しかしながら、AC/DCのスローブギも悪くないね、と言えるくらいにリフ中毒であれば、かなり楽しめるはず。
Hellhounds
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Joyce/Encontro Marcado

Joyce/Encontro Marcado
1969年 ブラジル
『ふらふら加減が素晴らしい。』
 本日は昨日、聴いていたジョイスのセカンド・アルバムをご紹介。
(更新された日の前日ではありませんが)

ジョイスはブラジルのSSWです。
68年にデビュー、翌年セカンドである本作発表後、音楽活動を休止。
結婚、出産を経て1975年に音楽活動を再開します。
80年代初めに発表された『Feminina』『Água e Luz』という二枚のアルバムで
イギリスを中心とした世界の音楽ファンを虜にして、
一躍、ブラジルを代表する自作自演歌手として評価されることになりました。

 ということで、入門盤として上記二枚は欠かせない訳ですが、
本作も負けずに充実の内容となっています。
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 ジャズをルーツとする転調の激しい曲調を、優雅且つ華麗に歌い上げるスタイル。
これぞジョイスの真骨頂であり、
その意味ではボサノヴァの習作であったファーストよりも本作こそが真のデビュー作であると言えます。
ボサノヴァならではの郷愁、哀愁を感じさせる(サヴタージ)メロディーは持ったまま、
変幻自在に展開していく楽曲群。
その上を撫でるようにふわふわと浮遊する歌唱。
時代柄、甘いストリングスが加わっていることで酩酊感が加わり、
サイケデリックな味わいがあるのもポイントです。

 英米ロック/ポップスの革命期に呼応したボサノヴァの返答、とも言えるのかもしれません。

『A SAUDADE MATA A GENTE』 
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