RAVEL:MA MERE L’OYE/VALSES NOBLES ET SENTIMENTALES/CLUYTENS

RAVEL:MA MERE L’OYE/VALSES NOBLES ET SENTIMENTALES/CLUYTENS
ラヴェル/バレエ音楽「マ・メール・ロワ」(全曲)高雅にして感傷的なワルツ
アンドレ・クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団
1963年 フランス
『ラヴェルで春らんまん』

 今月のクラシックはラヴェルのバレエ音楽を選びました。個人的にはラヴェル作品に触れるのは今回で3度目。優雅なラヴェルの音楽があれば、さすがの我が家にも華やかな春が来ていると実感できるというものです。※この記事は3月に書いていました。
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 ラヴェルについて:  モーリス・ラヴェルは1875年、スイス人の父、バスク人の母を持ち、フランスのバスク地方に生まれました。父親の影響で音楽を習い始め、やがて名門であるパリ音楽院へと進学。1898年(23歳)には大きな演奏会に出場し、ここで作曲家デビューを果たします。その後、1900年よりラヴェルはローマ大賞(留学試験)へ応募、奨学金を経て、更にクラシックを学ばんとするも、5回の挑戦で全て落選することに。(審査に不正があったとのこと)その後、第一次大戦と母の死を経て、作曲家としての意欲を失っていくラヴェル。不安定な中で名曲「ボレロ」を生み出すも、1927年頃より言語や記憶の障害に悩まされることになります。そのまま作曲家としての活動が思うように出来ぬまま、1937年に亡くなりました。

 「マ・メール・ロワ」について 1908年作曲。時期的にはローマ賞の落選後、一次大戦前の頃に作られたものです。フランスのおとぎ話を題材にした楽曲。元々は友人の子供達のために書いたピアノ曲で、それをバレエ音楽へと編曲したものです。緻密な楽曲構成と優雅なメロディーというラヴェルの二大要素を盛り込んだ素晴らしい曲。子供用らしく30分弱で次々に場面転換されるスピード感も見事。

 指揮、演奏は華やかさ、気高さを強調するスタイルで、ラヴェルの音楽との相性は抜群。緻密な音の重なりも存分に楽しめます。
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Blastwave/This One Goes To Eleven

Blastwave/This One Goes To Eleven
2017年 フランス
『実はAC/DCフォロワーでした』

 酒焼けした女性ヴォーカルによるロックンロール・バンド。そのキップの良さばかりに耳が行きがちですが、隙間を埋めるがごとき速弾きを見せるギターも素晴らしい。
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 ブラストウェーブ(衝撃波)は、2008年にデビューしたグループ。
Mélissa Castillon - Chant, Guitare
Fabien Castillon - Guitare, Choeurs
Cédric Etchenagucia - Basse, Choeurs
Jérémy Lavialle – Batterie
メンバーは以上4名。カスティヨン姓の二人は兄弟姉妹ですが、どちらが年長かは不明です。本作はセカンド・アルバムとなります。
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 ロックンロールと標榜していますが、音圧は完全にヘヴィ・メタル準拠のもの。分厚いリフが牽引して、リズム隊がスィングする様はAC/DCの如し。メロディーもかなりキャッチーで・・・・・・あれ、ギターは1本ですが意外と(バンド名を含めて)AC/DCフォロワーかもしれません。メロディアスな分ROSE TATTOOに近いかな。

Blastwave - Dream Vs Reality (Music Video)
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Rise and Fall of a Decade/ Rafoad Remasterised

Rise and Fall of a Decade/ Rafoad Remasterised
2017年編集 フランス
『ナイス・ゴシック』

 ニューウェイヴ、ゴシックな雰囲気プンプンのジャケに釣られました。調べてみると新譜ではないらしく、フランスで1988年から2008年まで活動していたグループの編集盤でした。
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 20年ほどの活動歴があるにも関わらず、日本語による情報はほぼ皆無。日本での知名度は無い模様です。ジャケットのイメージ通り、ニューウェイヴ、ゴシックをこよなく愛する音楽性を追求しているグループです。Thierry Sintoni、Sandy Casado 、Pierre-François Maurin-Maletのトリオ。幽玄な雰囲気がゴシックど真ん中のサンディのヴォーカルをフロントに、80年代らしい軽やかでミステリアスなシンセサイザーとエコーの波を軸としたサウンドが特徴。同時代に於けるイギリスのグループと比べると、エレクトロの本場なだけにダンサフルなところがポイント。隙間は多く、素朴さすら漂います。ベスト盤だからなのか、キャッチーな楽曲が多く親しみやすい内容でした。それぞれの楽曲が3分台ですっきりまとまっているところも良かったです。80年代のゴシック系ニューウェイヴに愛着がある方は是非。気に入るはずです。この編集盤はリマスターされていて音質も高いです。
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 2007年にメンバーの一人、ピエールが亡くなってしまい、それを切っ掛けとして翌年解散。現在は残された二人がGirl Like Youというデュオで活動しているとのこと。

Rise and Fall of a Decade- Pure Hands
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Geyster/With All Due Respect

Geyster/With All Due Respect
2017年 フランス
『今度のガイスターはディスコ趣味全開』

 フランスのガエル・ベンヤミンによるプロジェクト、ガイスターの最新アルバム。通算8枚目です。前作は3枚組の大作だったのですが、まさかもう新作が届くとは創作意欲の旺盛さに驚きます。

 自分がガイスターを知ったのは6thアルバムである2013年「Down On Broadway」でした。ブリティッシュ・ロック要素の強い作風が気に入っていたのですが、彼の本道はAORやエレクトロ・ポップのフィールドにあるようです。またガエル・ベンヤミンはプロデューサーとしても活動しているマルチ・ミュージシャン(宅録職人)なので、作品ごとに性格付け(コンセプト)がはっきり成されているのも特徴。

さて今回のアルバムですがビートが強調されており、エレクトロ・ポップ、ディスコの要素が強い音楽性となっています。
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同郷のダフトパンクにも通じるソウル、ファンク要素を加味した洗練されたエレクトロ・ポップが楽しめます。きめ細かい裏音の配置、余裕を感じさせるヴォーカル、キラキラのキーボード・サウンド、ジャズを彷彿とさせる奔放なソロパートと従来のガイスターが好きなAORファンにも楽しめる内容だと思います。ただ「Down On Broadway」が好きだった自分としてはちょっと寂しくもあり。プリファブ・スプラウトのカバーはうれしかったけれDも。

Geyster (feat. Ethel Lindsey) - Easy (Music Video)
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Aliocha/Eleven Songs

Aliocha/Eleven Songs
2017年 フランス
『素はセンチメンタル、アレンジでデカダンス』

 慎ましやかな歌い出しから、もったりとしたドラムが従い、やがてオルガンが唸るクライマックスへ。そういう曲調のオープニング・ナンバー「The Start」は、何だかジョン・レノンの「(Just Like) Starting Over」を彷彿とさせます。基本スタイルは米ロックンロールの腰の強さと、ブリティッシュ・フォークの侘しさを併せ持ったフォーク・ロック。フランス出身だけに、退廃的でロマンティックなムードが特徴的です。また、しぶとさを感じさせる低い歌声や、哀愁味のあるメロディーも魅力。

 フランス、パリ出身のSSW、アリオカ。姓はシュナイダー。映画俳優の父と、実業家兼モデルの母を持っています。
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そういうことなので、フランスでは既に男前なSSWとして人気は博しているようです。

父の知り合いだったという、カナダのケベック州出身のSSW、ジャン・ルルーと出会うことで自作自演歌手への憧れが芽生えたとのことです。ジャンと彼のバンドの助太刀を得てレコーディングを経験。これらの成果として2016年にはデビュー作を発表します。同年、フランスのパリ、カナダのモントリオール、アメリカのロサンゼルス、スウェーデンのイエテボリと音楽旅行を敢行。パリのプロデューサー、サミー・オスタやスウェーデンのドラマー、ルドウィック・ダールバーグを始めとする若い才能達との出会いによって、1枚のEPと1枚のアルバムを完成させています。今回ご紹介するのは2017年6月にヨーロッパでリリースされたセカンド・アルバム。
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 ギター弾き語りをベースにした楽曲が11曲並んでいるものの、録音はバンド編成。鍵盤の入る曲も多く、加えてヴォーカルにエコーが入るところがあるので、アコースティックながらカラフルな印象です。前述した通り、英フォーク、米ロックンロール及びそこから派生する英ロックの影響が強いサウンドです。ケベック出身のジャン・ルルーの指導が入っている成果なのか、フランスらしい、どんより、あるいはどろり、と形容するような耽美性は控えめ。その代わり俳優の父を持つからなのか、楽曲にはドラマティックで演劇的な特徴があり。特にキーボード・アレンジが神秘性を演出しており、ドイツ時代のデヴィッド・ボウイやサイケ時代のドノヴァンのような醒めた退廃ムードが楽しめます。

Sarah
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