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ハンバートハンバート/家族行進曲

ハンバートハンバート/家族行進曲
2017年 日本
『眩しい、眩しすぎる。なんだこの光は!』

 長いこと、追いかけて来たグループであるハンバートハンバートの新作。企画盤『FOLK』は除外するとして通算9枚目のアルバムです。

 『むかしぼくはみじめだった』はカントリー路線を追求したアルバムでしたが、その一方で、このグループならではの厳かさ(おごそかさ)が表面に現れていたと思います。対して新作。まず収録曲のタイトルから申しますと、「がんばれ兄ちゃん」「あたたかな手」「ぼくも空へ」「おうちに帰りたい」「ひかり」「台所」等々、アットホーム。数曲以外は文字通りのアットホームな曲が並んでいます。何故だ?何故だ?そこでアルバムのタイトルが『家族行進曲』だからか!と気が付きました。当たり前なのですが、ハンバートハンバートの持つ優しさの部分が前に出る分、厳かさや毒はほぼ無くなっているのは寂しい。パーカッション、ペダルスティール、フィドルなどによる演奏は柔和でほのぼのとしており、リズムは緩やかです。これまでになくポップな音作りがされていると感じました。平和、幸せが歌われており、新しいファンにも受け入れやすそう。
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 ただ個人的には物足りません。もちろん、家族行進曲のテーマと僕の環境が相容れないから、ということはあります。(あります)しかし何より、僕はハンバートハンバートの不遇な環境での忍耐、毒を歌った曲が好きだったことが判明しました。これまでも本作に収録されているようなピースフルな曲はあったのですが、忍耐、毒のテーマと混ぜ合わされて提供されていたのでほのぼの出来たのです。これだけ幸せナンバーが固まって来られると、自分が長男だったことを思い出す「がんばれお兄ちゃん」を筆頭に、色々と精神的にダメージを追ってしまう次第。不遇ソングの名手、佐藤良成のメイン・ヴォーカルは本編にはありません。ボートラ的に置かれている、前作収録曲の「横顔しか知らない」の別バージョンが、自分にとってはオアシス。
 
 わたしには眩しすぎましたが、ハンバートハンバートの親しみやすい魅力が凝縮したアルバムです。自分の家族の場合に置き換えてしまうぐらい、丁寧な描写の歌詞も素晴らしい。

 リハビリにクニ河内の『僕の声が聞こえるかい』でも掛けようかな。

がんばれ兄ちゃん
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関連するタグ 日本フォークポップス

Deb Talan/Lucky Girl

Deb Talan/Lucky Girl
2017年 アメリカ 
『早口ヴォーカルと爽やかなキーボードの絡み合いが相性抜群』

 バンブーダンスで聴いたような乾いた音の小気味よいリズムと、アコギ、アコーディオン、ハーモニカなどによるアコースティック・アンサンブルによるトラッド由来のメロディーの組み合わせがキラキラとした幻想的な世界観を生み出しています。シンセサイザーや打ち込みも使っており、サウンドはカラフルです。
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 本作はマサチューセッツ州で活動するウィーピーズというフォーク・デュオの片割れ、デブ・タランのソロ・デビュー作。ウィーピーズは2001年にデビュー。これまでに5枚のアルバムをリリースしています。グループではオルガンやシンセの響きを利用したフォークをやっており、穏やかで柔らかなメロディーと男女混声のハーモニーが素晴らしい。
いくつかの曲を聴いただけですが、ソロでも同傾向の音楽をやっている模様。敢えて違いを挙げれば、リズムに躍動感がありポップ度が上がっている印象です。またヴォーカルに若干のエフェクトが掛かっており、且つ落ち着いた歌い口であることもポイント。高低を使い分けたクールな歌声は良く通っており魅力的です。カントリー度は低く、地味ながらしっかりポップな楽曲が揃っているので聴きやすい。
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Growing Up
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石指拓朗/ねむの花咲く その下で

石指拓朗/ねむの花咲く その下で
2017年 日本
『多重録音でも侘しさ満点』

 ちらほらと素晴らしい評判を聞いていたフォーク・シンガー石指拓朗の新作を購入しました。東京を拠点に活動しており本作で2枚目のアルバムとなります。
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 カントリー、ブルースの影響が伺える渋いギターに、日常の風景を描写した歌が乗るギター弾き語りによるフォーク。バンジョーやマンドリンといった伴奏も全て自分で担当。多重録音で収録しています。テープ早回しも1曲あり。この辺りは新世代ミュージシャンならでは、ですが現代的要素はそのくらいです。

 歌は力みが無く、軽やか。70年代日本語フォークの面影があり、高田渡や近年CD化された、ひがしのひとしを彷彿とさせます。なるほど、評判通りの素晴らしいフォーク・シンガーだと思いました。1回ライブを見てみたい。

汽車よ
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James Vincent McMorrow/True Care

James Vincent McMorrow/True Care
2017年 イギリス
『電子音とソウルが同居した、21世紀型SSW』

 アイルランド出身SSWによる4枚目のアルバム。以前、1STと2NDをこちらで紹介しましたが去年サードがリリースされていた模様。約8カ月と短い間隔で新作がリリースされました。
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 シンセサイザーと緩やかなビートに浮遊するファルセット・ヴォーカル。フォーク、エレクトロ、ソウルが渾然一体となった音楽をやっており、ジェイムス・ブレイクにも通じるスタイルだと思います。

 セカンド以降、顕著となったエレクトロ要素も完全に馴染んでいます。ジャンルレスで音楽を気ままに楽しむ姿勢が作品に反映されている印象。これまで電子音たっぷりの音楽性ながら、ヴォーカルにはエフェクトが掛かっていなかったのが彼の拘りでした。しかし本作からはいよいよ一部の曲でヴォーカルエフェクトも導入。もちろん、艶やかなヴォーカルの表情はそのまま楽しめるものの、ちょっと寂しい気持ちもあり。他に新要素としては黒人音楽らしいトライバルな曲が登場したことでしょうか。ポコポコと泡立つリズムが新鮮です。
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True Care
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古川豪/羅針盤で星占いはできない

古川豪/羅針盤で星占いはできない
1973年 日本
『トラッドは古くならない』

 現在でもユニオンやタワー・レコードなどで行われている、独自のCD再発企画。2003年、アマゾンが企画したURC再発リクエスト企画もそういった独自再発企画の一つだったのでしょう。ファン投票で選ばれただけあるマニアックなラインナップが揃っていたのですが、オムニバス盤が多めの構成。その中に本作や五つの赤い風船の『五つの赤い風船’75』『ボクは広野に一人居る』中川イサト『1970年』といった作品が混ざっていました。自分がこの存在を知ったのは売り切れてプレミアが付いた後だったので、かなり悔しかったです。URCの再発はグリーンウッドが頑張ってくれており(もう終わりが見えてきたっぽい?)、五つの赤い風船も再発されましたが・・・・・・上記のアルバムは一度再発されたということでオミットされています。残念ながら再発時に入手できなかったので、コツコツと納得できる中古を探索していた訳ですが、この度本作を手に入れることが出来ました。(後は『ボクは広野に一人居る』だけであります。)

 京都を拠点に活動するフォーク・シンガー、古川豪のデビュー作。ちなみに本作の前に自主盤があり。初めて聴いてみるといくつかあるセックスソングの印象が強烈ですが、死についての哲学的な歌、京都の暮らしの歌も収録されています。バンジョー、ダルシマーも操るギター弾き語りで、一部ではフィドルも参加。既にセカンドのレビューでも触れていますが、アイルランド民謡のカバーが1曲収録されている他、アメリカ民謡の影響を強く受けた楽曲が多いです。セックスソングでの愛嬌を含めて、全編でトラッドソングらしい泥臭い反骨精神が貫かれています。1973年のURC、ここにありという風情。ファーストはギタリストの弾き語りをベースにしており、セカンドはアレンジが凝っています。どちらも素晴らしい。

※ これを書いた後で、10月頃に紙ジャケで本作がcd化されることを知りました。
まぁそういうものですよねー。

トカトントン/古川豪
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