タカダスマイル/ぼくのちっぽけなロックンロール

タカダスマイル/ぼくのちっぽけなロックンロール
2016年 日本
『会ったことがないのに沸いてくる親近感』

 京都出身のフォーク・シンガー、ロックンローラー、タカダスマイル。プロフィールを見てもいつから始めたのか書いてありませんでしたが、2008年のyoutube動画はあったので、それ以前に活動を開始していると思います。2014年にファースト・アルバム『世界平和とオムライス』をリリース。本作はそれに続く6曲入りのミニアルバムです。
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 カントリー、フォークをベースにしたメロディーにおセンチな歌詞を乗せる、シンプルなフォーク・ロック。各曲ともゲストでギターまたはキーボードを迎えて録音されています。高音域でちょっと苦しそうに震えるヴォーカルは、たまの知久寿焼をハスキーにしたような味わいがあり、センチメンタルを増幅させます。年齢は定かではありませんが、中年に差し掛かるころから音楽活動を始めて、自分の内面を赤裸々にさらけ出す堂々たる開き直りが眩しいです。個性を探そうともせず、自分の気の向くまま歌っているだけなので、地味で素朴な内容。だからこそ、何度か聴いただけで、「会ったことがないのにこの人と3時間くらいサシで飲み交わしたような」親近感が沸いてくるのでしょう。応援したくなります。

ぼくのちっぽけなロックンロール
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池間由布子/明るい窓

池間由布子/明るい窓
2017年 日本
『もう一度ライブに行かねば』

 去年はやっと彼女のライブを観ることが出来ました。ただ、その日は疲れていたのか、はたまた彼女の歌があまりに心地よかったせいか、演奏の間3分の1くらい、うたた寝状態でした。もう一度観に行こうにも情報が手に入らず・・・・・・そして

 突然リリースされた池間由布子の新作。セカンド・フル・アルバム。またもやモノクロのジャケットなのです。
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 今回のアルバムはベテラン・エンジニアの大城真によるバックアップを受けて制作されています。ギター弾き語りを中心としつつも、12弦ギター、キーボード、ベースなどいくつかの曲でセッション・プレイヤーが参加しています。また植野隆司の曲を2曲カバー。
ボロンボロンとつま弾かれるギターは相変わらずながら、呟くような歌は独り言のような孤独な雰囲気を纏っています。研ぎ澄まされた鋭さがある曲と、弛緩した穏やかな曲が交互に配されており、この穏やかな曲の時に油断しているとすやすや眠れそうな感じがあり。コツコツと聴き込んで再びのライブ情報を待つとします。

『ぜんぶウソみたい』
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Michael Chapman/50

Michael Chapman/50
2017年 イギリス
『祝デビュー50年』

 ロイ・ハーパーやジョン・マーティンのアシスタントを経て1967年にデビュー。以来、サイケデリックなフォーク、フォーク・ロックを探究しているSSW、マイケル・チャップマン。

 自分は初期のハーヴェスト~中期のデッカといった70年代中期までの地味なSSW時代のアルバムを愛聴しております。サイケデリックな味つけがされていながらポップで聴きやすい。そして枯れた歌声が渋い魅力を放っています。
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 そんなマイケル・チャップマンが2017年にもアルバムを出していました。手元の資料で調べたところ、恐らく通算37枚目のアルバムだと思います。ただ自主製作盤やライブ盤も多いので、前後ということでご容赦ください。タイトルの50は、デビュー50年ということでしょう。
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このおじいちゃん、かっこいい!

全10曲。概ね5分台で曲がまとめられています。原点回帰ということなのでしょうか、ギター弾き語りによるシンプルなサイケデリック・フォークをやっています。歌声は元々枯れていたのであまり変わっていない印象ですが、晩年期のレナード・コーエンのような凄みがあり。また、サイケデリックなギターとキーボードの絡み合いはスペーシーでスケールが大きいのも特徴です。マイク・オールドフィールドやピンク・フロイドのような空間演出を感じることが出来ます。かっこいいアルバムです。
76歳となったマイケル・チャップマン。若い時代にアシッドな文化に心身どっぷり漬かっていたであろう彼ですが、長生きしてアルバムを出してくれると嬉しい。

That Time Of Night

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Billie Marten/Writing of Blues and Yellows

Billie Marten/Writing of Blues and Yellows
2016年 イギリス
『2016年度の注目新人フォーク歌手』

 可憐でセンチメンタル、それでいて落ち着いた歌唱と清々しいピアノが魅力的。ノースヨークシャー州リポン出身の女性シンガーソングライターによるデビュー作をご紹介。
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 デビュー前からサウス・バイ・サウス・ウエストでのパフォーマンスなどで人気を集め、2016年度の注目新人と期待されていた彼女。日本でも既に多くの音楽ファンが取り上げています。僕自身もアルバム発売を楽しみにしていました。
マッシヴ・アタックやポーティス・ヘッドを始めとするブリストル・サウンドを彷彿とさせる、耽美的なポスト・ロック・サウンドが特徴で、ドラマティックな音作りがされています。
 
 しかしベースにあるのは、ジョニ・ミッチェルの『BLUE』辺りの音楽性に感化された70年代英フォークでしょう。例えばシェラ・マクドナルドやジュリエット・ローソンのようなミュージシャンが近い気がします。ジャジーな要素を吸収した英フォークです。
デラックス・エディションにはデモ音源が収録されており、そちらではギター弾き語りによる素朴なパフォーマンスを聴くことが出来ます。その音源からも生粋の英フォークから影響を受けたことが伺えました。
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 エコー、ストリングスを中心とするサウンド・プロデュースは所々、ちょっと大げさに感じるところがあり。前述したデモ音源を聴いた後では尚更俗っぽく感じてしまいます。ただオーバー・プロデュース気味な部分を差し引いても、彼女自身の魅力は十分伝わります。マズ・オコナーと共に英フォークの女神として、シーンを引っ張っていってくれれば、と思います。

Billie Marten Lionhearted (Acoustic Video)
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杉野清隆/メロウ

杉野清隆/メロウ
2008年 日本
『これがメロウか』

 メロウ、と言われると叙情や哀愁、穏やかな音楽を連想してしまうのですが、本来は豊潤な、甘美な、という意味の形容詞なのですね。先のイメージはメロウな夕焼けが似合う音楽、というところから連想されたものなのでしょう。とにかく分かりやすいタイトルです。
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 金沢を拠点に活動している杉野清隆によるセカンド・ミニ・アルバム。メロウというイメージそのままのメロディーは、ルーツにカントリーを持っているのが特徴。大サビのCメロまでドラマティックに盛り上げる凝った作曲が素晴らしい。そしてギターは、一音を伸ばして揺らす。更にダンディな歌声。たまに無償に聴きたくなるアルバムです。

馬/杉野清隆 in メロメロポッチ
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