中川イサト/鼻歌とお月さん

中川イサト/鼻歌とお月さん
1976年 日本
『こんなふうに全力で引き留められたい』

 中川イサト周辺のCDを再発しているシールズ・レコードの盤。存在は知っていたものの、ライブ盤ということもあり長い間後回しにしていました。

 「1975年12月。「もう音楽をやめたい」ともらした中川イサトの元に集まった加川良、金森幸介、大塚まさじ、西岡恭蔵などのたくさんのミュージシャン。」と紹介文にあるので、中川イサトを励ますために集まった面々によるコンサートの模様を録音したものと思われます。上記メンバーの他、いとうたかお、シバ、長田”タコヤキ”和承が参加。さすが中川サイト、と思わせる豪華メンバーが集まっています。なので正確にはオムニバス盤。
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ジャケットはシバ。正直に言おう。分からないぞ!

 中川イサトの楽曲を中心に、各人の持ち寄った曲を合わせて構成された2枚組22曲という圧巻の物量。ただ代わる代わる登場する個性的な歌い手たちが楽しく、飽きることなく聴き通せてしまいます。趣旨の通り、中川イサトを囲む雰囲気も最高。会場も暖かい。ご本人のパフォーマンスもさることながら、中川イサトの曲を金森幸介や西岡恭蔵、いとうたかおが歌うテイクはとても貴重で聴き応えあり。70年代の日本語フォークが好きならば、楽しめること請け合いです。
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Water Into Wine Band/Hill Climbing For Beginners

Water Into Wine Band/Hill Climbing For Beginners
1974年 イギリス
『取って置き英フォーク』

 2000年に再発されたウォーター・イントゥ・ワイン・バンドのファースト・アルバム。ちょうど英フォークにどっぷり漬かっていた頃にリリースされたこともあり、愛着のある一枚です。愛着がありすぎて、色々な人に貸していたのですが、最後に貸した人と連絡が取れない状態になってしまい・・・・・・それから10年ほど。最近、買い直した次第です。
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 ケンブリッジ大学の同級生によって結成されたグループで、ヴァイオリン、アコギ2本、ベースという4人編成。ドラムレスの編成ながら、セッション・プレイヤーでドラムは入っています。他、フルートもあり。本作はファーストでMyrrhレーベルからリリースされました。クリスチャン系のレーベルとして知られています。

 英フォーク・ファンが夢想するような、牧歌的な世界観が展開されています。少しアシッドな感じもあり。ヴァイオリンがソロを取る場面では演歌の如く、情緒を強調したりする反面、ヴォーカルはしっとり穏やかに歌い上げており、ハーモニーも優しい。プログレに影響を受けたと思しき、ドラマティックな曲展開も素晴らしい。

 上記したKissing Spellの再発盤では2枚組となっており、英国盤、米国盤をそれぞれ収録。どちらも収録曲、曲順が同じなのですが演奏が異なっています。昔はそれぞれの国柄にこじ付けて聴こうとしていたのですが、やっぱり無理筋のようです。微妙な違いを楽しめればいいかと思います。

Stranger In The World
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MacMurrough/ MacMurrough

MacMurrough/ MacMurrough
1974年 イギリス
『地味目なブリティッシュ・トラッドもいいよね』

 本作は、アイルランドで活動していたフォーク・グループ、シェイド・オブ・マック・マーロウが名義を縮めてリリースしたセカンド作。ファースト、セカンド共にKISSING SPELLよりCD化されています。ファーストは未聴。原盤はポリドールです。
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 男性1人、女性2人という構成で12弦ギターやリュート、グロッケンなどを操るほか、ゲスト・プレイヤーによるコンサーティーナ(アコーディオンの仲間)も1曲で登場します。

 無伴奏もの程ではありませんが、地味目なブリティッシュ・トラッドをやっています。収録曲は全て伝承歌。3人の端正なコーラスは見事で、物悲しいメロディーと共に穏やかな気持ちにさせてくれる音楽です。


Bold William Taylor
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FARAWAY FOLK/SEASONAL MAN

FARAWAY FOLK/SEASONAL MAN
1975年 イギリス
『どんより英フォークの隠れた佳作』

 以前ビッグピンクで再発されたファラウェイ・フォークの2ndを紹介していました。今回はそれに続き、4thが再発されました。

 ファラウェイ・フォークは2組の男女で結成されたフォーク・グループとして、1969年に結成。2ndリリース後に1組の男女が脱退することになり、メンバーが入れ替わっています。
Faraway Folk - [1975 ENG] - Seasonal Man

 英フォークのガイド本ではたびたび掲載される本作。2ndでのほのぼのとした空気感は無く、峻厳な寒さを感じさせるシリアスなエレクトリック・フォークとなっています。解説では初期スティーライ・スパンなどが引き合いに出されていますが、それも納得の硬派路線。タブラやリコーダーも入っています。1975年という時期を考えると、数年遅めの音楽性という印象ですが、英フォーク好きにはど真ん中に突き刺さる魅力的なアルバムです。

Coming Back To Brixham
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Beans On Toast/Cushty

Beans On Toast/Cushty
2017年 アメリカ
『ジェイ・マカリスター、誕生日おめでとう』
 
 エセックス出身のSSW、ジェイ・マカリスターが名乗っているステージ・ネーム。
それがビーンズ・オン・トースト。当ブログで扱うのはこれで2回目となります。前回の記事では毎年12月1日(彼の誕生日)に新譜を出す、と書いていまして、今調べてみると2016年の12月1日にも『A Spanner In The Works』というアルバムをリリースしておりました。本作で通算9枚目となります。
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 息継ぎをしないでどこまで一息で歌えるか、というような言葉を浴びせ続ける歌唱法が特徴。ポエトリーディングにも近いです。抑揚をつけた哀愁味のあるメロディーを、枯れた歌声とアコギで彩っています。他にはピアノ、ハーモニカを使用。初期ボブ・ディランにも通じる穏やかながら反骨心を感じさせる歌です。
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 自分が聴いた前々作と比べても区別がつかないほど、同じことをやっています。ちなみに前々作は日本盤もリリースされていましたが、本作はなし。輸入盤がタワーで取り扱っているのみです。日本盤が歌詞対訳付きでリリースされたなら、より深く楽しめるのに、と思う次第。
Beans on Toast - Secret Garden Party (SGP)
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