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Maxayn/Reloaded: Complete Recordings 1972-1974

Maxayn/Reloaded: Complete Recordings 1972-1974
2017年(1972年~1974年録音)アメリカ
『スライっぽさ満載の熱いソウルが楽しめる』

 昨年再発された、アメリカのソウル・グループ、マクサンのアルバム集。カプリコーン・レーベルからリリースされた3枚のアルバムが収録されています。
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 表題の通り、1972年から1974年に掛けて活動していた4人組。キーボード奏者兼プロデューサーとして、フランク・ザッパやザ・フー、グラント・グリーンなどとジャンルを超えて交流、活躍していたアンドレ・ルイスが中心となり、結成。フロントに据えた女性ヴォーカル、マクサンは彼の妻です。

 力強いシャウトが印象的なマクサンがバンドを牽引。小刻みに打ち付けるリズム・セクションと、キンキンと跳ねるキーボードによる、熱っぽいバンド演奏は、マクサンのヴォーカル・スタイルと相まってスライの影がチラつく印象。オリジナル曲の他、カバーもいくつか収録されており中でもストーンズ・ナンバーは面白かったです。ゴスペル要素を強めて静と動の対比をくっきりさせた「You Can't Always Get What You Want」、モッサリとした重量感を強調した「Gimme Shelter」どちらも聴き応え十分。
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Samantha Leon/Samantha Leon

Samantha Leon/Samantha Leon
2017年 アメリカ
『今更紹介したい2017年度のEP』

 ニューヨークの新人SSW、サマンサ・レオンのデビューEPをご紹介。

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報が少ないのですが、ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちとのこと。Amos Lee, Fleetwood Mac, Sarah McLachlan, Alanis Morissette, Corinne Bailey Rae, Mariah Carey, and Adeleといった音楽を聴いて来たそうです。このデビューEPを発表して以降、アメリカをツアー中です。

 フォーキーなアコースティック・ソウルをやっています。自由奔放な節回しと、爽やかで深みのある歌声。伸び伸びとしたファルセット・ヴォーカル。初期のリンダ・ルイスを彷彿とさせる瑞々しい魅力があります。乾いた打音で弾むパーカッション、細やかな指使いのアコースティック・ギターを始め、演奏陣も充実。

 楽曲、パフォーマンス共に高水準でデビューEPとは思えない内容なのですが、日本はもちろん、本国アメリカでもノーマークの模様。今、聴くべき新人です。EPですが7曲入っています。

Samantha Leon - Bright Yellow Shoes (Official Music Video)
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Sunny & The Sunliners/The Missing Link

Sunny & The Sunliners/The Missing Link
1970年代初頭 アメリカ
『ゴツいインスト』

 チカーノ(メキシコ系アメリカ人)・ソウル歌手の大家として知られる、サニー・オズナと、そのバック・バンド、サンライナーズの名義でリリースされたアルバム。それでありながら、歌は一切なし。全てインストで構成されています。発表された年代も定かではなく、レア・グルーヴ界隈では、人気が高い一枚。2017年、レコード・ストア・デイでの復刻を経て、輸入盤、国内盤がレコードでのみ再発されました。
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 ジェームス・ブラウン「Soul Pride」、ミーターズ「Cissy Strut」ジ・インクラインズ「Pressure Cooker」といったソウル・ナンバーに混じって、ラテン・ジャズ、クンビア、ポルカと様々な音楽ジャンルの古典が収録されています。当時バーベキュー・パーティなどで演奏していたものを収録しているということで、徹頭徹尾、陽気なグルーヴが楽しめる内容となっています。

 中盤で若干の中弛みを感じたものの、アップテンポでの爆発力は素晴らしい。洗練を感じさせない、ゴツゴツした演奏もポイント。

Cissy Strut Sunny & The Sunliners
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Grady Tate/After the Long Drive Home

Grady Tate/After the Long Drive Home
1970年 アメリカ
『ジャズ・ヴォーカルかソウルか、は置いておいて』
 
 昨年に当たる2017年10月に亡くなられたジャズ・ドラマーにしてヴォーカリストでもあるグラディ・テイト。自分は全く聴いたことが無かった、と思っていたら何故かジャズのGのところから『After the Long Drive Home』の紙ジャケを発見。あれ?いつだ。いつ買ったのだろうか。ともあれ、この機会にじっくり聴いてみよう。
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 グラディ・テイトは1932年ノースカロライナ州ダーナム生まれ。1963年にニューヨークへと移住。ヴァーヴ・レーベルでのジミー・スミスやウェス・モンゴメリのアルバムなど、多くの作品にドラマーとして参加しました。1960年代後半のジャズは、オルガン・ジャズやフュージョン、ソウル・ジャズなど洗練の時代を迎えていた時代。グラディ・テイトはグルーヴを保つことに集中する職人気質のスタイルで、多くのジャズ・プレイヤーから支持されていたとのこと。特にクインシー・ジョーンズの諸作品での演奏によって彼の名前は知れ渡りました。元々、ジャズ・ドラマーとして活動していた彼ですが、名歌手ペギー・リーのセッションに参加した際、彼女より特に勧められてヴォーカルを録音。これをきっかけとして、ジャズ・ドラマー兼ヴォーカリストとして活動することになります。

 『After the Long Drive Home』はソロ2作目に当たるアルバム。ハロルド・ホィーラーがプロデュース(アレンジと指揮)を担当しています。冒頭、ハロルド・ホィーラーによる牧歌的なオーケストラのテーマが入り、意表を突くスタート。2曲目(タイトル曲)からは、渋く辛口のディープ・ソウルなヴォーカルが炸裂。流麗なエレピ、ストリングスも相まって、王道ソウルにしか聴こえない音楽性。そんな中、軽やかに跳ね、グルーヴするドラムとベースだけは確かにジャズ。ヴァン・マッコイやランディ・ニューマンの楽曲を取り上げており、都会的なソウル・ジャズが楽しめるアルバムです。

After The Long Drive Home
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Elise LeGrow/Playing Chess

Elise LeGrow/Playing Chess
2018年 カナダ
『チェスやっています。』

 青い写真がブルーノートを想起させます。カナダ、トロント出身のジャズ・ヴォーカリスト、シンガーソングライターであるエリス・ルグロウのデビュー・アルバムをご紹介。
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 彼女は1987年、6月生まれの30歳。フェイスブックのお薦めミュージシャンの欄には、Janelle Monae; Adele; Amy Winehouse; Ray Lamontagne; Martha Reeves & the Vandellas; Bill Withers;Nina Simone; Dinah Washington と記されており、新旧織り交ぜつつ、ブラック・ミュージックに造詣が深いことを伺わせます。なお、ビル・ウィザーズのカバー動画がありましたので参考までにどうぞ。2009年、地元であるNXNE音楽祭に出場することになり(詳しい経緯を探せませんでした)、それを切っ掛けとしてカナダのSony/ATV Music Publishingとの契約に成功。2012年にデビュー・シングルとして「No Good Woman」を発表。トップ10に13週残るヒットとなりました。2016年にはアメリカのレーベル、S-Curve/BMGとも契約し、デビュー・アルバムの制作を開始。2年を経て発表されたのが本作となります。

 タイトルから「チェスを楽しむ為の音楽」という意味かな、と思っていたのですが、これはチェス違いでした。ブルースの名門レーベル、チェスの楽曲をカバーしたアルバムとのこと。「チェスの曲、やっています。」でしたね。シンガーソングライターのデビュー作で、いきなりカバー・アルバムとは、意表を突かれました。

 メインのプロデューサーにはスティーヴ・グリーンバーグが起用されています。デュラン・デュランやベティ・ライト、最近ではダイアン・バーチのセカンド(これは賛否両論作ですが)での仕事で知られている人物。ハンソンやジョナス・ブラザーズなど、多くのミュージシャンを見出したことでも有名です。他、マイク・マンジーニ(ex.エクストリーム)とベティ・ライト(60年代から活動するソウル・シンガー)の二人が、プロデューサーとして名を連ねています。近年はこの3人で組んで仕事をしているようです。
主なゲストとして、ルーツよりクエストラブ(パーカッション)とキャプテン・カーク・ダグラス(ギター)、そしてダップ・キングスがセッションに参加。豪華メンツです。

 情感たっぷりで、伸び伸びとした歌い振りが素晴らしい。支えるのは、シャカポコとしたリズム(突き抜けるようなドラム)に、軽やかなピアノが印象的なバンド演奏。楽曲に合わせてファンキーにも、ムーディにも対応しています。全曲カバーということで、アレンジにも注目したいところですが、正直なところ、数曲しか原曲を覚えていない有様なのでじっくり聴き比べていこうと思います。ただ、原曲の雰囲気を残しつつ、ダイナミックに仕上げている印象。エリス・ルグロウの色気ムンムンの歌い方にハマりつつも、こんなにいい曲があるのか、と改めて思い知らされました。かっこいい。

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 収録曲目は以下の通りです。(尚、10曲目はエタ・ジェイムスの曲)試しにスポティファイなどで聴くときの参考にして、オリジナルと比べて楽しんでください。でも、これは買いです!待っていれば日本盤も出るでしょう。

1. Who Do You Love Written-By – Ellas McDaniel
2. Hold On Written-By – J. L. Webber, Leonard Caston
3. You Never Can Tell Written-By – Chuck Berry
4. Over The Mountain, Across The Sea Written-By – Rex Garvin
5. Searching For My Love Written-By – Bobby Moore
6. Long Lonely Nights Written-By – Bernice Davis, Douglas Henderson , Lee Andrews, Mimi Uniman
7. Going Back Where I Belong Written-By – Bob Geddins
8. Rescue Me Written-By – Carl Smith (2), Raynard Miner
9. You Can't Judge A Book By The Cover / You Can't Catch Me Written-By – Chuck Berry, Willie Dixon
10. Can't Shake It
11. Sincerely Written-By – Alan Freed, Harvey Fuqua

Who Do You Love (Live Video)
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