Amber Mark/3:33am

Amber Mark/3:33am
2017年 アメリカ
『21世紀型エキゾチックソウル』

 ジャズ、ソウル、エレクトロといったジャンルを融合した新世代R&B。彼女の場合、インド音楽やゴスペル、ラテンの要素が加わっており、民族音楽色が濃いことが特徴です。スペーシーでありながら、とても土着的な聴き心地は新鮮。

 アンバー・マークは宅録型のシンガー・シングライター。マンハッタン在住。ジャマイカとドイツのハーフとして生まれ、現在23歳です。2016年からサウンドクラウド上で制作した音源を公開しており、スポティファイにてチャート上位に浮上。今回のデビューEPリリースへと繋がりました。
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 自身の音楽性をR&Bトライバルと表明しており、民族色の強さを個性としています。太くクリーンな歌声による、爽やかなメロディーが民族色の強いリズムと絡み、カラフルなR&Bサウンドを生み出しています。ヴォーカルの加工、打ち込みも含めて、パソコン上でトラックを繋ぎ合わせたプログラミングが施されており、クリーンで洗練されたサウンドが印象的。鮮やかさは格別なのですが、トライバルを売りにするならばもう少し生々しさを残しておいても良かったかも。シャーデーとケイト・ブッシュを掛け合わせたような楽曲群は素晴らしい出来栄えで、全6曲のEPとしては大満足。次のフル・アルバムにも期待です。

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Monsoon (Official Video) ft. Mia Mark

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James Vincent McMorrow/True Care

James Vincent McMorrow/True Care
2017年 イギリス
『電子音とソウルが同居した、21世紀型SSW』

 アイルランド出身SSWによる4枚目のアルバム。以前、1STと2NDをこちらで紹介しましたが去年サードがリリースされていた模様。約8カ月と短い間隔で新作がリリースされました。
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 シンセサイザーと緩やかなビートに浮遊するファルセット・ヴォーカル。フォーク、エレクトロ、ソウルが渾然一体となった音楽をやっており、ジェイムス・ブレイクにも通じるスタイルだと思います。

 セカンド以降、顕著となったエレクトロ要素も完全に馴染んでいます。ジャンルレスで音楽を気ままに楽しむ姿勢が作品に反映されている印象。これまで電子音たっぷりの音楽性ながら、ヴォーカルにはエフェクトが掛かっていなかったのが彼の拘りでした。しかし本作からはいよいよ一部の曲でヴォーカルエフェクトも導入。もちろん、艶やかなヴォーカルの表情はそのまま楽しめるものの、ちょっと寂しい気持ちもあり。他に新要素としては黒人音楽らしいトライバルな曲が登場したことでしょうか。ポコポコと泡立つリズムが新鮮です。
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True Care
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Chastity Brown/Silhouette of Sirens

Chastity Brown/Silhouette of Sirens
2017年 アメリカ
『ゴスペル、アイルランド、ブルースが同居』

 アフロヘアの女性ミュージシャンが登場すると、ついついチェックしてしまう。やはり華やかで目立ちますから。そしてチャスティティー・ブラウンを見つけました。
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 1982年、アイルランド人の母とアフリカ系アメリカ人ブルース・シンガーの父の間に生まれたチャスティティー。ニューハンプシャー州北部で生まれ、テネシー州ユニオンシティで育ち、現在はミネソタ州ミネアポリスを拠点に活動しています。幼い頃からアイルランド民謡やブリティッシュ・トラッド、フォークを聴きながら、同時に父の影響でブルースにも親しんだ彼女。礼拝堂でのゴスペル・コーラス隊の中でドラムとサックスを演奏して育ったそうです。多様な音楽経験と何度かの移住を経て、豊かなバックボーンが形成されているようです。彼女は影響を受けたものとして、ジェイムス・ボールドウィン、カーソン・マッカラーズという二人のアメリカ人作家を挙げています。2007年にアルバム・デビュー、本作で5枚目になります。現在はマイケル・キワンカ、ダー・ウィリアムズ、ラウル・ミドン、レオン・ラッセル等のライブ・ツアーをサポートするなど、知名度を獲得。ミネアポリスにてベスト・フォーク賞を受賞したことを始め、いくつかの音楽賞も受賞。名前が売れてきています。
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 壮大で力強いゴスペル要素、図太いブルース・ロック、枯れたカントリー・ギターといった要素が同居。またシャッフル、ビート・ナンバーもいくつか収録されており、ブリティッシュ・ロックからの影響も感じさせるのがポイントです。哀愁を帯びたメロディー、パワフルな歌唱共に申し分なく伸び伸びとしたアメリカン・ロック作として楽しめました。

Carried Away
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Vintage #18/Grit

Vintage #18/Grit
2017年 アメリカ
『パブでの演奏を聴いているかのような親しみやすいヴィンテージ・ソウル』

 ジャンルがソウルであり、グループ名にヴィンテージが付くとなれば、そういうこと。ヴィンテージ・ソウル・グループが再び誕生しております。

 恰幅の良いおばさまはティナ・ターナー風白いワンピース(セクシーかどうかと言われればセクシーと答えざるを得ない。)でバッチリ決めています。なるほど、ココ・テイラーやティナ・ターナー、エタ・ジェイムス、三大キングなどに影響を受けているとのこと。中にエイミー・ワインハウスの名前もあり、黒人音楽が継承されている様が想像出来てうれしいです。
ヴィンテージ#18は、2013年に結成された4人組ソウル・グループ。ノーザン・ヴァージニアを拠点に活動しています。今回のアルバムがデビュー作。
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 一般的なヴィンテージ・ソウルではグルーヴを大切にしている傾向がありますが、彼女達の場合、ブルースへの比重も大きいのが特徴。またギタリスト、ビル・フォルターはジミ・ヘンドリクス・フォロワーであり、絡みつくような情熱的なギターソロでサイケデリック感を醸し出しています。ロビン・カプサリス嬢によるヴォーカルは声域こそ狭いものの、重厚でふくよかな味わいがあり。他のヴィンテージ・ソウルにある熱狂こそ控えめなものの、パブでの演奏を聴いているかのような気安さが魅力と言えます。
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Vintage#18 - "Poor Me" (Official Music Video)

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PJ Morton/Gumbo

PJ Morton/Gumbo
2017年 アメリカ
『ナイス!スティーヴィー・ワンダー・フォロワー』

 スティーヴィー・ワンダーのフォロワーにして、正統派のニューソウル。絹の歌声と華麗なストリングスによる柔和なメロディーが、トロトロにしてくれます。

 PJモートンという方は新人SSW、だとばかり思っていましたが無知でした。マルーン5の鍵盤奏者だったのですね。2013年、ニューオリンズの地にマルーン5のツアーで初めて訪れたPJモートンは、音楽の坩堝である熱気に圧倒されソロ活動を決意。フェイスブックの影響を受けたミュージシャンの欄にはシンプルに「スティーヴィー・ワンダー」としか書いておらず、色濃く影響されたことが伺えます。2013年にはそのスティーヴィー・ワンダーとの共演を果たした「Only One」を発表しグラミー賞のベスト・オブ・R&Bソングを獲得。以降、楽曲制作を続けた成果がこのデビュー作になりました。
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ジャケも正しく70年代ニューソウルを彷彿とさせます。

 スティーヴィー・ワンダー(三部作時代)が乗り移っているかのような、そのまま過ぎる音楽性が潔い。実際の所、ラップを披露していたり、アフロっぽいリズムを取り入れたり、一部でのボイス・エフェクトなど、異なる部分もあるのですが、それでもアルバムを聴きとおしてみると「スティーヴィー・ワンダー」という単語だけで十分だと感じます。これは褒め言葉です。「この曲のオリジナルってスティーヴィー・ワンダーだよね、なんて曲だっけ?」という人が現れても驚かない完成度。ラストに入っているのがビージーズのカバー「How Deep Is Your Love」(愛はきらめきの中に)も「らしい」仕上がりになっています。

CLAUSTROPHOBIC feat. Pell
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