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Marem Ladson/ Marem Ladson

Marem Ladson/ Marem Ladson
2018年
『コーヒーショップからお手軽デビュー』

 ジャカジャカとざらついたギター・サウンドにエコーを掛けた気怠いヴォーカル、幻想的なシンセサイザーが絡み合う、サイケデリックなポップス。暗く沈み込むようなサウンドが大勢を占めますが、メロディーの美しさが光っています。
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 新人シンガーソングライター、マレム・ラドソンのデビュー作。アメリカとガリシア(スペインの自治区)のハーフとして生まれた、スペイン系のミュージシャンです。ガリシア州オーレンスにて、1997年に誕生。早熟であった彼女は9歳で短編小説や詩を書き始め、同時にギターを学び、曲を書き始めています。高校2年ではテキサス州ヒューストンへの短期留学を経験。その後、コーヒーショップでミュージシャンのコミュニティに入ることに。そのコーヒーショップでの演奏(アコースティックによるカバー)をインターネットに投稿。それが切っ掛けとなり、18歳の時、インディーズ・レーベル、モントヴェントとの契約を結びました。2017年には最初のシングル「All My Storms」を、2018年にはセカンドシングル「Shades of Blue」を発表。Spofityなどで話題となりました。そんな中、発表されたデビュー作が本作です。

 前述した通り、エコーの掛かった幽玄なアコースティック・ポップ。だらーんと弛緩しているようで、メロディーには気を使っており幻想的なポップスとして、クオリティは高いです。

Shades of Blue (Official Video)
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The Limboos/ Limbootica!

本日は少し近況報告を。

今年はなかなかブログでのCDレビュー発信が出来ませんでした。
それはどうしようもなかったことですが
今日から更新頻度を戻すので
またどうぞよろしくお願い致します。

ミュージックソムリエの活動も頑張ろう。

The Limboos/ Limbootica!
2017年 スペイン
『ポップでグルーヴィな50年代風スウィング・サウンド』

 50年代の映画音楽(スパイ成分多め)へのリスペクトが込められたスウィング、ロックンロール。スペイン産らしく粘っこく熱気もムンムン、そしてすこぶるポップで聴きやすいところもポイントです。

 2013年、マドリードにて結成された新鋭グループ。オルガン、バリトン・サックス、ダブル・ベースを含む5人組です。どうやら他のバンドで活動しているメンバーも多いらしく、プロジェクト的な性格も強そう。グループの音楽性をエキゾチックR&Bと表現。2013年にデビューアルバムを発表して以来、本作は2枚目のアルバムとなります。
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 各メンバーの演奏はクールで余裕を感じさせるもの。50年代風スウィング・サウンドだけでも楽しいのですが、ポップな味つけとコンパクトな曲構成で勢いを感じさせてくれるのが素晴らしい。巻き舌のロックンロール度が高いヴォーカルも魅力的です。グループ名、タイトルの単純明快さが示す通りのコンセプト性の強い音楽ですが、高品質。
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The Limboos - I Don't Buy It - Official Video
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Funkystep & The Sey Sisters/ A Matter of Funk

Funkystep & The Sey Sisters/ A Matter of Funk
2016年 スペイン
『ヴィンテージ・ソウルに求めるど真ん中』

 ヴィンテージ・ソウル。往年のソウルの伝統を現代に蘇らせ、強靭なグルーヴで楽しませてくれる新しいグループたちのことで、当ブログでも、ヴィンテージ・トラブルやコン・ブリオ、ジ・エキサイトメンツなど多くを扱ってきました。ヴィンテージ・ソウルのシーンが盛り上がる中、更なる新人グループがどしどしとデビューしており、チェックもし切れていない状況です。そんな中、王道ど真ん中ながら濃厚な黒さ、グルーヴを持った新人が登場したので、ご紹介します。

 ファンキーステップ&ザ・セイ・シスターズ。名前が素晴らしい。2006年にスペイン、バルセロナのオソナ地区で結成されています。地元のコンクール、フェスティバルなどで活動していた彼ら。2015年「アンデルプス・デル・プロジェクト」というコンテストに応募したことを切っ掛けに、2016年のアルバム・デビューとなりました。
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彼らは9人のメンバーから構成されています。三人組のヴォーカル・グループとバンドが組み合わさっており、場面に応じて、ヴォーカル・グループのみでも活動しているようです。尚、ザ・セイ・シスターズとしては既にシングルを発表しており、デビュー済みです。

以下がメンバー一覧です。
Edna Sey: veu
Kathy Sey: veu
Yolanda Sey: veu
Guillem Plana: Guitarra
Guillem Soler: Teclats(キーボード)
Pol Padrós: Trompeta
Albert Bartolomé: Saxo
Enric Puigdesens: Baix(ベース)
David Viñolas: Bateria (ドラム)
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2013年のツアー「DANCE OR DIE」からの一枚。
楽しそうなグループです。

 キーボード、ブラス・セクションを加えたゴージャスなバンド・サウンド、パワフルで溌剌とした発声で盛り立てる女性ヴォーカル三姉妹、共にヴィンテージ・ソウルの王道を貫いている作風です。

 フラメンコのリズムを刻むなど、スペインらしいねっとりとした粘り気をそこかしこで感じ取れるのが彼ららしい魅力。また、適所でアグレッシヴに弾きまくるギターが全体の躍動感を増しているのもポイントです。

10年の歳月を経ただけに、バンドの安定感は抜群。

Funkystep & The Sey Sisters - Perfect Time
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The Excitements/Breaking the Rule

The Excitements/Breaking the Rule
2016年 スペイン
『まずはライブ映像を見て欲しい』

 ブログ開始年である2013年にセカンド・アルバムをレビュー、年間ベスト10入りもさせたお気に入りグループ、ジ・エキサイトメンツ。この度、サード・アルバムが到着しました。めでたい!

 エキサイトメンツは7人で構成されたスペインの60年代懐古グループ。詳しくは前作のレビューをご参照ください。

 今回のアルバムではブラス、オルガン、ギターなどによるバンド・アンサンブルのヴォリュームが上がっており、ビートを強調する意図が感じられます。もちろん、ココ・ジーン・デイヴィスによるフェイクを交えたノリノリの歌唱は今回も健在。ロック度が上がったことにより、モッズ・ビートのような颯爽としたカッコよさをまとったアルバムです。
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相変わらず抜群にかっこいいオン・ショット!

 前作を聴いて以降も様々なソウル系グループを紹介してきました。その中でもやはりエキサイトメンツは別格。実力派シンガー、タイトなバンド・アンサンブル、キャッチーな楽曲群と三拍子揃っています。
 
The Excitements - "Los Conciertos de Radio 3 2016" – Tve
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Silvia Pérez Cruz/ Domus

Silvia Pérez Cruz/ Domus
2016年2月 スペイン
『生まれ変わるスペイン音楽』

 浮き上がるような優しい歌声に強く惹かれてしまいました。
 シルヴィア・ペレス・クルースは1983年生まれ。
スペインのバルセロナ地方、パラフリュージェル出身。
音楽理論、クラシック・ピアノ、サックスを習い育った彼女は、
2000年代から著名なミュージシャン(ハヴィエル・コリーナなど)との共演を次々に果たし、
名声を高めていきます。
そして2012年、シンガーソングライターとしてソロデビューを果たすことに。
デビュー・アルバム『11 DE NOVEMBRE』ではスペイン民謡を基軸として、
ジャズ、ボサノヴァ、メナス音楽、キューバ音楽、ファドなど
様々な民族音楽を融合させた独自の音楽性を披露しています。
本作はそんな彼女による三枚目のアルバム。
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 スペイン民謡らしく粘っこく情感たっぷりのメロディーが特徴。
コテコテのスパニッシュもありますが、それだけでなく上述の通り様々な要素が代わる代わる登場。
アコースティック音楽ながら他には類を見ないほどのバラエティの豊かさが特徴です。

 アコーディオンや吹奏楽器、打楽器等、様々な民族楽器が彩るサウンド。
そちらも良いのですが、何といっても歌声こそが一番の聴きどころ。
エーデルワイスが似合う清廉な歌声、と形容するにふさわしい素晴らしさ。
そしてパートナーと思しき、甘い歌声を披露する男性ヴォーカル。
更に、たそがれた雰囲気を演出する男女コーラス。
歌声が折り重なる美しい響きには、ただただ感嘆します。
SEなどが曲間に入ることからコンセプト・アルバムなのかもしれませんが、
意味が分からなくても、作品の魅力は十分に堪能できます。
個人的には馴染みが無い、舌が巻かれるスペイン語の発声も新鮮で心地よいです。

Verde
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