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The Dirty Nil/Minimum R&B

The Dirty Nil/Minimum R&B
2017年 カナダ
『うねるグルーヴとディストーション。猛烈パンク』

 ディストーションてんこ盛りで暴れまわる野蛮なパンクが存分に聴けるアルバムです。

 ダーディ・ニルはカナダ、モントリオールで活動するオルタナティヴ・パンク・バンド。オルタナティヴ・パンクという音楽には今回初めて遭遇しました。ディストーションやグルーヴのうねりが90年代オルタナティヴ・ロックからの影響を感じさせており、なるほどと理解出来ました。メンバーは3人。2006年にバンドを結成したものの永らくアルバムをリリースすることが出来ず、シングルを細々とリリースし続けてきたそうです。2016年、遂に初のオリジナル作を発表。本作はデビュー作に伴うツアーを経て、リリースされたシングルB面及び未発表曲集となります。
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 ひたすらシンプルにうねるヘヴィーな楽曲が続きます。パンクではありますが疾走する曲はあまりなく、ミドル・テンポで推してくるので腹に効きます。若さゆえの勢い、ロックへの憧れが詰まっており、満足。全力でバンドを楽しんでいる姿に好感が持てます。もっと元気を出さねば、と思わされたり。
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Fuckin' Up Young (Official Video)
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Fleece/Voyager

Fleece/Voyager
2017年カナダ
『どんよりスペーシーなプログレ・サウンドに爽やかコーラスが舞う』

 ピンク・フロイドや中期ビートルズを想起させるファンタジックでスペーシーなサイケ・サウンドが特徴。変拍子を多用するプログレッシヴな音楽性は、クラシック・ロック・ファンにも受け入れられそうなもの。
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 カナダのモントリオールで2014年に結成されたロック・グループ、フリース。シンセサイザーとキーボードによる鍵盤二人体制の5人組です。本作は2ndアルバム。サイケデリック、ジャズ、グランジをブレンドしたロック・サウンド、と自身のページでは標榜しています。映像を想起させる幻想的なキーボードの絡み合ったサウンドも特徴で、先に挙げたようにピンク・フロイドやイエス、キング・クリムゾンなど、プログレッシヴ・ロックからの影響が伺えます。ベース、ドラム共に乾いており、エレクトロのような無機質さが印象的。このリズム隊のおかげで複雑なメロディーが続いても全くブレない芯が通っています。透明感のある高音ヴォーカル、厚みのある爽やかなコーラス・ワーク共に見事。強固なバンド・アンサンブルにより、重厚なプログレッシヴ・ロックを楽しむことが出来ます。重厚さから来る重々しさの他に、内省的な暗さが全編から漂うこともポイント。

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 一方で美しく柔らかいメロディーが散りばめられた楽曲ながら、難解な展開が祟ってあまり頭に入ってこないのはマイナス・ポイント。

Fix It Together
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Monkey House/Left

Monkey House/Left
2016年 
『まったり、とろけていく』

 金澤寿和氏監修のLight Mellowシリーズから日本盤がリリースされたモンキー・ハウスの新作。

 モンキー・ハウスはスティーリー・ダン研究の第一人者、ドン・ブライトハウプト(カナダ、トロント出身)によるプロジェクト・グループです。1992年に活動を開始して以来、3枚のアルバムを発表しており、本作は4枚目となります。
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 スティーリー・ダンは一通り聴いており、AORもそこそこ好き、という自分ですが、今回はべた褒めのアルバム評に興味を惹かれ、購入した次第です。
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 参加しているスタジオ・ミュージシャンはジェイ・グレイドン(G)、エリオット・ランドール(G)、ドリュー・ジング(G)、マイケル・レオンハート(Tr)、ダニー・マッキャスリン(Sax)など。

 自分は本作から入門したのですが、スティーリー・ダンよりもドナルド・フェイゲンのソロに近い印象を受けました。
哀愁味のあるダンディなヴォーカル、滑らかなギター・ソロ、上品なコーラス、ブラス、キーボードによる洗練されたメロウなAORが全編で堪能できます。メロディーの充実ぶりも素晴らしい。絶賛されるのも納得の完成度です。

It's Already Dark In New York
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Karim Ouellet/Trente

Karim Ouellet/Trente
2016年 カナダ
『顔は脱いで演奏するスタイル』

 この狼男は愛嬌抜群。
ふわふわとしたファンタジックな音色、刻まれるのはレゲエのリズム。
盆踊りからフォーク、レゲエ、エレクトロ、ロックといった要素が混ざり合った、
アコースティック・ミュージックです。
聴けばたちまち、幻惑させられること必至。

 カリム・ウェレットはカナダ、ケベック州出身。ギター弾き語りSSWです。
2012年にデビューしており、本作で3枚目。
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ご覧の通り、狼男に扮してパフォーマンスを行っているのが、特徴の一つ。

また、彼はケベック州の公用語であるフランス語で歌っています。
既に発表された2枚のアルバムで、ジュノー賞へのノミネートも果たしているとのこと。

 上記したように、様々な要素が混ざり合った音楽性を持っています。
サウンドはデジタルで徹底的に管理されており、エフェクトやエコー、スクラッチなどを駆使。
それらが下地としてのアコースティック・サウンドと、スムーズに融合しており、
カラフルで幻想的な音楽が生まれています。
ギター弾き語りの他、ヴァイオリンやブラスを交えた楽曲もあり、アレンジは豊富。

 フランス語ならではの、字余りで歌われるレゲエのリズムは、なかなかに新鮮な個性。
フランスにも人気が飛び火しているとのことなので、今後の活躍が楽しみです。

Karim et Le Loup
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Tara Kannangara/Some Version Of The Truth

Tara Kannangara/Some Version Of The Truth
2015年 カナダ
『ジャジーな女性SSW枠の有望株』

 透明感のある歌声とピアノはリンダ・ルイスの如し。
まったりとしたジャズ感覚と都会的なアレンジはローラ・ニーロの如し。
ジャズのコーナーにあったのでは見過ごされてしまう上等のポップスを見つけました。

タラ・カナンガラはカナダ、トロント出身のトランペット奏者、シンガーソングライター。
ブリティッシュ・コロンビア州、チリウィックで育った彼女は、
幼いころからクラシック・ピアノを習い始め、高校からトランペットを始めました。
また、ビクトリア大学とトロント大学を卒業しており、そこでジャズ研究、
及びバンド・リーダーとして活動を始めています。
当ブログでもレビューしたエスペランザとの共演も果たしている他、
多くのジャズ・フェスティバルへ参加しており、精力的な活動をしているミュージシャンです。
本作は彼女の(おそらく)デビュー作。
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素敵な写真です。


ジャズをベースにしているものの、ソウルのグルーヴ、メロウ且つキャッチーなメロディーを兼ね備えています。
ポップ・ミュージックとしても聴くことが出来る、ジャンルの垣根を飛び越えた音楽でしょう。

 彼女のバンド・メンバーとしてピアニストのヴィージェイ・アイヤー、
トランペット奏者のアンブローズ・アキンムジアが名を連ねています。
二人ともグラミー賞にノミネートされたことがある若手の実力派プレーヤーとのこと。
セッションにはドラム、ベースも加わっており、バンド録音が為されています。

 透明感のある高音、包容力を感じさせる低音。
レンジが広く表情が豊かな歌声が素晴らしい。
自在に音符の波を乗りこなす軽やかな歌い振りに触れれば、
リンダ・ルイスやローラ・ニーロを例に出したことも納得していただけることでしょう。

 バンド・アンサンブルはまろやかで洗練されています。
インプロヴィゼーションでも終始クールで熱は控えめ。
そちらではタラのトランペットが活躍。
伸びやかで開放的な吹きっぷりが印象的で清々しさが魅力です。

 楽曲はエーデルワイスと
トム・ヨーク(レディオヘッド)の「Atoms for Peace」のカバー以外、オリジナルで構成されています。
前述したようにメロディー・メイカーとしての素質も素晴らしく、
気怠くメロウな美しい音楽を楽しむことが出来ます。

※2015年度の最高アルバムに選出しました。
改めて聴いてみるとキティー・ウィンター&ジプシー・ノヴァみたいな
ジャズ・ボッサ要素。更にエキゾチックな魅力もあったりして
奥深いアルバムです。是非聴いてみてください。

(もう一度記事を書きたくなってきました。)


「SHOW ME WHERE TO GO」
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