Darling/Darling

Darling/Darling 
2017年 イギリス
『アイルランドの新鋭ロック・デュオ』

 荒涼とした冷たさと迸る情緒が同居するロック・サウンドは、彼らの先達であるU2やコールドプレイを彷彿とさせます。デュオにしてスタジアム・ロック級の音楽を表現しているのが凄い。

 アイルランド、ダブリン出身。ダーリンはギター、プログラム担当のゲイリー・ハーディングとヴォーカル担当のジェイムズ・マクガイアの二人によって2012年に結成されました。デモ音源をネット等で公開していたところを、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、グレース・ジョーンズ、ウルトラヴォックス、ペットショップ・ボーイズなどを手掛けたことで知られるプロデューサー、スティーブン・リプソンの目に留まり、彼の後押しを受ける形で本作が完成。これがデビュー作となります。
darling-darling_album.jpg

 デュオとは言え、録音は鍵盤入りのフル・バンド形態で行われています。80年代~90年代に掛けてのロックからの影響が強く、低音がズンズン響くダイナミックなロック・サウンドでありながら、前述したようないかにもアイルランドのグループらしい個性を持っているのが特徴。キラキラとしたギター、爽やかなコーラスが浮き上がるアレンジが施されており、アコースティックで幻想的な味わいがあります。U2、コールドプレイからの影響は固まりのまま、曲に収まっている状態。それを加味しても素晴らしいロック作品であると言えます。

※お知らせ
現在、記事の書き溜め期間に入っており、少しばかり更新が遅くなります。
二日に1日更新くらいを目安に頑張りますのでよろしくお願い致します。
読んで頂きありがとうございます。

Bright Light Switch
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ イギリスロック

Lauren Ivy & The Engine/ Soul Kit EP

Lauren Ivy & The Engine/ Soul Kit EP
2017年 イギリス
『ブリティッシュ・ブルース・ロックの新星』

 「朝日のあたる家」をオルガン・ギンギンで、たそがれカバー。ヴォーカルは女性で感情たっぷり。当ブログではフルアルバム重視で普段あまりチェックしないEPだけれども、これは聴くしかないでしょう。
1490978386_folder.jpg

 チャンネル諸島にあるジャージー島で結成された4人組、ローレン・アイヴィー&ジ・エンジン。2015年から活動を開始、当初からこれまで、クラブなどでブルースやソウルのカバー曲を演奏して過ごしているとのこと。左腕にド派手なタトゥー(ブリティッシュな柄です)を施した華やかなローレンと、もさいおじさんという対比を成すルックスが受けて地元では人気を博しているそうです。今回は彼女達の曲が映画『アナモルフォシス(Anamorphosis)』で使用されることになり、それに合わせてEPを制作。上記の「朝日のあたる家」はカバーですが、他4曲は(「Frankie And Johnnie」なんて曲もありますが)オリジナルです。
14878343473534.jpg

 ローレンのタトゥーを含むルックスはもちろん素晴らしいのですが、嗄れ声での情熱的な歌唱も劣らずに素晴らしい。加えてモッズを彷彿とさせるブイブイに揺れるオルガン、クリーンなソロを披露するブルース・ギター、腹にドスドス来るリズム隊とバックの演奏も文句なし。オリジナル曲は総じて60年代ルーツを感じさせるもので、シャッフル、退廃的なミドル・ナンバー、ピアノ・バラードと多彩です。挨拶代わりの一枚ということでしょう。彼らはエレクトリック・ブルースをやっているとFACEBOOKで表明していますが、この曲数ではまだそこまで明確に見えて来ません。確かに英ブルース特有の熱と粘り気は感じられますが。。。真の個性が明らかとなるフル・アルバムを待ちたいと思います。

Soul Kit - Lauren Ivy and the Engine
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ イギリスロック

Stone Foundation/ Street Rituals

Stone Foundation/ Street Rituals
2017年 イギリス
『洗練されたブリティッシュ・ソウル』

  ストーン・ファンデーションという名前と、ストリート・リチュアルというタイトル。色々混じっています。更にポール・ウェラーがプロデュースを担当(2曲で作曲を担当している他、全曲のセッションに参加)しているイギリスのソウル・グループということで、聴いてみたくなりました。私は今回初めて聴きましたが、日本では既に認知されており、何度か来日も果たしているようです。
SFG.jpg

 ウォーリックシャー出身の8人編成グループ。ヴォーカル&ギターを務めるニール・ジョーンズを中心に結成されたのち(結成年度は調べきれませんでした)、2011年にデビュー作を発表。これまで3枚のアルバムを発表しており、本作は4枚目です。ニール・ジョーンズは80年代モッズ・リバイバルを通じて、ノーザン・ソウルに傾倒したルーツを持っており、そのままストーン・ファンデーションの音楽性と繋がっています。尚、本作にはゲストとして、ウィリアム・ベルやベティ・ラヴェットが参加していることもポイント。
SF4large.jpg

 前作までのアルバムを未聴の為、比較は出来ませんが、ポール・ウェラー・プロデュースらしい、洗練されたブリティッシュ・ソウルを楽しむことが出来ます。うるさ過ぎずに主張するストリングス、爽やかな鍵盤、所々のんびりしたパーカッション、差し込まれるフルートなどからイギリスらしさがプンプン漂ってきます。キャッチーさは控えめながら、十分にポップで聴きやすい。声量控えめながらスマートなヴォーカルもナイス。熱は抑えられており、柔和なソウル・ミュージックとして魅力抜群です。

Back In The Game ft. Paul Weller
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ イギリスソウル

Rachel Newton/ Here's My Heart Come Take It

Rachel Newton/ Here's My Heart Come Take It
2017年
『ハープ弾き語りによるスコットランド民謡継承SSW』

 BBCラジオのフォーク・アワード2017やスコッツ・トラッド・ミュージック・アワード2016などに参加。スコティッシュ・トラッドを受け継いだ本格SSWをご紹介します。
500x500C.jpg

 グラスゴー出身のSSW、レイチェル・ニュートン。スコットランド民謡を現代的に解釈、受け継ぐことをコンセプトとして活動しており、英語の他、スコットランドの言語であるゲール語でも歌詞を書いています。自身はヴォーカルの他、ハープ、ヴィオラ、フィドルを担当しており、バンド・メンバーとしてフィドルのローレン、パーカッションのマティ、トロンボーンのマイケル、キーボードのサラの4人が演奏に参加。2012年にデビュー作を発表し、本作はサード・アルバムとなります。
maxresdefaultB.jpg

 一口にスコットランド民謡の現代化といっても色々塩梅があります。レイチェルの場合は、ハープの調べによる室内楽のような優雅さを強調しつつも、かなり原初的な解釈でトラッドをやっており、寒々しさが印象的。熱を帯びて跳ねるリズム隊、絹を重ねるような幻想的なキーボードが素晴らしい。スコットランド民謡における踊りの要素も強調されています。また、厳しさを秘めた清々しい歌声も魅力的。

「Here's My Heart Come Take It」

続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ イギリスフォーク

JANET JONES/ JANET JONES

JANET JONES/ JANET JONES
1974年 イギリス
『キーボードを伴う清々しく可憐な弾き語り』

 フィメール・フォークとしての極上の内容がキャサリン・ハウのファーストに匹敵する、という帯の殺し文句に誘われて、餌食になってみました。そもそもキャサリン・ハウのファーストという言葉のチョイスが謎です。どうしてそこと並べたのか、煽るにしてももっとキャッチーなところもあったのではないか、などと思いますが、まんまと釣られてしまった僕は完敗でございます。
R-8180007-1456638358-4274_jpeg.jpg

 ミダス・レーベルから2枚のアルバムを出しているシンガー、ジャネット・ジョーンズのセカンド・アルバム。ギター2本とベース、キーボードという4人編成で録音されています。カバー9曲、オリジナル3曲という構成。ミダス・レーベル自体に硬派なトラッド・レーベルというイメージがあったのですが、本作は1974年という時代でもあり、かなりポップで聴きやすい印象です。まっすぐで清々しい歌声が素晴らしい。選曲はバフィ・セント・マリーやドリー・プレヴィンなど、私自身には馴染みのないラインナップが多く揃っています。ディランやジョニ・ミッチェルのナンバーも含め、どの曲も柔らかい印象のフォーク・ソングとして調整。キャサリン・ハウを例に出したのは、キーボードを伴う清々しく可憐な雰囲気が似ているからだと思います。ジャネット・ジョーンズの音楽の方が素朴な為、一概に比較できませんが確かにキャサリン・ハウを思わせるところもあり。(伸びやかに歌うところなどで)

Waiting For You
続きを読む(動画があるよ) » 関連するタグ イギリスフォーク