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Stables/Reverie

Stables/Reverie
2018年 イギリス
『youtube動画大盛の巻』

オルタナティヴ・フォーク・ポップと自身の音楽を表現する二人組のデュオ、ステイブルズによるセカンド・アルバムです。

 2009年より活動しているフォーク・グループ、Keston Cobblers Club。彼らはロンドン、ブロムリー地区ケストンを拠点にしています。その中心メンバーであるロウ兄弟の片割れ、マシュー・ロウとダニエル・トレンホルメが組んで2016年よりステイブルズとして活動している、というのがバンド結成の由来となります。サイモンとガーファンクル、フリートウッド・マックという二つのグループを影響元としてフェイスブックに載せており、目指すフォーク・ポップのルーツを何となく察することが出来ます。
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 二人はアコギ、パーカッションもしくはピアノまたはシンセをそれぞれ担当しており、曲によってはフィドルを足しています。上品でほのぼのとしたメロディーは上記のルーツが反映された爽やかな聴き心地。朗々として落ち着いた歌声も素晴らしい。オルタナティヴたる由縁である、シンセサイザーやプログラミングによるエレクトロなさざ波も楽曲を盛り立てる演出として上手く作用しています。
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Stables - Reverie (Official Music Video)
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RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND

RICOTTI & ALBUQUERQUE/FIRST WIND
1971年 イギリス
『ヴィブラフォンがヴォーカルと張り合う異色シンガーソングライター作』

 英ジャズ・シーンを代表するヴィブラフォン奏者、フランク・リコッティの代表作として記憶していた本作。永らく聴くことが出来ていなかったのですが、この度、めでたくビッグピンクよりCD化されました。
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 マイケル・アルバカーキなるミュージシャンとのデュオ作となっています。マイケルは本作発表後、ロイ・ウッドの後任としてELOに加入するとのこと。

 リコッティがヴィブラフォン、アルト・サックス、パーカッション、アルバカーキがギター、ヴォーカルをそれぞれ担当。当時、英ジャズ・シーンで活躍していた面々がベース、ドラム、ピアノでそれぞれバックを務めています。過半数の楽曲をアルバカーキが手掛けており、残りをジェイムズ・テイラーやラヴィン・スプーンフルなどのカバー曲で埋めている構成。

 ジャジーなシンガーソングライター作とは一線を画す、ジャズ・ロック度の高さが特徴。1971年という、ロックを模索していた時代ならではの新鮮な音楽性が楽しめます。ジャズ・ロック的なインプロヴィゼーションが長く続くのはもちろんのこと、ヴォーカルとヴィブラフォンが交互に主役を取る構成が多い為、清々しくも静謐な雰囲気に包まれているのが魅力となっています。

 ビッグピンクからの再発盤は重箱の隅をつつくようなレア盤が多い反面、衝撃を受けるものはあまりないのが実情なのですが、本作は英ロック・ファンにおすすめしたい佳作となっています。

Don't You Believe Me
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David Ford/Animal Spirits

David Ford/Animal Spirits
2018年 イギリス
『エネルギッシュな声に圧倒される』
 ブルース・スプリングスティーンとエタ・ジェイムス、トム・ウェイツを愛するイギリス人による、酔いどれブルース/ロック・ミュージック。
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 デヴィッド・フォードは1978年ケント市ダートフォードにて誕生。上記のようなアメリカ音楽を楽しみながら育ったとのこと。学生時代からバンド活動を開始。インディー・ロック・バンド、EASYWORLDは2004年に解散するまで2枚のアルバムを発表するなど、地元では人気を得ていました。2005年からソロ活動を開始し、5枚のアルバムをリリース。本作は6枚目のアルバムとなります。
 
シャウトを交えた、ブルージーな歌声が素晴らしい。太い声です。ゴスペルを彷彿とさせる重厚な女性コーラス、叩きつけるような指使いが印象的なギター、オルガンなどによる迫力のバンド・アンサンブル。ソウルやブルース、カントリーなどアメリカ音楽への憧れを感じさせる音楽です。イアン・マシューズやロッド・スチュワートなど、かつてイギリスより生まれて来た米国憧憬のミュージシャンと同様に、ストリングス・アレンジの細やかさ、カチッとしていて凝った曲構成、煮え切らない暗さなど、イギリスらしさが隠し切れないところが魅力となっています。

Animal Spirits - David Ford

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DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS

DAVEY & MORRIS/ DAVEY & MORRIS
1973年 イギリス
『トロトロに溶かされる、これがトニー・フーパー・プロデュース作の威力だ!』

 ヨーク・レーベルからリリースされたトニー・フーパー・プロデュースによる、男女デュオ作。エコーやストリングス、コーラスを駆使した夢見心地なフォーク・サウンドを生み出すトニー・フーパー・プロデュース作品がまた一つ、復刻されました。

 デュオ名義ですが、ストローブスの面々が参加しているバンド録音となっています。トニー・フーパー自身がストローブスの中心人物だったため、橋渡し役となったのでしょう。チェロやオルガンはもちろん、曲によってはメロトロン、バンジョー、ブズーキも入る多彩な編成が楽しめます。

 幽玄な調べの古楽器、格調高いストリングス・アレンジが代わる代わる登場する幻想的なサウンドは、トニー・フーパー作品ならではの味わい。
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 爽やかさと憂いを同居させた優しい歌声も魅力的。楽曲では中盤に挟まれているビートリッシュなポップ・ナンバー「Window」「Who Stole My Land」辺りが素晴らしい。総じて主張が控えめな牧歌的なフォークであり、トニー・フーパーのプロデュース・ワークにマウント・ポジションを取られている感じがヒシヒシと伝わってしまう出来栄え。期待通りの音楽性に満足です。

Who Stole My Land
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Natalie Evans/Better At Night

Natalie Evans/Better At Night
2018年 イギリス
『放心した様な少し舌足らずな歌声がかわいい』

 放心した様な少し舌足らずな歌声がかわいい。我ながら歌声がかわいい、などと俗っぽい書き出しは久しぶりであります。

 ロンドンの南東にあるケント州で活動するシンガーソングライター、ナタリー・エヴァンスのデビュー・アルバムです。ハープとギターを演奏することが出来、2013年頃から活動。本作の前に『House』というEPをリリースしています。これしか情報が探し出せず、影響を受けた音楽なども不明。一応、日本語のページにはブライト・アイズやオーウェンズに影響を受けた、という情報も乗っていたのですが、根拠が見つからず。
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 こう書くとまたか、と言われるかもしれませんが、ケイト・ブッシュを彷彿とさせる音楽性です。ハープ、アコギを織り交ぜた素朴で幻想的なフォーク・サウンドを基調として、シンセ系の打ち込みがポスト・ロック的にリフレインで入る感じ。森林浴をイメージするような爽やかさ、清々しさが魅力で、加えてシンセなどの残響が心地よく催眠音楽としても有効です。タイトル通りですね。ハープ兼ギター奏者のシンガーソングライターという関連で言えば、ジョアンナ・ニューサムにも近いイメージがあり。

'Lyre Song'
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