Hey! Hello!/Hey! Hello! Too!

Hey! Hello!/Hey! Hello! Too!
2016年 イギリス
『分かりやすいパンク・ポップが並んだ佳作』

 1990年代後半、わたしはワイルドハーツというグループにズッポリとハマっていました。キャッチーさとヘヴィーさを両立させたハイテンションな音楽の洪水を浴びて、浴びて浴びて・・・・・・。しかし金属音を強調したヘヴィー路線に舵を切って以降、ジワジワと心が離れてしまい今では新譜が出たらyoutubeでチェックするくらいの付き合いとなっています。 このヘイ・ハローもワイルドハーツのリーダー、ジンジャーによる新しいグループの一つ。
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 あまり期待していなかったのですが、グラム・ロックのような煌びやかさにグイグイと惹きつけられました。

 ヘイ!ハロー!は2012年から活動開始。メンバー・チェンジをしているようで現在は日本人二人を含む4人組の日米英混合国籍グループとして活動しています。今回のアルバムでは各曲で異なるヴォーカルを迎えているようで、特に女性ヴォーカルの活躍が目立っているのもポイントです。

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 ザクザクのギター・リフと躍動感のあるキャッチーなメロディーを軸とした、分かりやすいパンク・ポップが並んでいます。分厚い多重録音コーラスと、ノイジーな音響の組み合わせは健在。ジンジャーの個性である唐突な楽曲展開は抑えられており、素直に気持ちよく楽しめます。専任の女性ヴォーカルは、概ね力強く快活な歌声を披露しており、素晴らしい。日本人メンバーが居ることもあり、数曲では日本語詞で収録してくれています。これは新鮮です。

 バーニー・トーメのグループ、トーメ(Torme)の曲をカバーするというロック・マニア振りを披露してくれているのもポイント。音圧が高いうえにテンションも一定なので、ちょっと中盤ダレてしまうところもありますが、近年のジンジャー作品では佳作だと思います。

Automatic Love
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Brewers Droop/Opening Time

Brewers Droop/Opening Time
1972年 イギリス
『パブロック・シーンを想像する一助に』

 再びBIGPINK再発アイテムのレビューをします。自分の得意分野なのですらすら書ける反面、マニアックな当ブログでもとびきり不親切な文章になってしまっています。反省しつつ、今日は分かりやすく書いてみたいところ。

 ブリュワーズ・ドゥループ。70年代初頭に活躍していたパブロック・グループの一つです。70年代初期、ロックンロールのリヴァイバルが起こったイギリス。そこで酒場音楽を提供するパブロック・バンドが活躍することになりました。ニック・ロウを擁したブリンズレー・シュワルツやエルヴィス・コステロなどが代表的なパブロック・グループ、ミュージシャンでしょう。
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 さてブリュワーズ・ドゥループについて。マホガニーというブルース・ロック・バンド(んー、アルバムはあんまりだった記憶があるが・・・)を母体として誕生したグループとのこと。本作はトム・マクギネスがプロデュースしたファースト・アルバム。

 楽曲はほぼすべてがブルース、カントリー、トラッドなどのカバー。楽器はヴァイオリン、ピアノ、アコーディオン、ハーモニカ、クラリネット、サックス、ギター、ベース、ドラムが用いられています。ソウルの熱気、トラッドのおおらかさがいい塩梅で融合しており、とにかく楽しい演奏。当時のパブロック・シーンを想像する一助になることでしょう。

If You See Kay Tonight
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BRONCO/SMOKING MIXTURE

BRONCO/SMOKING MIXTURE
1973年 イギリス
『ジェス・ローデンが居ないブロンコ』

 ジム・モリスンが居ないドアーズ、デヴィッド・ボウイが居ないスパイダース・フロム・マーズ、イアン・ハンターが居ないモット、ブリティッス・ライオンズ・・・・・・そしてジェス・ローデンが居ないブロンコ。

 ブリティッシュ・ソウル・シンガー、ジェス・ローデンが中心となって結成されたブロンコ。カントリーを英国流に料理した2枚のアルバムをリリースしたものの、そこで中心人物であったジェス・ローデンは脱退。その後にアルバムを1枚リリースしていたものの、長い間CD化されず、聴くことが出来ませんでした。そもそも待っていた訳でもないというのが正直なところで、誠に申し訳ございません。
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たばこの缶を模したジャケット・デザインは素晴らしい。

 音楽性は慎ましやかなカントリーロック。ヴォーカルの線が細いと感じるのは、やはりジェス・ローデンの残像がよぎるせいでしょう。ただパブロックのようなリラックスした演奏は魅力的。またクリフォードTワードがゲスト・ヴォーカルや作曲として4曲でクレジットされています。これは地味になりがちな本作にささやかなハイライトでしょう。

Attraction
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Kero Kero Bonito/Bonito Generation

Kero Kero Bonito/Bonito Generation
2016年 イギリス
『突き抜けたペラペラな歌詞に清々しさを覚える』

 ビビットな色使いのアルバム・ジャケから木村カエラを連想しました。脱力させてくれる日本語+英語の緩い歌に面食らいつつも、日本語ヒップホップを通過したキャッチーなエレクトロ・ポップは聴き心地が良く、スラスラと聴けてしまいました。
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 ケロ・ケロ・ボニートはロンドンで結成されたトリオのエレクトロ・グループ。女性ヴォーカルのサラ・ミドリ・ペリーは日英ハーフとのこと。元々、男性陣のジェイミーとガスが日本語の出来るヴォーカルを募集したのが切っ掛けとなり、このトリオが結成されたとのことです。2013年から活動しており、EPなどを発表しているものの今回が初のフル・アルバムとなります。

 JPOPならではのキャッチーな野暮ったさを、スタイリッシュなエレクトロ・ポップに溶け込ませており、胃がもたれそうなこってりしたサウンドに仕上がっているのが特徴です。

 ボニートの日本語は流暢なのですが、やはり少し外国人風で愛嬌があります。そして言葉のチョイスが・・・(オブラートに包めない)・・・若干古いですね。しかしながらDA.YO.NEって感じで逆に新鮮です。いっそ清々しい。キラキラなバッキング、太鼓のようにハキハキしたビートも印象的。

Graduation

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Michael Chapman/50

Michael Chapman/50
2017年 イギリス
『祝デビュー50年』

 ロイ・ハーパーやジョン・マーティンのアシスタントを経て1967年にデビュー。以来、サイケデリックなフォーク、フォーク・ロックを探究しているSSW、マイケル・チャップマン。

 自分は初期のハーヴェスト~中期のデッカといった70年代中期までの地味なSSW時代のアルバムを愛聴しております。サイケデリックな味つけがされていながらポップで聴きやすい。そして枯れた歌声が渋い魅力を放っています。
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 そんなマイケル・チャップマンが2017年にもアルバムを出していました。手元の資料で調べたところ、恐らく通算37枚目のアルバムだと思います。ただ自主製作盤やライブ盤も多いので、前後ということでご容赦ください。タイトルの50は、デビュー50年ということでしょう。
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このおじいちゃん、かっこいい!

全10曲。概ね5分台で曲がまとめられています。原点回帰ということなのでしょうか、ギター弾き語りによるシンプルなサイケデリック・フォークをやっています。歌声は元々枯れていたのであまり変わっていない印象ですが、晩年期のレナード・コーエンのような凄みがあり。また、サイケデリックなギターとキーボードの絡み合いはスペーシーでスケールが大きいのも特徴です。マイク・オールドフィールドやピンク・フロイドのような空間演出を感じることが出来ます。かっこいいアルバムです。
76歳となったマイケル・チャップマン。若い時代にアシッドな文化に心身どっぷり漬かっていたであろう彼ですが、長生きしてアルバムを出してくれると嬉しい。

That Time Of Night

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