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GoGo Penguin/A.Humdrum.Star

GoGo Penguin/A.Humdrum.Star
2018年  イギリス
『ビートが強調されつつもピリピリする緊張感は健在』

 ゴーゴー・ペンギンの4枚目。いつも通り2年空けての新作となります。

 マンチェスター出身のジャズ・トリオであり、アンビエント、ポスト・ロック、アンビエント、現代音楽、ジャズ・ピアノ、ゴシックなど様々な要素を融合させた音楽をやっています。セカンド、サードも当ブログで紹介しています。
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 サード『Man Made Object』の時点で傾向はあったのですが、作風がポップな方向へ振り切っている印象。ビートが強調されている曲もいくつかあり、一部、まるでヴァンゲリスのような趣。精密なドラム、うねるベース、さめざめと泣くようなピアノという三人のアンサンブルの関係は今作でも健在です。相変わらず、音の粒立ちがくっきりしているのもポイント。ちょっと普通になってしまったかな、ロック寄り過ぎないか、と最初は思いました。しかしながら、アルバム全体に緊張感が満ちており、楽曲同士が繋がっていくストーリー性もあり、聴き応えは十分です。

GoGo Penguin - Window (Official Video)
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Dream Wife/Dream Wife

Dream Wife/Dream Wife
2018年 イギリス
『新人らしい溌剌としたパンクポップ』

 ブライトン出身の女性3人 (Rakel Mjöll、Bella、Alice)で構成された、ロンドンを拠点に活動するパンクポップバンド、ドリーム・ワイフのファースト・アルバム。2015年に結成されており、翌2016年に4曲入りEPを制作。ライブ・ツアー、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)など音楽フェスへの参加を経て、本デビュー・アルバムのリリースへと漕ぎつけました。ここまで、順風満帆な活動ぶりと言えます。尚、バンドはトリオ編成ですが、サポートにドラム奏者をつけています。
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 透明感のある高音と瞬発力を感じるシャウトを武器にしたヴォーカルは華があります。切れ味の鋭いバンド・アンサンブルは若いパンク・バンドらしからぬ、どっしりとした力強さを感じます。サポートを入れているとは言え、ほぼ最小限度の編成であるため、適度な隙間があるのもポイント。パンクポップと名乗っているだけに、楽曲はとにかくポップ。海外ではパット・ベネターを引き合いに出しているところもあり。ロックンロールを基盤としたシンプルなナンバーが並んでおり、そのポップさ、溌剌とした魅力は確かにパット・ベネターに通じるものがあります。生き生きと音楽を楽しんでいる姿が感じられる、という意味で鮮度も抜群。ライブを見たいと思わせるアルバム。

Somebody
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The Magic Gang/ The Magic Gang

The Magic Gang/ The Magic Gang
2018年 イギリス
『完成度の高いオールド・スクール』

 各種音楽メディアにてガンガンに取り上げられている、ザ・マジック・ギャングのデビュー作。実は僕も聴いていました。相当に出遅れつつ、紹介したいと思います。

 ブライトンを拠点に活動する4人組グループ。僕自身もオアシスやクーラ・シェイカーを思い出したのですが、巷でも90年代インディー・ロックからの影響を投影させた音楽性が注目を集めており、「オールド・スクールなロマン派」と呼ばれているそうです。90年代はもうオールド・スクールだったのか!
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↑やる気のない感じがかっこいいじゃん、ってやつだと思う。

 ほぼ音楽性については語ってしまった感もありますが、もう少しだけ。ドカドカのドラムを擁した骨太のリズム隊、ジャラジャラしたギター、エコー、コーラスを纏った爽やかなヴォーカルといったバンド・アンサンブル。ビートルズやデヴィッド・ボウイ、トロッグス等々の遺伝子を感じさせるブリティッシュな楽曲群をスマートに演奏しています。

 2013年からEPなどを経て、経験を重ねてきたからなのか、すっきりと整理された音になっており、新人らしいフレッシュさに欠けるところもあり。反面、マイルドさは随一。聴き馴染みは良いです。例えば、フェスで偶然出会った音楽好きにもアピールする即効性があり。フェスは行ったことないけれども。もう少し我を出してほしい。英国ロックの新人だけに期待大。

Getting Along
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Trickster/Back To Zero

Trickster/Back To Zero
1979年 イギリス
『英米いいとこどりのパワーポップ』

 70年代のブリティッシュ・ロックばかりに没入していた以前、1970年代後半のものを敬遠しがちでした。ポンプ・ロック~パンク~ニューウェイヴの流れに馴染めなかったことに加え、スケールが小さい印象も抱いていました。今はそういうことは無いですが、フラットな感情であっても、なかなかこの年代のアルバムが揃ってこない状態です。まだ偏見があるのかな。

 本作も存在は知っており、わざわざ今は亡きストレンジデイズが再発しているのですから、悪いはずは無いだろうと思っていながらなかなか手を出さなかったアルバムです。それなのに、Youtubeのおすすめ動画をクリックしてまんまとハマってしまった次第。
Trickster - Back To Zero [Japan remaster _4]

 後にELOパート2に参加することになるフィル・ベイツを中心とした4人組グループ、トリック・スター。1977年にデビュー作をリリースしており、本作はセカンドとなります。

 ソフトで甘い歌声、爽やかなコーラス、とろとろにポップなメロディー、と三拍子揃ったパワー・ポップをやっています。ELOのスペーシーでカラフルなポップさと、クィーンやコックニー・レベルのような演劇性を同時に受け継いでいるところは、さすが英国のグループ。しかしながら、このバンドの肝はそこではなく、AORやブルーアイドソウルなど、アメリカ音楽からの影響も同じくらい発露しているところがポイント。時にはジャーニーやボストンを先取りしたかのような、メロディアスなパワー・ロック・サウンドも聴かせてくれます。英米折衷とは言いますが、これほど目まぐるしく入れ替わる音楽性も珍しい。彼らが影響を受けた音楽性の幅とキラキラしたアレンジは、1979年ならではの味わいだと思います。残念ながら個性としては小粒になってしまっていますが、曲単位でピックアップして楽しむ現代には合っているかもしれません。 

Trickster /Tomorrow Belong To Me
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Judas Priest/Firepower

Judas Priest/Firepower
2018年 イギリス
『愛嬌のあるプリーストが戻って来た』

 若き日に『PAINKILLER』がリリースされて夢中になったジューダス・プリースト。世代的には壮年期にギリギリ間に合った感じでありました。以後ジューダス・プリーストは長い沈黙ののち、ロブ・ハルフォードのソロ活動を経て1997年、新ヴォーカルを迎えて『Jugulator』を発表。当時、このアルバムを肯定する為にあらゆる努力を惜しまなかったことが、今はいい思い出です。2005年にロブ・ハルフォードが復帰しての復活作『ANGEL OF RETRIBUTION』がリリースされるものの、この頃にはかなり醒めておりyoutubeでチェックしてスルーする決断が出来るほどクールでした。(ロブ・ハルフォードもハイトーンが出なくなったな、とか)更にK・K・ダウニングの脱退の報せがあり。それを機に、しばらくジューダス・プリーストの音楽に触れずにいました。60年代から活躍する伝説級のロック・ミュージシャンの訃報は残念でありますが、遠い歴史の出来事のような気持ちもあり。しかしジューダス・プリーストのように、ライブにも参加したバンドやミュージシャンが老いを感じさせるのは、凄く寂しく感じます。
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 そんな自分が手を出したジューダス・プリーストの新作『Firepower』。理由は、このジャケット。まるで『Screaming for Vengeance』のような雰囲気を醸し出しています。これは購入不可避!

 全盛期のアルバムも担当していたトム・アロムがプロデューサーに起用されています。ドラマティック且つキャッチーな楽曲が目白押しで、往年の個性が蘇っているのがポイント高し。『PAINKILLER』期に準ずるヘヴィさですが、前述したようにかなりキャッチーな作風となっているところが肝。ロブ・ハルフォードのシャウトも、ツインギターの艶も全盛期の輝きには及ばないものの、健闘を称えたい仕上がりです。ちょっと曲数多いかな、と思ってしまうところもあり。また、一気呵成に攻め立てるアルバムだからこそ「Sea of Red」はもっと徹底してメロウに、例えば「Before The Dawn」や「Last Rose of Summer」のように仕上げてくれれば文句なしでした。

 本作と同時期にグレン・ティプトンがパーキンソン病を患っていることが公表され、バンドのライブ活動からも離脱するとのこと。残念です。

Lightning Strike
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