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Samantha Leon/Samantha Leon

Samantha Leon/Samantha Leon
2017年 アメリカ
『今更紹介したい2017年度のEP』

 ニューヨークの新人SSW、サマンサ・レオンのデビューEPをご紹介。

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報が少ないのですが、ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちとのこと。Amos Lee, Fleetwood Mac, Sarah McLachlan, Alanis Morissette, Corinne Bailey Rae, Mariah Carey, and Adeleといった音楽を聴いて来たそうです。このデビューEPを発表して以降、アメリカをツアー中です。

 フォーキーなアコースティック・ソウルをやっています。自由奔放な節回しと、爽やかで深みのある歌声。伸び伸びとしたファルセット・ヴォーカル。初期のリンダ・ルイスを彷彿とさせる瑞々しい魅力があります。乾いた打音で弾むパーカッション、細やかな指使いのアコースティック・ギターを始め、演奏陣も充実。

 楽曲、パフォーマンス共に高水準でデビューEPとは思えない内容なのですが、日本はもちろん、本国アメリカでもノーマークの模様。今、聴くべき新人です。EPですが7曲入っています。

Samantha Leon - Bright Yellow Shoes (Official Music Video)
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King Leg/Meet King Leg

King Leg/Meet King Leg
2017年 アメリカ
『昔のアメリカ音楽のような温もり』

 アメリカのレーベル、Sireと契約した新人ロックンロール歌手、キング・レッグのファースト・アルバム。

 1986年生まれ、ネブラスカ州出身のSSW、ジョイス。地元ではカバーバンドに在籍していたのですが、自作自演への欲求に目覚め、より積極的な活動を求めてナッシュビルへ移住します。スミスのカバー・グループと並行して、自作曲を練っていたものの進展が見られない日々。一度は音楽の道をあきらめて、大学の医学部へと進んだものの、友人の勧めでロサンゼルスへ移住して、ジョイスをリーダーとするキング・レッグというグループを結成。彼らが演奏したある日のクラブにて、ワーナーの伝説的プロデューサー、レニー・ワロンカーの耳を捉え「ロイ・オービソンのように惹きつけられる声だ」などの絶賛を得ることに。レニー・ワロンカーは、Sireの責任者であるシーモア・シュタインを紹介。キング・レッグはレーベルとの契約を勝ち取りました。本作は彼(ら)のデビュー作となります。
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 50年代のカントリー、R&Bをルーツとするロックンロールへの回帰をテーマとした音楽性が特徴です。鍵盤奏者を含む5人編成での録音。ヴォーカル中心の隙間の多いアンサンブルはパブロックのような軽やかさが素晴らしい。ジョイスの歌声はロイ・オービソンの如し、という程のインパクトは無いものの、甘さや切なさを感じさせる魅力があり。
情感たっぷりで、のどかな雰囲気を感じさせる楽曲群にはコンパクトなポップさや鋭さもあり、懐かしいだけではありません。

King Leg - Great Outdoors (Official Music Video)
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Barbara Dane/Hot Jazz, Cool Blues & Hard-Hitting Songs

Barbara Dane/Hot Jazz, Cool Blues & Hard-Hitting Songs
1950年代 アメリカ
『違いが分からない男のブルース・レビュー27』

 ブルースの新規開拓を目的とした連載だったこの企画も27回目。ネタにするべきブルース・シンガーを探すのがそろそろ難しくなってきた感じです。今回取り上げるバーバラ・デインは、タイトルからも分かる通り、フォーク、ブルース、ジャズ・ヴォーカルと多岐に渡って活躍している人物。純然たるブルース・シンガーと言えませんが、ご容赦ください。

 1927年デトロイト生まれ。音楽に関わり始めたのは高校時代の頃。1940年代のデトロイトは経済発展が目覚ましく、且つ労働組合による運動も活発化。人種平等と労働者の権利を求めるデモに、バーバラ・デインも参加することとなります。デモの一環として同世代(10代)の若者たちと共にバンドを結成。パフォーマンスを披露することで、地元の音楽プロモーターからの関心を集めました。ただ、この時点ではプロモーターからの誘いは断り、工場の正門や組合のホールで歌うことを楽しんでいたとのこと。
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 1949年にサンフランシスコへ移住。これを機に両親ら家族を養うために、ラジオやテレビでトラッドや流行歌を歌う音楽活動を開始します。1950年代、時代の流行に合わせてブルースの古典やジャズのスタンダードを独自の解釈で披露。彼女が主に活躍していたエンバカデロにあるクラブから評判が広がっていき、ジョージ・ルイスやキッド・オーリーのようなニューオーリンズのジャズミュージシャンや、トルコ・マーフィー、バート・ベールズ、ボブ・ミルケーといった地元のミュージシャンと交流。その他、メンフィス・スリム、ウィリー・ディクソン、マディ・ウォーターズ、クララ・ワード、ママ・ヤンシー、ウェス・モンゴメリー等、様々なミュージシャンと交流。フォーク、ブルース、ジャズとジャンルを超えた活動を見せ、1980年代までアルバムを発表しました。その後は社会活動を行うことに専念しています。2018年現在、90歳。

 今回、聴いたアルバムは2枚組のベスト盤。38曲も収録している充実の内容。前述した共演メンバーの他、ライトニング・ホプキンスやチャンバー・ブラザーズ、ドク・ワトソン、ピート・シーガーとの共演も収録しています。バーバラの歌声はパワフルで泥臭い。なるほど、こんな歌声で平等や権利を歌われたら、励まされることだろう。

Barbara Dane & Lightnin' Hopkins - I'm Going Back, Baby (Back Behind The Sun)
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Sunny & The Sunliners/The Missing Link

Sunny & The Sunliners/The Missing Link
1970年代初頭 アメリカ
『ゴツいインスト』

 チカーノ(メキシコ系アメリカ人)・ソウル歌手の大家として知られる、サニー・オズナと、そのバック・バンド、サンライナーズの名義でリリースされたアルバム。それでありながら、歌は一切なし。全てインストで構成されています。発表された年代も定かではなく、レア・グルーヴ界隈では、人気が高い一枚。2017年、レコード・ストア・デイでの復刻を経て、輸入盤、国内盤がレコードでのみ再発されました。
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 ジェームス・ブラウン「Soul Pride」、ミーターズ「Cissy Strut」ジ・インクラインズ「Pressure Cooker」といったソウル・ナンバーに混じって、ラテン・ジャズ、クンビア、ポルカと様々な音楽ジャンルの古典が収録されています。当時バーベキュー・パーティなどで演奏していたものを収録しているということで、徹頭徹尾、陽気なグルーヴが楽しめる内容となっています。

 中盤で若干の中弛みを感じたものの、アップテンポでの爆発力は素晴らしい。洗練を感じさせない、ゴツゴツした演奏もポイント。

Cissy Strut Sunny & The Sunliners
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Haley Heynderickx/I Need to Start a Garden

Haley Heynderickx/I Need to Start a Garden
2018年 アメリカ
『なんちゃってフォーク』

 オレゴン州ポートランドを拠点に活動するヘイリー・ヘンドリックスのデビュー作。
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 アシッド~オルタナ・フォークという部類の音楽をやっています。アコギの弦の響きがよく通るような、シンプルなアレンジが特徴。曲によってはストリングス、エコー、ホーンなどを加えており、幽玄な雰囲気を湛えています。儚げな高音のファルセットを始めとする情感たっぷりのヴォーカルも素晴らしい。カントリー、オルタナティヴ・ロックを内包したフォークという点で、素直な作風となっています。オレゴン州ならではの田舎らしい穏やかさがあらわれた楽曲も魅力的ですが、荒々しくギターをかき鳴らす、ロックの激情があらわれた曲こそ、彼女の真価だと感じました。

Oom Sha La La
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