Curtis Harding/Face Your Fear

Curtis Harding/Face Your Fear
2017年 アメリカ
『どんよりソウル満喫』

 2014年にデビューした自作自演歌手。本作はセカンド・アルバムとなります。

 シンセサイザー、ストリングスを取り入れた、映画のサントラの如く視覚に訴えるニュー・ソウル・サウンドはカーティス・メイフィールドを彷彿とさせます。一方で熱を抑えた内省的な作風も印象的で、その辺りはダニー・ハサウェイ的だと感じました。
消え入りそうな繊細な味わいを持つ裏声が特徴。艶めかしさ抜群で、ノスタルジックなストリングス・アレンジとの相性もいいです。
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曲に関してはニュー・ソウルをベースとした60年代ソウル由来の伝統を引き継いだものが多く、そこに現代的なロックやエレクトロといった要素を加えています。鉄琴やエコーによるサイケデリック感覚もアクセントとして印象的。「Tighten up」のパロディーと思しき「Need Your Love」もあり。残念な点としては、各曲2~3分で纏められているので、スムーズに聴くことが出来る一方で、突出したキラーチューンが見当たらないところ。

Till The End
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Caitlyn Smith/Starfire

Caitlyn Smith/Starfire
2018年 アメリカ
『王道アメリカン・ロックを得意とする女性SSW』

 ナッシュビルを拠点に活動する作曲家による、本人名義のデビュー作。宣伝文によると、これまでガース・ブルックス、ジョン・レジェンド、メーガン・トレイナー、ジェイムス・ベイ、ドリー・パートンなどに楽曲を提供して来たとのこと。
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 鍵盤入りのバンド演奏による、大陸的なスケールを感じさせるアメリカン・ロックという印象。楽曲はボン・ジョヴィなどを彷彿とさせる、ダイナミックでドラマティックなメロディーが特徴です。とにかくエモーショナルに迫ってきます。カッチリとした分厚いアレンジが施されているのもポイント。キャッチーな楽曲が揃っている当たりは、さすが職業ソングライター。彼女自身の歌声も、パワフルで伸びやか、よく通るもので魅力的。1曲目を聴いた時にはありがちだな、と思っていましたが、オーソドックスながら芯の太さを感じさせる音楽性で聴き通した次第。デビュー作とは思えないほど、ゴテゴテしているアレンジだけはちょっと考えものであります。

Starfire

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Vulfpeck/Mr Finish Line

Vulfpeck/Mr Finish Line
2017年 アメリカ
『楽しさ更にアップ』

 卓越したテクニックに裏打ちされたグルーヴ感と、サービス精神溢れるポップなメロディーを併せ持つ、一級のファンク・グループ、ヴルフペック。当ブログでは前作、前々作でヴァルフペックと表記しておりましたが、どうやら今作では日本語ページでヴルフペックと紹介されている模様。サクッと日和りました。ヴァルフペックでもヴルフペックでも、どっちでもいいのですが、毎回メディアに取り上げられている割には、ガツンと人気が上がっているようにも感じられないのがもどかしい。
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 今回のアルバムはサード・アルバム。ファーストセカンドのレビューもしているので宜しければ読んでください。ここまで年1枚のハイペースなリリース・ペースを保っています。

 今回のアルバムでは全曲でフューチャリング表記が付いているのが特徴。様々なミュージシャンとセッションすることで、バラエティの豊かさを演出しています。ファンクとミニマル・サウンドの融合ということで、ミニマル・ファンクを標榜していた彼らですが、かなりファンク度が後退している印象。緻密なアレンジと多幸感溢れるポップネスに磨きをかけており、ポップスのアルバムとして大変楽しく聴けるアルバムとなっています。多彩なゲストについては、あまり知らないミュージシャンが多くコメントが出来ないのが残念であります。そんな中去年レビューしたテオ・カッツマンの名前にはほっこりしました。その他、デヴィッド・T・ウォーカーも参加しています。シンセサイザーのキラキラ度は最高潮。そろそろブレイクするぞ、とここからのアルバムでずっと言い続ける!

Mr. Finish Line (feat. Christine Hucal & Theo Katzman)

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Rhye/Blood

Rhye/Blood
2018年 アメリカ
『長い沈黙を感じさせない』

 マイケル・ミロシュとロビン・ハンニバルのソウル・ユニットRhyeのセカンド・アルバム。4年振りのリリースとのこと。インターバルが長い作品がリリースされると昔のことを思い出す訳ですが、当ブログもまだまだ続いていて良かったです。

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 生のピアノと生のパーカッションを使っている、という声明が為されており、聴き心地もより柔らかく熱が伝わるものとなっています。サイケデリックなドローン感を持たせた楽曲がいくつかあるのも特徴。ただし依然として、どんよりとしたエレクトロ・ソウルをやっており、シャーデーを彷彿とさせる歌声と魅力は健在。刻まれるビートとシンセサイザーの波に揺られて溶けつつ、幽玄な歌声が奏でるメロディーで目を覚ます。若干の感触の違いはあれど、ファーストとの連続性を強く感じるアルバムです。

Rhye: “Blood Knows” (HD)
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Morgan Grace/Morgan Grace

Morgan Grace/Morgan Grace
2018年 アメリカ
『煙草大好きくたびれロックンローラー』

 黒のピッタリ革ツナギでロックンロールを熱唱する姉さん。これは21世紀のスージー・クアトロか。

 モーガン・グレイスはオレゴン州ポートランド出身のシンガーソングライター。2003年にデビューを果たしており、今回のアルバムで4枚目となります。
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 前述通り、鍵盤入りのバンド演奏によるグラマラスなロックンロールをやっています。ただ「朝日のあたる家」のようなダークな哀愁味も特徴で、全体からくたびれた悲壮感が漂っている印象。もちろんイケイケでロックンロールもやっているのですが、沈んでいる時間の方が長い。ハスキーな歌声は十分なドスが効いており、盛り上がる所でのシャウトも素晴らしい。

So Alone
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