Ron Gallo/Heavy Meta

Ron Gallo/Heavy Meta
2017年 アメリカ
『60年代への敬意たっぷりのssw作』

 「いや、違う違う。ヘヴィメタじゃなくてヘヴィーメタルだから。」というやり取りを何度したことか。今回は、アメリカのシンガー・ソングライター、ロン・ギャロが発表したセカンド作『ヘヴィー・メタ』をご紹介。(煮え切らない・・・・・・)

 ロン・ギャロはフィラデルフィア出身。2007年、トイ・ソルジャーズというロック・グループを結成。鍵盤入りの5人編成であるトイ・ソルジャーズはこれまで3枚のアルバムを発表しています。グループの活動と並行してソロ活動もしており、本作は前述通りセカンド作となります。
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 1曲目 「Young Lady, You're Scaring Me」、明らかにローリング・ストーンズの「Heart Breaker」をイメージさせるヘヴィ・ナンバーが飛び出します。そして2曲目「Put the Kids to Bed」はパティスミス版「Grolia」っぽいギター・リフがフューチャー。彼は60年代のサイケデリック、ビート音楽に伴う荒々しさに惹かれているらしく、そのリスペクト振りは徹底しています。引き摺るようなディストーションで暴れまわるギター、感情豊かにシャウトするヴォーカルを中心に、伸び伸びとしたヘヴィー・ロックが楽しめます。サイケ時代のストーンズを従えてデヴィッド・ボウイが歌っているかのようなラスト・ナンバー「All the Punks are Domesticated」はドラマティックで、余韻の残る終わり方が素晴らしい。
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Young Lady, You're Scaring Me
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The Regrettes/Feel Your Feelings Fool!

The Regrettes/Feel Your Feelings Fool!
2017年 アメリカ 
『シンプルなガールズ・パンクが聴きたいときに』

 定期的に物色したくなるガールズ・バンド。いやぁ、おじさんも嫌いじゃないのです。今回見つけたのは。60年代ポップスのシンプルさ、ロマンティックさとガレージ・パンクのエネルギーを融合させたバンド、リグレッツのデビュー作です。
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 ワシントン州シアトル出身。2015年結成。15歳のヴォーカル、リディア・ライトを中心とした4人組のバンドで、ドラムのみ男性メンバーです。全員が10代という若いグループ。
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グループショットのテンションからにじみ出る若さ!

 ワーナーから国内盤がリリースされる彼女達。インフォでは「若さならではの辛辣さと甘さ、純粋さとひねくれさが同居したサウンドがたまらない魅力をふりまいている」というシンプルな若さ推しがされています。
スタンダードなパンク・バンドながら、10代のグループとしては緩急の付け方がうまく、加えてサーフ・サウンドやゴールデン・ポップスのエッセンスを散りばめた曲作りがされているのがポイント。パンクらしからぬ、クリーンでソリッドな演奏も素晴らしい。溌剌とした若さを体現しているヴォーカルはもちろん文句なし。一部、シューゲイザーっぽい曲があり。まだ引き出しがありそうな予感。

Hot
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Bassel & the Supernaturals/ Elements

Bassel & the Supernaturals/ Elements
2017年 アメリカ
『逆境を歌で変える』

 シリア系アメリカ人(シリア育ちの第一世代)のフロントマン、バジル・アルマダニが率いるファンク・ロック・バンド、バジル&ザ・スーパーナチュラルズ。戦争で傷ついたシリアでの人道的努力を働きかけるために活動しているとのこと。ここまで確固たる思想を持ち、それに沿った音楽活動をするミュージシャンは今日では珍しいと思います。しかし且つては黒人解放運動と音楽は連動していました。直接、その運動を知らなくとも熱意が伝わる音楽。バジル&ザ・スーパーナチュラルズにも、いにしえのマーヴィン・ゲイやダニー・ハサウェイなどと同様に、現状を訴えて世界を変えたいと願っているのだと思います。
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 バジル&ザ・スーパーナチュラルズはシカゴを拠点に活動しているグループ。ブラス・セクション、鍵盤を含む9人編成です。バンドの結成時期は不明ですが、2013年にデビューEPがリリースされているので、その数年前だと推察されます。本作はファースト・アルバムとなります。
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 前述した通り、ファンク、ソウルを基盤とした音楽性ですが、おおらかなアメリカン・ハード・ロック、ジャズ、プログレッシヴ・ロックといった様々な要素を内包したごった煮サウンドが特徴です。手数が多くパワフルなドラム、フュージョンのように高音で鳴くシンセサイザー、オーセンティックなヴォーカル、重厚なブラス・セクションなどが飛び交うバンド・アンサンブルは、とてもエネルギッシュ。英語は分からないので、彼らのメッセージを歌から聴きとることは出来ませんが情熱は伝わります。

Lost
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Vulfpeck///The Beautiful Game

Vulfpeck///The Beautiful Game
2016年 アメリカ
『ジャケが捻挫しそうで気になる』

 ミシガン州出身、洗練されたファンクサウンドを愛嬌たっぷりのグルーヴィなバンド・アンサンブルで聴かせるグループ、ヴァルフペック。モータウンやニューソウルなどのルーツを持つ、本格派のソウル・グループです。気づかないうちに年末にリリースされていたセカンド・アルバムを紹介いたします。
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ビューティフル・ゲームというタイトルでこのジャケ・・・・・・うーむ、捻挫しそうとしか思えない。

 笛の音(オーボエorクラリネット)のソロから始まり、意表を突く1曲目。これはイントロダクション的な室内楽インストでした。2曲目からは通常のトラックがスタート。ジャクソン5風の手拍子、ピアノ、ファルセットによるコーラスが合わさったポップ・ソングですね。3曲目「Dean Town」はブレイクビーツにキーボードが乗る都会的なインスト。4曲目は明るいオペラチックなソウルで、ヴォーカル・エフェクトを駆使したチャカチャカ・ソング。5曲目はナムコのファミコンBGM(ディグダグかマッピーかな)をファンク・アレンジしたような、お茶目インストです。・・・と、全曲紹介しそうな勢いですが、ここまでにしておいて。
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ヴォーカル・ナンバー、インストが交互に並ぶ構成になっていて、インストはテクノの要素があり愛嬌たっぷり、ヴォーカル・ナンバーはクラシック・ソウルの流れを汲んでおりポップな仕上がり。次にどんな曲が来るのかとワクワクさせられる混沌としたアルバム構成からは、ライブの楽しさが伝わってくるようです。日本でもかなり浸透して来た気もします。

1 for 1, DiMaggio
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Jonny Fritz/Sweet Creep

Jonny Fritz/Sweet Creep
2016年 アメリカ
『ポヤポヤとした歌い口』

 アメリカの心の歌、カントリー。心の歌だけに毎月リリースされる新譜の量は凄まじく、且つお約束が詰まった内容になりがちです。ただ、今回購入したジョニー・フリッツの新譜は一味違いました。ポヤポヤとした歌い口とキーボードの洪水が溶け合った1曲目「Are You Thirsty」から予感をビシバシと感じたのです。

 ジョニー・フリッツ(本名:ジョナサン・ラッセル)はモンタナ州出身、2008年から音楽活動をしているカントリー系SSWです。これまでジョニー・コーンダックとして2枚のアルバムをリリース、フリッツに改名して1枚アルバムをリリース。今回はフリッツ名義でのセカンド・アルバムとなります。
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おもしろそうな人だなぁ。

 濃厚なカントリーというよりはアメリカン・ルーツのSSWという風情の音楽性で、アコギ弾き語りに、オルガンやキーボードとドラムが絡むバンド編成での録音がされています。

 哀愁と寂寥感を感じさせるメロディーが素晴らしい。加えて、ジョニー・フリッツのしがらみを感じさせない、伸び伸びとしていて気負っていない(つまりやっぱりポヤポヤとした、だ)歌が素晴らしい。70年代のSSWのような味わい豊かな音楽です。残響をうまく使ったキーボードの使い方もナイス。

 2014年には来日をしているジョニー・フリッツ。こんな素晴らしい歌手のライブを見られたなんて羨ましい。今回のアルバムでも来てくれないかなぁ。

I Love Leaving
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