Nicole Atkins/Slow Phaser
Nicole Atkins/Slow Phaser
2014年2月 アメリカ
『欧英米、多国籍なルーツが溶け合う毒気たっぷりポップス』
ニック・ドレイク『ピンク・ムーン』の如き、色合いのジャケットにおっ!とひきよせられ、
→よく見ると目がある不気味なデザインで ぎょっ!と驚き、
→毒気たっぷりのシアトリカルなサウンドと程よいポップネスにグサッ!とトドメを刺されました。
ニコール・アトキンスはニュージャージー出身のシンガー・ソングライター。1978年生まれ。
9歳でピアノ、13歳でギターを始めたという彼女。
幼い頃にはジョニー・キャッシュ、ロネッツ、サンデイズ
といったラインナップを好んで聴いていたとのことです。
高校時代からバンド活動を開始。
更に毎年出演していた新人発掘をテーマとした音楽フェス
『SXSW』を切っ掛けとしてコロンビアに認められ、
2006年ソロ・デビューを果たすことになります。
ちなみにその際のキャッチコピーは、
ウィルコとロイ・オービソンを引き合いに出しての「アメリカーナとインディロックの融合」。
本作は前作から3年振りとなるサード・アルバムです。
本作にはプロデューサーとして前作に引き続き、トーレ・ヨハンソンが参加しています。
渋谷系を通じて北欧ポップにハマった方にとってはお馴染みの人ですね。
尚レコーディングもスウェーデンのマルメ(これも前作に引き続き)にて行われています。
音楽性は、演劇性たっぷりのゴシックな世界観が特徴のポップ・ミュージック。
スモーキーなヴォーカルとギター、アナログ・シンセ(カシオ)の他、
プロ・ツールスによる打ち込みで構成されています。
なるほどトーレ・ヨハンソン・プロデュースだな、と分かる幻想的で爽やかなキーボード・ワーク。
揺らめくような高音の重なりが美しい。
エキセントリックな転調は初期ケイト・ブッシュの様であり、
またアナログ・シンセの劇的な響きはジェネシスを彷彿とさせます。
こういった要素が強調されているのはスウェーデン録音の成果でしょう。
一方で彼女の元来持っているカントリーの影響も残っており、
特に乾いたギターの音色とシンプルなリフ・ワークにそれが表われています。
またプロ・ツールスによるコズミックな打ち込みアレンジが
モダンな雰囲気を加えているのもポイントでしょう。
そして忘れてはならないのが彼女のヴォーカリストとしての魅力。
酒焼けした喉はドスが効いており、
声質としてはスティーヴィー・ニックスやマリアンヌ・フェイスフル(ブロークン後)を彷彿とさせます。
一方でハッタリを効かせた表現力はピーター・ガブリエルやケイト・ブッシュの如し。
この毒々しさを持ったヴォーカルにより、シアトリカルな世界観が強調されているのです。
結果として渋いルーツを持っている音楽性ながら、
メロディーラインはかなりポップに仕上がっています。
『Girl You Look Amazing』
2014年2月 アメリカ
『欧英米、多国籍なルーツが溶け合う毒気たっぷりポップス』
ニック・ドレイク『ピンク・ムーン』の如き、色合いのジャケットにおっ!とひきよせられ、
→よく見ると目がある不気味なデザインで ぎょっ!と驚き、
→毒気たっぷりのシアトリカルなサウンドと程よいポップネスにグサッ!とトドメを刺されました。
ニコール・アトキンスはニュージャージー出身のシンガー・ソングライター。1978年生まれ。
9歳でピアノ、13歳でギターを始めたという彼女。
幼い頃にはジョニー・キャッシュ、ロネッツ、サンデイズ
といったラインナップを好んで聴いていたとのことです。
高校時代からバンド活動を開始。
更に毎年出演していた新人発掘をテーマとした音楽フェス
『SXSW』を切っ掛けとしてコロンビアに認められ、
2006年ソロ・デビューを果たすことになります。
ちなみにその際のキャッチコピーは、
ウィルコとロイ・オービソンを引き合いに出しての「アメリカーナとインディロックの融合」。
本作は前作から3年振りとなるサード・アルバムです。
本作にはプロデューサーとして前作に引き続き、トーレ・ヨハンソンが参加しています。
渋谷系を通じて北欧ポップにハマった方にとってはお馴染みの人ですね。
尚レコーディングもスウェーデンのマルメ(これも前作に引き続き)にて行われています。
音楽性は、演劇性たっぷりのゴシックな世界観が特徴のポップ・ミュージック。
スモーキーなヴォーカルとギター、アナログ・シンセ(カシオ)の他、
プロ・ツールスによる打ち込みで構成されています。
なるほどトーレ・ヨハンソン・プロデュースだな、と分かる幻想的で爽やかなキーボード・ワーク。
揺らめくような高音の重なりが美しい。
エキセントリックな転調は初期ケイト・ブッシュの様であり、
またアナログ・シンセの劇的な響きはジェネシスを彷彿とさせます。
こういった要素が強調されているのはスウェーデン録音の成果でしょう。
一方で彼女の元来持っているカントリーの影響も残っており、
特に乾いたギターの音色とシンプルなリフ・ワークにそれが表われています。
またプロ・ツールスによるコズミックな打ち込みアレンジが
モダンな雰囲気を加えているのもポイントでしょう。
そして忘れてはならないのが彼女のヴォーカリストとしての魅力。
酒焼けした喉はドスが効いており、
声質としてはスティーヴィー・ニックスやマリアンヌ・フェイスフル(ブロークン後)を彷彿とさせます。
一方でハッタリを効かせた表現力はピーター・ガブリエルやケイト・ブッシュの如し。
この毒々しさを持ったヴォーカルにより、シアトリカルな世界観が強調されているのです。
結果として渋いルーツを持っている音楽性ながら、
メロディーラインはかなりポップに仕上がっています。
『Girl You Look Amazing』
そこはかとなく漂うケイト・ブッシュの影響。
打ち込みによるダンサフルなリズムが効いています。
じわじわと来るキャッチーなメロディーに漂う大物感。
本作は日本でも大手レコード・ショップにて入手可能です。
特にタワーレコードでは
ファーストから続けてプッシュしているバイヤーがいらっしゃるようで、
レビューがアツイ。
1年間、2014年の新譜を追いかけてきましたが、それも本日で一区切り。
土日の記事は、来週更新する2014年の総括記事を挟んで、2015年新譜へと切り替わります。
(今後、火曜日に2010年代のアルバムを一定周期で紹介予定)
ありがとう2014年の音楽たち、2015年の音楽が楽しみだ!
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