マジカル・パワー・マコ/マジカル・パワー・マコ

マジカル・パワー・マコ/マジカル・パワー・マコ
1974年 日本
『レビューが難しい』

 テープ・コラージュによるサイケデリック、ジャーマン・エレクトロ、ラーガ、ケチャや民謡などの民族音楽を融合させたマジカル・パワー・マコのファースト・アルバムです。
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 ヴォーカルは遠くでぼそぼそ言っていたりして良く分からない箇所が多数。奇声、SEや電子音、テープ・コラージュが不規則に乱れいるので、落ち着きたいときに聴く音楽ではありません。宇宙を表現しているという批評を耳にしますが、確かにスケールの大きさとおおらかさを感じることが出来ます。最初はアヴァンギャルドな要素ばかりが耳に入るのですが、実は美しいメロディーが少しずつ隠れており、それが徐々に姿を現してくる頃にはアルバムに馴染んでいることでしょう。朝日を見たような清々しさ、爽快感が味わえるアルバムです。
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Tony Allen/The Source

Tony Allen/The Source
2017年 アメリカ(ナイジェリア出身)
『レゲエのリズムとロックの熱狂、テクノの没入感。全部入ってジャズ』

 ナイジェリア出身。アフロ・ビート・ドラマーの巨匠、トニー・アレンのブルーノート・デビュー・アルバム。(←宣伝文そのまま)色合い、レタリング共にブルーノートらしいジャケだったので、ついつい聴いてみました。
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 トニー・アレンは元々、ナイジェリアのラジオ局で働いていたそうです。そうした中でアート・ブレイキーの音楽に感銘を受けて、ドラムの演奏を始めることに。60年代にはフェラ・クティのメンバー・オーディションを受け、彼のバックでドラム、パーカッションを担当。アフロビートの感覚を身に付けました。その傍らで、自身のソロ作も多く発表しており、本作はフル・アルバムとして20枚目にあたります。

参加メンバーは以下。
Mathias Allamane(b) Jean Philippe Dary(p) Indy Dibongue(g) Yann Jankielewicz(ss) Nicolas Giraud(tp) Nicolas Giraud(flgh) Jean-Jacques Elangue(ts) Rémi Sciuto(bs) Rémi Sciuto(as, fl) Daniel Zimmerman(tb,tuba) Vincent Taurelle(clavinet) Tony Allen(ds)

テナー・サックスとしてクレジットされているヤン・ジョンキエレヴィックスは、共同プロデューサー的な立場でアルバムの方向性を決めた人物とのこと。また上には記載されていませんが、ゲストとしてブラーのデーモン・アルバーンがキーボードとして参加しています。トニー・アレンはセッション・ドラマーとしても活躍しており、デーモン・アルバーンとも共演しているのでその縁でしょう。その他、多彩な楽器が揃ったビッグバンド編成でのセッションとなっています。

 2017年の初めにはアート・ブレイキーのトリビュート盤も発表しており、且つビッグ・バンドでの演奏ということで、モダン・ジャズ以降の伝統を受け継いだ、アフロ・ビート・ジャズをやっています。ゆったりとしたグルーヴを作り出すトニー・アレンのパーカッションとスペーシーなピアノが鮮烈。ふくよかなサックス群のうねりと合わさって、とても神秘的に響いています。てっきりケニー・ドーハムのようなアフロ・キューバンだろうと思っていたのですが、レゲエのリズムとロックの熱狂、テクノの没入感が加わったジャズとして想像を上回るインパクトがありました。

Tony Allen - Ewajo (Album The Source, 2017)
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Siv Jakobsen/The Nordic Mellow

Siv Jakobsen/The Nordic Mellow
2017年 ノルウェー
『姿勢を正してしまうような、たおやかさが素敵』

 ここで言及するのは何度目かわかりませんが、ケイト・ブッシュやジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる弾き語りの女性SSWに目がありません。そこで最近見つけてきたのがシフ・ヤコブセン。ネット検索をしてみたところ、曰く「新世代ヴァシュティ・バニヤン」「サンディ・デニーの再来」と絶賛の嵐でありました。相変わらず、メディアの皆さんはヴァシュティ・バニヤンやサンディ・デニーの名前を易々と使う悪癖が治癒していないようで残念。まー、僕も使う形容詞がワンパターンだから全然だめだけれども。

 ノルウェーの都市、オスロを拠点に活動するシンガーソングライター。ローラ・マニングを手掛けているプロデューサー、マット・イングラムのバックアップを経て制作されたのが、このデビュー・アルバムとなります。
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 歌声は美しい。こちらが姿勢を正してしまうような、たおやかさがあります。キリッとした芯の強さを感じさせる。メロディーは甘くなり過ぎず、言葉が詠唱の様に流れる滑らかさを優先させています。ジョニ・ミッチェルからの影響は大でしょう。敢えて英国の女性SSWからイメージとして挙げるとすれば、ブリジット・セント・ジョンが近い印象です。

 マット・イングラムによるヴァイオリンを中心としたストリングス・アレンジは、彼女の歌とギターを神秘的に演出。パーカッションの入れ方も仰々しく、雰囲気作りはバッチリです。一部過剰かな、と感じるところもありますが、概ねシフ・ヤコブセンの個性を大切にした出過ぎない演出が素晴らしい。
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 霧のかかった森の中にいるような寒々とした雰囲気は北欧フォークらしく、突出した名曲こそないものの、大いに楽しめました。

Shallow Digger
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JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF

JUSTIN HEATHCLIFF/ JUSTIN HEATHCLIFF
1971年 日本
『執念を感じるべし』

 和楽器を用いた独自の和洋折衷音楽に取り組んだパイオニア、喜多嶋修と、日本のロック黎明期を支えたエンジニア、吉野金次がタッグを組んだプロジェクト、ジャスティン・ヒースクリフの唯一作。

 解説によると多重録音の拘りから「米国の一人マッカートニー」と呼ばれるエミット・ローズから触発されたのが切っ掛けで、「ビートルズのスタジオ・ワークを日本で再現する」というコンセプトにより制作されているアルバムです。
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 全編英詞による研究成果をまとめた録音というべきもので、後期ビートルズの手法を再現しています。当時は画期的だったことも頷けるところ。あまりオリジナリティーが感じられないのは事情が事情なだけに仕方ない部分です。本家よりもファズ・ギターが前面に出ているなど、微妙な質感の違いを楽しむのが吉でしょう。何よりも徹底した拘りには執念、妄執が感じられ、圧倒されます。
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Geyster/With All Due Respect

Geyster/With All Due Respect
2017年 フランス
『今度のガイスターはディスコ趣味全開』

 フランスのガエル・ベンヤミンによるプロジェクト、ガイスターの最新アルバム。通算8枚目です。前作は3枚組の大作だったのですが、まさかもう新作が届くとは創作意欲の旺盛さに驚きます。

 自分がガイスターを知ったのは6thアルバムである2013年「Down On Broadway」でした。ブリティッシュ・ロック要素の強い作風が気に入っていたのですが、彼の本道はAORやエレクトロ・ポップのフィールドにあるようです。またガエル・ベンヤミンはプロデューサーとしても活動しているマルチ・ミュージシャン(宅録職人)なので、作品ごとに性格付け(コンセプト)がはっきり成されているのも特徴。

さて今回のアルバムですがビートが強調されており、エレクトロ・ポップ、ディスコの要素が強い音楽性となっています。
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同郷のダフトパンクにも通じるソウル、ファンク要素を加味した洗練されたエレクトロ・ポップが楽しめます。きめ細かい裏音の配置、余裕を感じさせるヴォーカル、キラキラのキーボード・サウンド、ジャズを彷彿とさせる奔放なソロパートと従来のガイスターが好きなAORファンにも楽しめる内容だと思います。ただ「Down On Broadway」が好きだった自分としてはちょっと寂しくもあり。プリファブ・スプラウトのカバーはうれしかったけれDも。

Geyster (feat. Ethel Lindsey) - Easy (Music Video)
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