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ノラオンナ/めばえ

ノラオンナ/めばえ
2018年 日本
『昼寝を始めたくなる穏やかさ』

 ウクレレ弾き語りスタイルのシンガーソングライター、ノラオンナの新作。全国流通盤としては4枚目のアルバムです。
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 ボサノヴァ、ジャズ、ブルース、歌謡曲といった要素が混ぜ合わさった音楽性は変わらず。ウクレレ弾き語り以外のアレンジは最小限に留めており、落ち着いた雰囲気のアルバムになっています。ボツボツと呟くような低い歌声が映えている印象。

 素材そのままを活かしたアレンジの影響により、楽曲には思い付きで作られた鼻歌のような、軽やかさが備わっています。
曲数は16曲とたっぷり収録。穏やかな曲の中に情感たっぷりの曲も混ざっていますが、聴き疲れすることなく、のんびり穏やかな時間を提供してくれます。そこで演奏してくれているかのような近い距離を感じられるのはウクレレ弾き語りならではなのでしょう。

 水色のイラスト・ジャケットを開くと海の風景が広がる内ジャケが現れる、ジャケット・デザインも素晴らしい。レコードではもっと映えるのでしょう。

声とウクレレ「めばえ」ノラオンナ 全曲試聴
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Stand Atlantic/ Skinny Dipping

Stand Atlantic/ Skinny Dipping
2018年 オーストラリア
『安定感ある王道ポップパンク』

 紅一点のヴォーカリスト、ボニー・フレイザー率いるトリオのファースト・アルバム。
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 2014年、オーストラリア、シドニーを拠点に結成されたスタンド・アトランティック。メジャー・デビューを期に渡米してホープレス・レコードへ移籍、本デビュー作をリリースしています。

 音楽性はまっとうなパワーポップ、ポップ・パンク。ハキハキと明朗快活、そして疾走感を伴ったメロディーが、この種の王道ど真ん中を貫いており素晴らしい。結成から5年を経ている為なのか、メジャー・レーベルのなせる業なのか、デビュー作にして安定感抜群なことが少し寂しくすらあり。個性は見いだせないものの、純粋なパワーポップ愛を感じる楽曲群と、パワフルな歌唱で一気に聴かせます。

Stand Atlantic - Skinny Dipping (Official Music Video)
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「GLENCOE/The Spirit of GLENCOE」

『地味目な英パブロック作』
「GLENCOE/The Spirit of GLENCOE」1973年 イギリス

 明日書こう、明日書こう、と思っている間に、思っていることすら忘れてしまう。そんな感じでほったらかしておりましたブログ。ごめんなさい。今日は書きます。
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 今日、取り上げるのはBIGPINKからリリースされたグレンコーのセカンド・アルバム。イーグルスへの憧れが伺える、埃っぽいカントリー・ロックとソウルの融合が軸となる音楽性で、パブ・ロックに括られているようです。そこに加えてELOなどを想起させるストリング主体の幻想的なブリティッシュ・ポップ色が、彼らの特色。プロデューサーとしてベン・シドランが参加。本セカンドはその個性がより際立っている印象です。
 1973年作とは思えない洗練されたサウンド。その一方で、楽曲をこねくり回してしまう、この時代の英国バンドの性はしっかりと発揮されています。
CD化が遅れていたのも分かる地味さ加減はいかんともしがたい、という内容ではあり。その中でも、バラード・ナンバー2曲や一部ロックンロール・ナンバーではフェイセズのような軽妙さが感じられるのが魅力。

Glencoe-the spirit of Glencoe-Friends Of Mine & Roll On Bliss
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小川さくら/日々

小川さくら/日々
2019年 日本
『近年、稀にみる青田買い成功例』

 CD紹介文にあった「URCの諸作に通じる生々しくも奧のねじれた表現方法」が気になり、
京都出身、円盤レコードよりのリリースといった要素も重なり、音源試聴をせずに購入。
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 京都を拠点に活動するギター弾き語りのSSW。恐らく2010年代前半にデビューしたものと思われます。インターネットから拾える情報はほとんどありません。近年、何枚かの自主盤CDRを発表しており、それらの楽曲をバンド・セッションで録音し直したのが本作となります。デビュー作。斉藤友秋(編曲、ギター)、橋本悠(b fromケバブジョンソン)、香取光一郎(p from PAAP、泊)という編成で録音されています。

 冒頭の宣伝文句から、自分は安易に金延幸子的なものを期待しました。実際、その雰囲気を感じさせる音楽でした。朗らかなメロディーと歌の乗せかた(譜割)が新鮮で、なるほどURCと例えたくなるのも納得であります。アコースティックな編成のバンド・アンサンブルは、穏やかながらもスウィング感十分。小川さくらのヴォーカルは力強さよりも訥々という感じなのですが、歌詞を丁寧に綴っており心地よい。アルバム・タイトルにもある通り、日常をテーマとした歌詞が想像力をかきたてる素晴らしい出来。軽やか。

 ライブを一度見てみたい、と思うものの、ネットからの情報は全く得られず。円盤でのレコ発ライブを見逃したのは痛い!(2回目)そしてyoutube動画も無し。(試聴出来るページがいくつかあり)
とにかく日本語フォークが好きな方には是非聴いてほしいアルバム。
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VINTAGE TROUBLE/CHAPTER II-EPII

VINTAGE TROUBLE/CHAPTER II-EPII
2019年 アメリカ
『新チャプターはソウル道一本』

 ソウル、ロックンロール・バンド、ヴィンテージ・トラブルの新作。前作で物量的に物足りない旨を書いたのですが、素早いリリース攻勢を仕掛けてくれており、その不満は解消されました。
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 EPIIIがあるのかは分かりませんが、正直、お財布に優しくない感じがあり。

 新曲5曲を収めたディスク1、ライブ音源5曲を収録したディスク2という2枚組です。ヴァージョン違いで2枚組であった前作とは少し違います。

 まずディスク1。この間の来日で披露されていたためか、聞き覚えのある曲もチラホラ。甘さ、大団円なムードが強調されたソウル・ミュージックが並んでいます。このディスク1だけで考えると、もはやロックンロール・バンドという看板は背負えない内容。柔らかいファルセット・ヴォイスが映えており、ダニー・ハサウェイ度が急上昇。キーボード奏者がメンバーとしてクレジットされており(良かったですね!)、これまで以上にキラキラとしたデジタルなサウンドが印象的です。

 ディスク2のライブは5曲という物量もさることながら、複数会場の寄せ集めなので、あくまでもダイジェストであり、おまけ楽曲という感じ。新しいチャプターに入った、ということを思い知らされるムーディーなライブ内容。ヘヴィな「Knock Me Out」がギアチェンジの役割を果たしているのですが、次の曲が「Come Together」(ビートルズ・カバー)。ここでファスト・チューンが来ていれば、というところ。ただ、「Come Together」のカバーは新鮮。重量感を増したアレンジでパワフルに仕上がっています。最後、アルペジオで締めるところもナイス。百戦錬磨の経験を活かして、もっと色々なカバーをやってほしい。

Don't Stop Forever

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