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STORYTELLER/MORE PAGES

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1971年 イギリス
『クラシック、フォークの要素を内包したソフト・ロック』

 フォーク系の大手レーベル、トランスアトランティックに所属していたポップ・グループ、ストーリーテラーのセカンド・アルバム。ビッグピンクより初めてのCD化です。メルヘンチックなイラストのジャケットが人気のファーストと比べると、渋い風景画が地味と感じるセカンドのジャケット。ただよく見るとロゴにクジャクの羽をモチーフに用いており、かっこいい。
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 男女ヴォーカル2人を擁した5人組。プロデュースはアンディ・ボウン(元THE HARD)が担当しており、作曲にも関わっています。

 アコギとトランペット、ヴァイオリンが絡み合う、クラシック、フォークの要素を内包したソフト・ロック(フォーク・ポップ)をやっています。ヴォーカルは二人とも霞むような歌声で、いわゆるヴェルヴェット・ヴォイス。主張は控えめながら、ストリングス・アレンジがヴォーカルの隙間を十分取っており、且つコーラスを効果的に使うことで、埋もれない存在感を発揮しています。ヴィヴィッド盤に付いている小西勝氏の解説にも「リーダーシップを取るものの欠如」が欠点として挙げられていますが、上品なフォーク・ポップ以上の主張を感じることは出来ませんでした。クラシックとフォークの融合という点ではトランスアトランティック・レーベルらしい典雅な魅力を感じることは出来ます。

Remarkable
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JESS STACY/STACY STILL SWINGS

JESS STACY/STACY STILL SWINGS
1974年 アメリカ
『主役不在の演奏が慎ましくて心地よい』

 「黄金時代のベニー・グッドマンを支えた名ピアニスト」という紹介文。黄金時代のベニー・グッドマン、といえば1940年代から1950年代にかけてのこと。そして本作が発表されているのはモダン・ジャズ・ムーヴメント通過後の1974年。タイトルは「ステイシーはまだスウィングする」ですか。聴く前から応援したくなってきました。ソロ・ピアノでの演奏を収録しています。ジャケは70年代対応とい
う感じのロゴでバッチリ決めています。
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 ピアノ・ソロでのスウィング・ジャズ、というのが本作の趣旨。

 派手な技巧は一切無く、堅実で慎ましやかな演奏。軽妙にスウィングしているのですが、出しゃばらない感じ。スウィング・ジャズは隅のほうに追いやられていたであろう、1974年当時であっても、淡々と自分の好きな演奏を続けている。そんな、当時のジェス・ステイシーの仕事振り(小さなクラブで演奏している様子など)が思い浮かぶ様であり、自宅で聴いていると贅沢な気分になってきます。

 youtube動画は日本では視聴できないとのこと。お許しください。
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STARRY EYED & LAUGHING/ STARRY EYED & LAUGHING

STARRY EYED & LAUGHING/ STARRY EYED & LAUGHING
1974年 イギリス
『高品質ハーモニーポップ』

 英国版バーズで知られるグループとのこと。バンドの存在は知っていましたが聴くのは初めてです。

 グループ名はボブ・ディラン作「自由の鐘」の歌詞に由来します。パブ・ロック・ムーヴメントの後発グループとして1970年代前半にデビューした4人組。ゲストにはペダル・スティールのB.J.コール、ピアノにラス・バラードが参加。前述の通り、バーズを模倣した12弦ギターによるカントリー・ロックをやっています。
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 アメリカ西海岸への憧れを表現したカントリー・ロックではありますが、本家に比べると、まったりほのぼのとした味わいが特徴。コーラス・ハーモニーにも爽やかさだけでなく哀愁が漂っています。ウェット。パブ・ロック勢の中でも後発なだけに、サウンドは洗練されており、メロディーもキャッチーな楽曲が多い。中道的なサウンドだけに控えめな個性に落ち着いているものの、ELOやパイロットなど、イギリスのハーモニー・ポップが好きな方にもおすすめ出来るアルバムだと思います。セカンドはよりアメリカナイズされていましたが、そちらも良作です。

Closer To You Now
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Gallery/The Wind That Shakes The Barley

Gallery/The Wind That Shakes The Barley
1973年 イギリス
『麦畑など久しく見ていない』

 男女ヴォーカルを擁し、ダルシマー、フィドル、マンドリン、ギターなどのメンバーで構成された英トラッド・グループの唯一作。オリジナルはフォーク系マイナー・レーベルのミダスよりリリースされており、レア盤として人気が高いです。2002年にはジャケをルネッサンス風のものと差し替えてCD(KISSING SPELL)が再発。2014年にオリジナルのジャケで再びCD(GUERSSEN)が復刻されています。ただし、双方ともオフィシャルな再発では無いのが残念なところ。
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 麦の穂をゆらす風、というタイトル通り穏やかなトラッド・ナンバーが並んでいます。フォーク・ロック・ムーヴメント真っただ中でリリースされており、確かな技量を持つメンバー達による、緊迫感のある演奏が楽しめる内容。暗く寂しげな雰囲気が全体を包んでいるのも英フォークならではの魅力です。「Dowie Dens Of Yarrow」「The Baron Of Brackley」「Let No Man Steal Your Thyme」など英トラッド好きにはお馴染みのナンバーを多く収録しているところもポイント。

Queen of He

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三枝茂樹/永遠に向かって

三枝茂樹/永遠に向かって
2018年 日本
『70年代フォークの名残』


 70年代後半から80年代前半に東海地区で活躍していた伝説のフォーク・シンガー、三枝茂樹。彼が1985年に亡くなった際、追悼盤として自主制作されたのが本作とのこと。2018年、二度目のCD化となりました。
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 ジャケットの宇宙的なイメージから、シド・バレットみたいなのかな、と思っていたのですが、音楽性はカントリー・ロックが基盤となっています。解説にはグラハム・ナッシュやジャクソン・ブラウンの影響が書かれていますが、付け加えるならボブ・ディラン、CSNやポコと言った辺り。またギターはブルージーでねっとりとしており、時にブリティッシュ・ブルース・ロックっぽい感じがあり。「I shall be released」をカバーしているから、というだけでなく西岡恭蔵のような日本語の語り口をしているのもポイントです。70年代フォークの王道といえる内容で、ディスコ全盛の活動当時では地下に沈んでしまうのも納得。残された歌はどれも味があり、虚無感が漂うのが特徴。これがジャケットのイメージとなったのでしょう。ただ、作品として残すことを想定していなかった故の音質の悪さが悔やまれる。でもリリースしてくれたことに感謝です。いとうたかおを始め、いくつかのミュージシャンが今も彼の歌を歌い継いでいるとのこと。

動画はありませんでした。
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